2階寝室の扉はガラス製に!
すべての画像を見る(全15枚)2階にある寝室の入口となるのはガラスの扉。「寝室にガラスの扉?」。プランを伝えた当初は妻もびっくりでしたが、「よく考えたら、寝るとき家にはふたりしかいないしね」と納得。
扉は強化ガラスでできています。開く方の辺は一直線ではなく、少しヘコませてあり、ここが自然と取っ手になります。朝起きたときに、このガラス扉を通して、階段の隙間から差し込む光を見ると、1日を気持ちよく始めることができます。
寝室には造作のデスクがあって、昼間の時間には書斎にもなります。デスクの大きな窓の先には、着工時まで緑豊かな住宅がありました。今は2つの建売住宅に変わってしまい、残念…。借景計画は失敗ですが、木製ブラインドで視線をコントロールしています。
変形した建物を有効に使うには、やっぱり建物に合わせた家具が必要です。寝室では、ベッド、本棚、デスクを変形した建物に合わせて造作しています。こうした家具のほとんどは、大工さんが現場で造作したものです(ダイニングテーブルや洗面室も同様)。ものによっては既製品よりも安く、ローコスト化にもひと役買いました。
ちなみに、先に話に出た階段の様子は、こんな感じになります。正面には姿見を配置。裏側には靴入れを、天井までつくりました。
3.半地下にある仕事場。高い天井をスキップフロアで実現
こちらは1階にある、私の仕事場。奥に見えるのが、冒頭で紹介した玄関です。階段があって、じつはここは半地下であることがわかります。この家は各階に床段差があるスキップフロアを採用していて、玄関は半地下の1階と2階の中間になるわけです。
真っ白く塗装された作業場。床はすべて、オイルで仕上げた桜の無垢フローリングになっています。とても狭い作業場ですが、変形した建物に合わせて造作家具をたくさんつくりました。四角形でない変形した部屋には、造作家具がぴったり。
10坪の敷地に家って建つの? そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。最近は狭小敷地が増えてきましたが、それでも10坪はかなり小さい方。私のキャリアでも最小です。
「数値に現れない感性としての広さ」を目指したつもりですが、みなさんにはどう見えるでしょうか?