家づくりで間取りを考える際、生活音を考慮しながらプランを練るのが一般的。それでもやっぱり、想定外のことは、起きてしまうものです。今回のテーマは、子どもの成長とともに起こる騒音問題。暮らし評論家の大木聖美さんが、自身の家づくりと騒音についてレポート。子どもと一緒に、どうやって解決したかについて語ります。

ダイニングの床
にぎやかな家庭は楽しいけれど、夜もうるさいとなると…
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子どもの成長とともにそれは突然やってきた!

子どもが成長していくにつれ、住み始めた頃は想像もしていなかったことが起こるものです。そのひとつが、騒音。

子どもの成長とともに暮らしのリズムは刻々と変わっていきます。築16年目となるわが家の長男は、今年大学生に。世の中の流れを受けて、オンライン授業を織り交ぜながら、かなり自由な時間の使い方ができるようになりました。

以前は学校と部活動と塾が生活の大半を占めていて、夜になったら寝るのが当たり前でした。それが一変。映画を見たりオンラインで友人とゲームを楽しんだりと、長い夜を過ごすように。

 

家を建てる際に考えた騒音問題と間取りの関係

子どもの成長とともに生活リズムが変わってくるのは、じつは、もともと想定内。家を建てる際は、そのことも考慮して間取りを考えました。

わが家は日当たりの関係からLDKが2階にあります。子ども部屋も2階に設け、廊下をはさむことで、LDKの音を子ども部屋へ伝えない工夫をしていました。

夫婦の寝室は1階にあります。ダイニングの真下に設けることで、新築後に子どもが成長して、自室で起きていても、リビングにいても、音が響かない場所を選んだのです。そのつもりだったのですが…。

 

居心地よいLDKを、自由に歩き回る音が真下に響く

わが家の子どもは、自室ではなくLDKで起きているのが好きなようです。

1か所にとどまってくれていればいいのですが、ソファでくつろぎながらのどが乾いたら冷蔵庫から飲み物を出し、おなかがすいたらダイニングに座ってなにかを食べ…。かなり自由に動き回っているよう。

そのため、ダイニングチェアを引いた際に出る床の音や足音が、予想以上に階下の寝室に響くのです。これに加えて、子どもが2階のトイレへ行った際のドアの開け閉めの音。階段の吹き抜けを通して、1階まで響いてくるのも気になりました。

 

ストレートに思いを伝えてわかった意外な事実

夜中に夫婦で目を覚ましてしまうことがあったので、夜中の行動で寝室に音が伝わってきて困っているとストレートに長男に伝えました。

そこでわかったのが、自分の行動でそこまでの音が出ているという自覚がまったくなかった、ということ。驚いており、「悪かったね」とすぐ謝罪の言葉がありました。

物心ついたときから戸建てに住んでおり、今まで家の中での騒音について家族で話したこともありません。本人も気づいていなかったようです。頭ごなしに怒ることをしなくてよかったと感じました。