家での時間をともに過ごす家具。できることなら使うほどに愛着のわくものを選びたいものです。結婚した25年前に購入した家具と、今も心地よく暮らしている、インテリアコーディネーターの木村充子さん。自宅の家具を例に、長く使いたくなる家具を選ぶ4つのポイントを語ります。

ダイニングセット
25年前に購入したダイニングセットが、LDKに落ち着いた空間にしてくれる
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1.ベーシックなサイズ、シンプルなデザインのものを選ぶ

50代にさしかかった筆者宅のダイニングテーブルは、所帯を持った25年前に購入したものです。キズや色の変化を楽しみながら、今も大切に使っています。

 

4人用サイズのダイニングテーブル

購入当時は夫とふたり家族でしたが、幅140×奥行85㎝の4人用サイズを選びました。

25年の間に4人家族になり、3回引っ越しをしましたが、どの家にもちょうどよく納まり、テーブルを狭く感じたこともありません。これから子どもが独立し、また夫婦ふたりの生活に戻りますが、デスク代わりに使うことや、来客時のことを考えると、やはりこのサイズがベストです。

北欧デザイナーによるデザインは、ハードメープルの突板天板を2本脚に乗せただけのシンプルなもの。

ダイニングテーブルやソファなどの大型家具は、シンプルなデザインのものを選んで小物で変化をつけるようにすると、模様替えも簡単。気軽にインテリアを楽しみながら、飽きずに長く使い続けることができます。

シンプルなデザインだと、長く使い続けることのできる理由がもうひとつあります。それは構造もシンプルだということ。

じつは25年前にダイニングテーブルを購入する際に、伸長式のダイニングテーブルも検討しました。しかし伸長式のテーブルでは、25年使い続けるのは難しかったと思います。なぜなら、家具に限らずものは接合部から傷むからです。

 

定期的にボルトを増し締めする

筆者宅のダイニングテーブルは2本脚に天板を乗せただけの構造なので、メンテナンスは定期的にボルトを増し締めするだけ。25年たった今も、がたつきもなく快適に使っています。

 

2.無垢の家具を選んで、素材感を楽しむ

筆者宅のダイニングテーブルで唯一後悔しているのが、無垢でなく突板(つきいた)の天板を選んだこと。

突板とは、天然木のシートを集成材に貼りつけたもの。無垢天板を選んでいたら、もっと木の変化や味わいを楽しむことができたことでしょう。しかし、同じデザインの無垢天板のテーブルは高額で、結婚当初はとても手が出せなかったのです。

現在は無垢天板でも価格が手頃で、シンプルなデザインのものが多く出ています。これからダイニングテーブルを買われる方には、無垢天板のものをおすすめします。

 

キリの無垢材でできたチェスト

こちらは玄関で使っている、引き出し部分がキリの無垢材でできたチェストです。今の家に引っ越した10年前に購入しました。

毎日手が触れる部分は色が変わっていますが、それも味わいになっています。収納家具は突板やシート貼りのものが多いですが、無垢のものを選んだことで玄関に温かみが加わっています。