使いかけの小さくなった野菜は、冷蔵庫の野菜室に埋もれてしまいがち。気がつくと奥の方で干からびていた…ということも。

「よくあることと思うかもしれませんが、じつは“4つのロス”が生まれていて、とてももったいないこと。ちょっとした工夫で改善できますよ」と語るのは、冷蔵庫収納家の福田かずみさん。

4つのロスの詳細と、その対処法について、教えてもらいました。

野菜を腐らせると生じる「4つのロス」とは?
野菜を腐らせると生じる「4つのロス」とは?
すべての画像を見る(全3枚)

冷蔵庫の収納に失敗すると発生する「4つのロス」と、その改善策は?

冷蔵庫収納を失敗すると、「家計」「時間」「労力」「心」の4つのロスが生まれます。

●「家計」のロス:お金を払って買った野菜なのに、食べずに捨ててしまうともったいないことに。その分お金をムダにしたことになります。

●「時間」のロス:冷蔵庫を開けて、しまったはずの野菜を探しているときの時間です。忙しい平日朝や夜に、余計な時間をかけてしまいます。

●「労力」のロス:これは野菜を“探す”という行為そのもの。その野菜が見つかって調理できればまだしも、干からびていて食べられなかったら、家計も時間も労力も報われません。

●「心」のロス:干からびた野菜が出てくると、「もったいないことをしちゃったな…」と、残念な気持ちになってしまいます。

「使いかけ野菜専用の保存容器」を活用すれば、野菜の迷子が減る!

それでは、どうしたらこのロスをなくし、快適な冷蔵庫を保つことができるのかを紹介したいと思います。それは、「使いかけ野菜専用の保存容器」を活用すること。

ロスになりがち

たとえばこの写真ですと、容器の中には使いかけのパプリカに、5個入りだったのがあと1個だけになったピーマン、1株だけ残った水菜や三つ葉、小さくなったサニーレタスが入っています。

家族の人数が少なかったり、お弁当づくりなどで少量だけ使いたい野菜も。たとえば三つ葉のように、お吸い物でちょっとだけ使いたい、といった野菜は、最後まで使いきれずロスになりがちです。

こうした、少しずつ使いたい野菜や半分になった根野菜などは、ひとつの容器にまとめて保存すると、迷子になることがありません。毎日の料理では、まずこの容器を開けて献立を考えるようにします。野菜室の中でも、優先して使いたい野菜がこの容器になるわけです。

半端野菜はこの容器に入れ、野菜室を開けたらまずここをチェック。この一連の動作を習慣にすると、野菜をロスなく献立に取り入れられるようになります。

容器の底にスノコを敷くと、適度な湿度が保たれる

こちらの容器の底には、スノコを敷いています

ちなみに、この「使いかけ野菜専用の保存容器」に適した容器の仕様があります。

先ほどの写真で気づいた人もいるかもしれませんが、半分にカットされたパプリカも、使いかけのレタスも、ラップやペーパータオルを巻いていません。

こちらの容器の底には、スノコを敷いています。

洗った野菜を入れると、余分な水分はスノコの下に溜まるので、野菜の水腐れを防ぐとともに、容器内に適度な湿度が保たれる仕組み。

葉物野菜の保存に最適な湿度は95~98%と言われています。わが家の冷蔵庫の野菜室は湿度80%ですが、スノコのおかげで、この容器内の湿度はおおむね98%に保つことができています。なので、ラップなどをしないで保存しても心配がいりません。

ちなみに、密閉できる容器があれば、スノコ単体は100円ショプなどで購入することができます。ハサミでカットしてサイズ調整できるタイプもあるので、手持ちの保存容器にあうようにアレンジ可能です。

ただし高湿度が保たれるとはいえ、「この容器に入れている限りはずっと鮮度が保たれる」というわけではありません。とくにカットした野菜は、翌日の献立に生かすように心がけたいものです。

野菜室に「使いかけ野菜専用の保存容器」があると、どこかに埋もれて迷子になる野菜が格段に少なくなり、さまざまなロスを減らせます。

冷蔵庫収納に困っている方、ぜひ参考にしてみてください。