2012年のミュージカル『テニスの王子様』をきっかけに、数多くの2.5次元舞台に出演。アイドルから怪人まで幅広いキャラクターを演じ、実力派俳優としてとして活躍している山本一慶さん。クールな2枚目かと思いきや、自身の性格を「異端児」と語る素顔にも迫りました。

山本一慶さん
山本一慶さんインタビュー

山本一慶さんにインタビュー!「『テニスの王子様』には絶対に受かると思っていた」

Q1.11月20日から上演の舞台『血界戦線』Best Goes onでは、破壊や混乱を楽しむ怪人、堕落王フェムトという強烈なキャラクターを演じられますが、今後やってみたい役柄は?

本格的な悪役をやってみたいです。今までも悪役をやらせてもらったことはあるのですが、どこか憎めなかったり、かわいかったりして…。殺人鬼みたいな、本当に極悪な役を一度はやってみたいなと、ずっと思っています。

Q2.俳優としての転機となった作品や役柄は?

2011年に堀川りょうさんとW主演させてもらった舞台『スタント』が、芝居にちゃんと向き合うきっかけ。あの舞台がなかったら、今とは少し違う考えの人間になっていたんじゃないかなと思います。すごく小さな劇場でお客さんもぎゅうぎゅうの超密状態のなかで、本当に目の前で芝居するような感じだったんです。

まだ右も左もわからない状態でその芝居を経験したときに、なにかスイッチが入ったというか。芝居のおもしろさに気づいたのはもちろん、お客さんとの距離がすごく近かったことで、“芝居ってちゃんと伝わるんだな”というのを初めて実感できた舞台でした。

●同世代の役者は全員尊敬しています

Q3.2.5次元舞台の初出演作である、ミュージカル『テニスの王子様』のオーディションを受けようと思った理由は?

『スタント』で舞台の魅力を自分自身で感じられて、「これからもっと舞台をやりたい!」と思ったときに、ちょうどミュージカル『テニスの王子様』(=『テニミュ』)2ndシーズンのオーディションがあったんです。舞台をやっていくなら、『テニミュ』に出るしかないなと思ったので、当時の事務所の人に「絶対に受かるから、オーディションを受けさせてほしい」と自分から頼みました。

いざ受けると、1次審査のあと、なぜだかわからないけど“絶対受かるな”と思えたんですよね。だから、事務所にも結果が出る前に「絶対、受かりました!」って報告したのを覚えています(笑)。

Q4.2年間『テニミュ』に出演した経験で、今につながっていることはありますか?

まず、男性恐怖症が治りました(笑)。高校が男子校だったのですが、男子特有のノリについていけなくて、ストレスを感じて心閉ざしてしまった時期があったんです。『テニミュ』は男所帯なので、なんとかなじめるよう努力して、男はこういうものなんだってことを理解して…そのおかげで今の自分があるのかも(笑)。

でも、『テニミュ』で得たものは本当に多いですね。『テニミュ』の現場って魂を磨かれるというか、ほんとにスポーツなんですよ。全力で汗をかいて、足も動かなくなって。そういう体験はなかなかできないことなので、それを乗り越えて心身ともに鍛えられたんじゃないかなと思いますね。

Q5.尊敬する2.5次元俳優は?

ちょっとクセのある人間が多いですが(笑)、それぞれ唯一無二の個性がありますよね。同世代の役者はみんな好きだし、全員尊敬しています。今はコロナ禍ですし、2.5次元舞台も厳しい状況ではありますが、そんななかで今までに場数を踏んできた役者たちが諦めずに芝居をお客さんに届けることが、絶対に将来大きな変化につながっていくんだろうなと、僕は思っています。その一員でありたいし、みんな一緒にあがいている仲間ですね。

●好きな女性のタイプは「甘やかしてくれる人」

Q6.休日の過ごし方を教えてください

ゲームをしていることが多いですが、物欲がまったくないから、買い物にも行かないし、食に対する欲もなくて…。甘いものが好きなのも、効率よくカロリー摂れるから(笑)。とはいえ、家でゴロゴロし続けると、“俺はなにをしているんだろう”って、頭がおかしくなってきちゃうんですよ(笑)。だから、休みは基本的にはいらないですね。

Q7.今ハマっていることは?

カレー! 自粛中に、家の周りのカレー屋はだいたいデリバリーで制覇しました。チーズナンでカレーを食べるのが好きなんです。チーズの量が多すぎて、おなかが破裂しそうになることもあるんですけどね(笑)。

Q8.好きな食べ物とおふくろの味を教えてください?

好きな食べ物は、カレーと辛いもの全般。とくに火鍋がめちゃくちゃ好きで、スパイスの感じや食べると体が熱くなってくる感じが好き。自粛中は、1から自分でカレーをつくりました。市販のスパイスセットを使うとすごく簡単で。全部のスパイスを混ぜてオイルで炒めるだけでカレーのベースができて、そこにトマト缶と水と肉を入れて煮込んだら完成するので、失敗しないしおいしいですよ。

おふくろの味は、そうめんとナスのみそ汁。母は料理が得意なのでなんでもおいしいのですが、このみそ汁は家以外では食べたことがないんですよね。コロナの状況が落ち着いたら、実家に帰って、「おふくろの味だな~」って確かめたいです。

Q9.好きな女性のタイプは?

僕を甘やかしてくれる人(笑)。僕自身が家事でもなんでも率先してやるタイプなので…。だから、僕がいつもやっていることに気づいてくれて、「私がやっておくよ」って言ってくれるような人が理想です。

Q10.結婚願望はありますか?

20歳くらいのときは、早く結婚して30代で娘とデートするのが夢だったんですけど、あっという間に時間が過ぎてしまって…(笑)。実現できないなと実感してから、結婚願望は薄らいできてますね。意外とひとりも好きなんで。

ESSE12月号では、さらなる写真やインタビューを掲載。dマガジンでは未公開カットも公開しています。ぜひチェックを!

 

【山本一慶さん】

1989年、東京都生まれ。’08年、ドラマで俳優デビュー。’12年、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン出演の他、ミュージカル『憂国のモリアーティ』など、数多くの2.5次元舞台でも活躍。舞台『血界戦線』Best Goes On(東京公演:11月20日~29日、天王洲 銀河劇場/大阪公演:12月3日~6日、メルパルクホール大阪)出演。12月16日より上演のロンドンコメディ『Run For Your Wife』主演。2021年2月11日に自身で脚本・演出も手掛ける舞台、『Charies Cheese Cake & 山本一慶Presents コスチュームと物語の世界 総集編』を上演する。