長電話や愚痴などに終始しがちな、母親からの電話。聴いていると気が滅入ってしまい、いかに家族とはいえ、苦手な人は決して少なくありません。そこで、著書『母のトリセツ 』(扶桑社刊)にて、「母親と自分のコミュニケーションにおいて、互いの傷をできるだけ少なくするアイデア」を提示する脳科学者の黒川伊保子さんに、「ネガティブな反応をする母親への対処法」を聞きました。

子育てしながら電話をする女性
忙しいのに母からの長電話…。ネガティブなことを言われたら気が滅入りますよね(※写真はイメージです。以下同)
すべての画像を見る(全3枚)

うんざり…母親の長電話への対処法。気が滅入らないためには…

 

突然かかってくる母親からの電話は、話が長くて切りづらい。また、せっかく旅行や外食などの楽しかった話をしても、「そんなぜいたくして大丈夫なの?」などとネガティブな反応を示されると、こちらの気持ちもダウンしてしまうもの。ゆえに、自分の話を母親にはしたくないと感じる人も多いなか、脳科学者の黒川さんは、次のように提案します。

 

●ネガティブな話には、反応しないのがコツ

「ネガティブ・オーラが強い母親を持つお子さんは、本当に大変ですよね。ネガティブ・マザーは、寂しいからこそ電話をかけてきます。その子どもは、母親に何を言っても、ネガティブ返しをされるから、ただただ話を聞くしかなくなります。そうすると、気のない感じが伝わって、ネガティブ・マザーはさらに寂しくなり、話は延々と続きます。この恐ろしい輪廻を断ちきるのは、ポジティブ・オーラしかありません。自分の話を突っ込みましょう。ネガティブ返しされても、気にせず、反応もしないのがコツです」

 

●「出口のない話」にはつき合わない

母親の気が滅入る長話に巻き込まれたり、愚痴話につき合わされたり。人生の貴重な時間を、だれかの「出口のない話」につき合わされてしまうことがありますが、その対抗策は、「自分の話題を持つこと」だと黒川さんは指摘します。

電話を切る女性

「他人の愚痴話を聞かされがちな人は、自分の話題を突っ込めないから、話を終えられない。そんな人は、趣味や習い事を始めるのがおすすめです。話が長い人に、『ちょっと話を聞いてくれない?』と言われても、『ごめん、夕方、ジョギングしてるから』、『英会話を始めて、毎日Zoomレッスンをするから忙しくて』、『資格試験の勉強があるから、またね』と、爽やかに断れます。母親の電話も、趣味や習い事の進行状況を楽しく聞かせて、『じゃあね』と終わらせましょう」

趣味は、他人に自慢できるような高尚なものである必要はありません。ゲームや韓流ドラマ、小説など、夢中になる対象はなんでもかまわないのだとか。