53歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小1の長男・うーちゃん、里子の4歳の長女・ぽん子ちゃんという家族5人で暮らしています。今回は、野球好きなうーちゃんと古泉さんの思いについてのお話です。

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へそを曲げたうーちゃんと、人の誘いを断らない人間になってほしいという父の思い

小1の養子の男の子、うーちゃんは野球が好きです。少年野球チームに体験で参加してみたのですが、周りの子が自分より上手なことが我慢できないようで少し通ってすぐに行かなくなってしまいました。うーちゃんは気位がとても高いのです。
しかし、野球への情熱は持ち続けていて、バッティングセンター通いと僕とのキャッチボール、神社での野球は続けています。

●「僕いかない」。うーちゃんの謎のへそ曲がりが発動しました

毎週日曜日11時のビンゴに間に合うように、うーちゃんと4歳の里子のぽん子ちゃん、おばあちゃん、僕の4人でバッティングセンターに出かけます。

 

「ぼく行かない」と拒否するうーちゃん
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「そろそろバッティングセンター行こうか」
僕が呼びかけます。

「いくー」
バッティングをするわけでもないぽん子ちゃんが言います。お出かけが大好きなので、なにに誘っても大喜びで応じてくれます。

「僕いかない」
時折訪れる、うーちゃんの謎のへそ曲がりが発動しました。なにが理由か分からない、僕の誘いに応じるのが単に嫌なのか、気分が抑うつ気味なのか、一体なんなのでしょう。

うーちゃんには、こちらがよかれと思ってなにか提案しても拒否することが非常に多くあります。お友達にもそんな調子なのでしょうか。何度も断っていたらだれもなにも誘ってくれなくなると少し心配になりました。

僕自身、若いころそんなことに気づかず、平気で人の誘いを断る人間でした。今はとても反省し、ダブルブッキングなどでもない限りたいていのお誘いには応じるように努めています。
しかし、そんな風にしていても悲しいかな、今ではあまり誘われなくなりました。若いころから人徳を減らし続けたつけが回っているとしか思えない。うーちゃん、ぽん子ちゃんには僕のように絶対になってほしくないのです。

●投球速度を測定するボールを購入した古泉さん。気合十分です

「いこう!」
一方のぽん子ちゃんはすっかり行く気です。バッティングもしないぽん子ちゃんをバッティングセンターに連れて行っても仕方がありません。
ぽん子ちゃんはぽん子ちゃんで、自販機でQooのリンゴジュースを飲んだり、セブンティーンアイスを食べたりするのを楽しみにしています。でもそれだけならわざわざ遠くのバッティングセンターに車で行く必要がありません。

 

しかし、この日は『球速王子』という投球速度を測定する機能のあるボールがありました。前の日にアマゾンで買ったのが届いていたのです。

ほかに球速や球の回転の具合なども測定できるハイテクボールも候補としてあったのですが、こちらは3万円もします。そこまでの出費は無理だし、するべきでもないと思いました。子どもの野球遊びには高機能すぎる製品です。
一方『球速王子』は球速だけを測ることができます。値段は4千円くらいです。しかし、少年野球の16mか、一般の野球の18mの距離を投げないと測ることができません。距離を測るための糸巻が付属しています。

 

「『球速王子』やってみようよ」
うーちゃんに提案すると、それはやってみたかったようで応じてくれました。

裏通りで糸巻で距離を測ると、少年野球の16mもけっこうな距離です。『球速王子』のボタンを押して16mを選択します。『球速王子』は硬式ボールで危険であるため、僕がうーちゃんに投げることはできません。うーちゃんが投げたボールを僕がキャッチして、転がして返球します。

『球速王子』を投げるうーちゃん

両手を挙げて、うーちゃんにボールを投げるように促しました。
うーちゃんが僕に向かってボールを投げると、僕の手前で地面に落下してワンバウンドでキャッチしました。球速は38キロでした。バウンドした時点で速度の測定が行われたとしたら、16mより手前なので実際の球速はそれより遅いことになります。
何度投げてもワンバウンドで、ノーバウンドでは届かず正確な測定はできませんでした。