じつに6割の夫婦がセックスレス(2016年・アンファー調べ)の時代。社会問題化するセックスレスですが、「そんなに悪いことなの?」と考える人たちもいます。
ESSEonlineが20~50代の女性読者173人にアンケートを実施し、現代の事情を探ったところ、なかにはセックスレスを肯定的にとらえている夫婦も。
「レス生活」をエンジョイしているケースについて、リアルな声をお届けします。
※写真はイメージです
恵梨香さん(仮名・40代前半)の場合:「こういうの、好きじゃない」という夫の宣言でレスに突入。だけど、毎日ラブラブな私たち
まずご紹介するのは、夫とラブラブなのにセックスレスな恵梨香さんのケース。
結婚して15年になる恵梨香さんは、同年代の夫と2人暮らし。セックスに対して受け身の姿勢が基本だったという恵梨香さんがレス生活に至ったのは、夫からの提案でした。
恋愛中は特別淡白というわけではなかった夫との性生活は、結婚してから徐々に減っていたのだそう。
そしてある日、「こういうの、好きじゃない」という夫からの宣言があり、恵梨香さんが受け入れたことでレス生活に突入しました。
●夫からの「家族として大切だからできない」という言葉が心の支えに
恵梨香さん夫妻は毎日数回キスし、ハグや「大好き」という言葉も毎日かわしています。
「お風呂にも毎日一緒に入るし、ベッドも同じ。新婚のラブラブカップルから性行為だけがない感じ」という恵梨香さんからは、悩んでいる様子は見られません。
ただし正直な気持ちとしては、このままセックスがなくてもいいわけでなく、「もしあれば、うれしい」とも思っているそう。
「レスなのは太ったからなのかな、年齢のせいなのかなって気になることもあります。以前ちらりと夫が言ってたのは、『家族として大切であるほど、汚したくない、手荒く扱いたくないと思ってできない』ということ。その言葉によって、支えられている部分があります」
栞さん(仮名・40代前半)の場合:セックスってそんなに大事?女性として見られていなくても、毎日が楽しい方がいい
「セックスだけにとらわれていたらもったいない」と言いきるのは、栞さんのケース。
栞さん夫婦がレスになったのは、子どもの長期入院がきっかけ。完全介護生活のため、栞さんも病院に泊まり込む生活が続き、夫とは数か月間、別居を余儀なくされました。
その後、夫も仕事が忙しくなり、自然とレスとなったのが5年前のこと。
栞さんは、「正直、今の状態がラク」と言います。
●「このまま拒否されるなら、浮気する」と言われてもかまわない
会話が多く、とても仲がいい栞さん夫婦。実際、夫はレスを解消したいらしい様子も。
ときどき冗談めいた誘いはあるものの、「以前、今の気持ちを正直に夫に話しました。夫は十分理解してくれたと思います。だから、そんなお誘いも毎回あっさりした会話で終わります」と言います。
「もし、性生活がないことで浮気されたとしても、別にかまいせん。ただ、子どもが成人するまでは、父親としての責任を果たしてほしい」とも。
「逆に、セックスってそんなに大事ですか? 不安がるより、相手に対してしてあげられることを探したり、夫の喜ぶ食事を用意してあげたい。夫との会話を楽しむためにも、自分自身が毎日を楽しく過ごす方が未来は明るいと思います。女性として見られていなくても、私は毎日が楽しい方がいいです」
栞さんにとってセックスは、愛情を表すための行為ではあるものの、愛情のすべてではありません。
「夫は、この先何十年も一緒に過ごす相手。いつまでもセックスできる体なわけでもないだろうし、それだけにとらわれていたら、なんかもったいない気がします。今だって、けっして夫のことが嫌いだから性生活がないわけではありません。子どもの手が離れたとき、自分たちの体力と状態でなるようになっていくんじゃないかな」