1円でも安い日用品を探したり、手間の割に効果が小さい節約に疲れていませんか?
「赤字や無貯金に悩んでいる人に共通しているのは、固定費が多いこと。『住宅ローンは削れない』『光熱費はどうしてもかかるから仕方ない』とあきらめて、潜んでいるムダに目を向けないのが原因です」と話すのは、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。
毎日コツコツ節約するよりも、まず見直すべきは毎月の固定支出。ここを改善すれば「貯まる家計」に切り替えられます! 見直しのコツやポイントを教えてもらいました。
「必要」「仕方ない」…そうやってあきらめている固定費が赤字の原因に!
すべての画像を見る(全3枚)最近は便利なネットの定額サービスなどが増え、うっかりするとますます固定費が膨らむ傾向にあるそう。
「貯蓄を増やしたいなら、腰を据えて固定費を見直しましょう。思い込みを捨て、まっさらな目でひとつずつ見直すのが成功の秘訣。一度見直せば、あとは労なくずっと出費が抑えられるので、一気に貯蓄家計に近づけます」
●たとえばこんなものも固定費です
・買うクセがついたお菓子代や飲料代
幼稚園の送り迎えやパート帰りに、お菓子を買ったり、自販機でドリンクを買う習慣も固定費。1日200円の出費でも、ひと月で6000円に!
・惰性で続けている食品などの定期便
「便利で割安」と始めた食品などの定期便も、使いきれずムダにしたり、解約の仕方がわからなくて継続していたらムダな固定費。
・アプリの月会費やクレカの年会費
「あとで解約を」と半強制的に入ったスマホの定額アプリや、「初年度年会費無料」のクレジットカードを継続。年間数千円が固定費として定着。
固定費も予算組みが大事!まずは家計の黄金比を知ろう
「貯まる家計に共通するのは、固定費を手取り収入の45~50%以内で抑えていること」と横山さん。まずは理想的なバランスを知って、固定費にも予算を設けましょう。
上のグラフは、手取り年収400万円、小学生の子どもが2人いる40代夫婦を想定したもの。小さい子どもがいる家庭の場合は、貯蓄の理想は手取り収入の1/6(16~17%)、最低でも10%はほしいところです。
●<ケーススタディ>子どもの成長とともに赤字家計に転落…
橋本靖子さん(仮名・44歳・茨城県)
小・中・高の3人の子どもがいてお風呂に入る時間もバラバラ、子ども部屋の冷暖房費もかかります。通信費もスマホ3台が必要。教育費が増えるにつれて、赤字が膨らむ一方で、とうとう貯金を切り崩すことに…。
<橋本さんの家計>
【収入】
手取り月収(子ども手当を含む) 435,000円
【固定支出】
住居費 85,000円
水道・光熱費 43,000円
通信費(固定電話、携帯電話3台、プロバイダー) 30,100円
子ども費 42,000円
生命保険料 25,140円
学資保険料 26,140円
新聞代 3,000円
●横山さんからのアドバイス 「教育費以外の固定支出を引き締めよう」
塾代など教育関係の固定費が増えると、それ以外の固定費カットが必要不可欠。4万円以上になる水道・光熱費は、どこかにムダがある証拠です。LED電球に替える、待機電力に気をつけるなど工夫を。家族にも協力してもらうのが、成功の秘訣です。
固定費が家計を圧迫していたら見直しの余地あり! 黄金比を参考に、この機会に家計をじっくり見直してみましょう。