和食にとって火加減同様に重要なのが、水加減。たとえば、同じ煮物でも、使われている素材の性質や、どのように仕上げたいかによって、適切な水加減は違ってきます。今回はとくに、野菜を煮る際の水加減について、大人気の和食料理人・笠原将弘さんに話を伺ってみました。

煮るときの水加減 基本の3つ

●ひたひた→煮くずれさせたくないとき

ひたひた→煮くずれさせたくないとき
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 素材の表面ギリギリまで水がある状態。水が少ない分、鍋の中で対流せず、煮くずれしにくい。カボチャやサトイモの煮物などに

●かぶるくらい→味をじんわりしみ込ませたいとき

かぶるくらい→味をじんわりしみ込ませたいとき

 素材が水の表面から顔を出さず、すべて浸っている状態。おでんの大根など、じっくり味をつけたいときに

●たっぷり→青菜などを下ゆでするとき

たっぷり→青菜などを下ゆでするとき

 素材がすっぽり水に隠れる状態。少ない湯で青菜をゆでると温度が下がるために時間がかかり、食感が落ちてしまうので要注意

【笠原将弘さん】

東京・恵比寿にある日本料理店「賛否両論」店主。独創的な感性と卓越した料理センスから、和食界で注目されている。雑誌やテレビ、料理教室など幅広い分野で活躍中。簡潔でわかりやすいレシピも人気