●妻を支えることが仕事のモチベーションに

――光さんご自身、もともとお仕事を続けることが難しかったそうですが、今は順調にお仕事の量を増やしているのですね。そこに無理は生じていませんか?

 僕は自分ができる範囲の仕事をしているだけなので、苦ではありません。訪問介護のお仕事はご自宅へお伺いする関係でこれまで苦手だった「同僚や先輩を含む複数人でのやりとり」もなく、ストレスがなく働けています。

弥加

 どんどんいろんなことができるようになっていてすごい。

 ようやく一人暮らしをしてる人間として、自分で稼いだお金で自立した生活が送れるようになったと思っています。今はざっくりとしたお金の管理しかしていませんが、これからやりくりを覚えていこうと思います。そのうえで、弥加さんにお金を渡していけたらと思っています。

弥加さん
弥加さん
すべての画像を見る(全5枚) 弥加

 今、私が何もしなくても生活できるくらいのお金をくれたわけではないけど、光くんの「好きに過ごせるようにするよ」という言葉にとてもうれしい気持ちが湧きました。その言葉と、お金を入れてくれた行動と、記帳したときの数万円の印字が嬉しかったです。相手に「養うから、まかせて!」といった姿勢でこられたことは人生で初めてでした。言われたら言われたで嬉しいものですね。

私の未熟さゆえ、光くんと私の心にいる「ミニさやちゃん」とうまく生活できるのか不安になることもあるけど、精神面で光くんにはだいぶ支えてもらっています。ミニさやちゃんのことも「意味がわからない」なんて言わずに、きちんと個々に寄り添ってくれます。これは、人格障害ではなく、ミニさやちゃんは私の大事な中核です。いつも優しい絵を描いてくれる感性豊かな子です。光くんは遠くからいつもすてきな言葉をくれて、本当にありがたいです。

ペンギンのイラスト
ミニさやちゃんによるきれいな絵。ミニさやちゃんとは、弥加さんの中にいる5歳の小さな女の子だそう

 これからは僕がお返しをしていけたらと思います。

弥加

 ありがとう。私はこれから絵や小説を書きます。発達障害や愛着、虐待関連のこと…発信したいこともたくさんあります。光くんのおかげで、今はやりたいことができるようになってきました。

 僕も、弥加さんに好きなことをやってもらいたいってモチベーションでこれからもお仕事をがんばれます。生きていくうえで大切なお金のこと、もっと勉強しながら、二人の安心につながるようにお金を貯めていきたいですね。

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【西出弥加さん】

絵本作家、グラフィックデザイナー。1歳のときから色鉛筆で絵を描き始める。20歳のとき、mixiに投稿したイラストがきっかけで絵本やイラストの仕事を始める。オフィシャルブログ「

私とリトルさやの徒然日記

」、Twitterは

@frenchbeansaya