51歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した6歳の長男・うーちゃん、里子の3歳の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回は、ぽんこちゃんとうーちゃんの寝かしつけやトイレトレーニングについてのお話です。
寝かしつけにトイトレ、コートの脱ぎ着…。甘えん坊のぽんこちゃんをつい手伝ってしまいます
夜はお風呂と夕食をすませた後、8時半まで僕の部屋でテレビを見て遊びます。土曜日の『ポケットモンスター』と日曜日の『ヒーリングッド・プリキュア』は放送された当日から毎日同じものを見るので、トータルで8回ずつ見ます。
3歳の里子のぽんこちゃんはせっかちなので、歌とCMはスキップするように要求します。僕が主題歌を口ずさんで歌うと
「パパは言わないで! プリキュア!」
ときつい口調で言います。歌わずに本編を見せろと言う意味です。なので20分ちょっとで見終わります。
本編が始まると没頭して見入っています。3歳の女の子は物語を理解しているのでしょうか。6歳の養子のうーちゃんもそれに付き合って一緒に見ています。
その2本に加えて録画してある『鬼滅の刃』を見ることもあります。
●「ママがいなくなっちゃった」が寝かしつけの合図
「そろそろ寝んねの時間だよ。今日はパパと一緒に寝よう」
8時半になるとテレビをNHKにして音を小さくして部屋の電気を消します。そのまま部屋で寝させるつもりなのですが、二人とも部屋を出てママの部屋に行ってしまいます。しかしママは9時になるとスポーツジムに行ってしまいます。
「ママがいなくなっちゃった」
ぽんこちゃんが、僕の部屋のドアをあけて訴えます。寂しいから一緒に部屋に来てママのベッドで寝てほしいと言うのです。僕は8時半の時点でほぼ寝ているので重い体でママの部屋に行き、ぽんこちゃんを寝かせていました。
当初はママが9時に出かけてから僕を迎えに来ていたのだけど、ママがトイレに行っただけで迎えに来るようになりました。
先日、ママがいなくなったと言うのでママの部屋に行くと、ママが部屋の真ん中で座ってテレビを見ています。とうとうママがいなくならなくても「ママがいなくなっちゃった」と言って迎えに来るようになってしまいました。
「ぽんこちゃん、ママいなくなってないぞ」
ぽんこちゃんは聞く耳を持たず、要するにママのベッドで僕に寝かしつけてくれというのが「ママがいなくなっちゃった」という言葉に置き換わっているようです。
また、寝るときにお腹をさすってほしいときは「お腹がいたくなっちゃった」と言い、背中をさすってほしいときは「背中がいたい」と言うので、本当に痛いときに見わけがつくのか不安です。お腹や背中をさすっているときに眠ってしまうことがよくあります。
ほかにもコートを着せてほしいときには「どうやって着るの?」、靴を脱がせてほしいときは玄関に腹ばいになって「どうやって脱ぐの?」と膝を曲げて足を持ち上げます。
自分で脱いだり着たり全然できるくせにそうしているのですが、自分でやりなさいなどと言っても騒いで面倒なだけなので、ついついやってあげてしまいます。
●トイレでうんち。できるくせに、頑としてしないぽんこちゃん
保育園ではおトイレでおしっこやうんちをしているのに、家では頑としてオムツで用を足します。ぽんこちゃんが、遊んでいると思うと動きが止まって険しい顔になっているときに「ぽんこちゃん、おトイレでうんちしようよ」と誘ってみます。
「いやだ」
無理矢理トイレに連れて行くと、うんちが出なくなってしまうことがあるため強くは誘えません。
オムツを交換するタイミングでうんちが出ると言ったので、お尻を出したままトイレに運んだときに、初めてうちのトイレでうんちをしました。目いっぱい褒めて、壁にはってあるトイレトレーニングの表にシールもはりました。しかしそれっきりでした。
もうとっくに気持ちの切り替え一つでできるはずなのです。うーちゃんのときはトイレトレーニングがほかのお友達に比べて遅れているのではないかとやたらと気をもんだものですが、ぽんこちゃんはまあそのうちできるんじゃないのかな~と積極的にトレーニングする気が起きません。
二人目あるあるで、なにかと雑な対応になっています。細やかな神経が通わない育児な反面、変にストレスを与えずにすんでいるという面もあり、これはこれでいいのではないでしょうか。
【古泉智浩さん】
漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『
うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『
うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(
@koizumi69)をチェック!