投資運用に興味はあるものの、なにから始めたらよいのかわからないときは、まずは「iDeCo」(個人型確定拠出年金)をおすすめします。
「iDeCo」とは毎月一定のかけ金を出し、自分で金融商品を選んで運用する「個人型確定拠出年金」のことで、積み立てて運用したお金は、原則60歳以降に受け取れる制度です。2022年5月以降から、国民年金の被保険者なら、65歳までかけ金の積み立てができるようになります。
iDeCoの最大のメリットは、かけ金全額が控除の対象になり、かけ金に応じて所得税・住民税が軽減されることです。ただ、専業主婦(夫)の方など所得がない人の場合は、所得税・住民税軽減のメリットはありません。それでも、運用で得た利益に対してiDeCoなら非課税になるので、利益をまるっと受けることができます。原則60歳まで引き出すことができませんが、受け取りの際にも「退職所得控除」や「公的年金控除」といったメリットもあります。
iDeCoは、毎月かけ金を積み立てて、長期間、自分で選んだ投資商品で運用するタイプですので、投資におけるリスクを減らしながらも、税制的にも有利な商品と言えるでしょう。老後の自分への仕送りという風に考えるといいかもしれません。
【iDeCoとNISAどちらをやるべき?】
また、iDeCoとNISAで悩む方も多いようですが、「原則60歳まで引き出すことができないのが不安」という方は、途中解約ができる「つみたてNISA(ニーサ)」もいいでしょう。「つみたてNISA」はiDeCoのようにかけ金が全額所得控除の対象になりませんが、新規投資額で毎年40万円までの上限があります。最長20年間で最大800万円の非課税投資枠があるため、長期間の積み立てにも向いています。
そしてつみたてNISAを使って運用する最大のメリットは、分配金や売って出た利益に対する約20%の税金が非課税になることです。
注意点としては、「NISA」と「つみたてNISA」口座はどちらか1つしか選べませんので、口座開設の際は、ご自身の投資運用スタイルに合わせて選びましょう。
●知識がなくても大丈夫。ロボ投資におまかせ
全自動で運用してくれる「ロボ投資」もおすすめです。
ロボ投資とは、金融アルゴリズムに基づいたプログラミングを利用して投資や資産運用におけるアドバイスを得られたり、運用そのものをまかせたりするサービスです。
ロボ投資で有名なのが「WealthNavi(ウェルスナビ)」や「THEO(テオ)」、「楽天証券の楽ラップ」などが挙げられます。資産運用の知識や経験がない方でも手軽に始められるのはもちろん、リスク許容度を決めたら、あとは自動で運用を始めてくれますので、どこに投資しようかと迷う必要も、自分で売買する必要もありません。
ただし、一般的な手数料が1%前後とやや高めです。コストを抑えたいからと自力で運用するのも手ですが、わからずに判断してしまうこともあるでしょう。
すべての画像を見る(全5枚)だからこそ初めて投資をする場合は、自動で売る・売らないの判断をしてくれるロボ投資が初心者さんの運用方法として、選択肢に入ると考えています。ただし、ロボアドバイザーは確実に利益を保証するものではないということは忘れてはいけません。大切なのは、「長期」に「積立」て、運用する商品の「分散」です。これらをすることで、元本が減るリスクを減らしながら、利益につながる運用ができるのです。
また、最近ではNISAやiDeCoに対応したロボ投資を取り扱うサービスも出てきていますので、ご自身に合ったものを選んでみてくださいね。
●まずはポイント投資からスタートしてみるのも手
まだまだ知識不足で怖いという方は、ポイント運用からスタートしてみてはいかがでしょうか。お買い物などで貯められるTポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、dポイントといったポイントを保有しているのであれば、それを投資に回すことができます。ポイントで運用するものなので、それが現金になることはありませんが、そのポイントが増えたら買い物に使えるわけなので、立派な「お金」です。助かることも多いかと思います。
先行きが見えにくい時代だからこそ、毎月の貯蓄をしながらも、家計をやりくりして、浮いた分を投資運用にコツコツと積立投資をしておけば、10年、20年後の自分への助けとなっているはずです。
小さなスタートでもいい、早く始めることこそが、未来へとつなげていきます。