作家・作詞家として活躍する高橋久美子さんによる暮らしのエッセー。今回つづってくれたのは、おうちでも楽しくお祝いができるクレープづくりについて。久美子さん流のつくり方も教えてくれました。

第19回「誕生日クレープをつくろう!」

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先月、38歳のお誕生日を迎えました。緊急事態宣言発令から3日後の一生忘れることのできない誕生日でした。ケーキ屋さんも閉まっていたり、できるだけ外に出ないほうがいいなというのもあって、今年はスーパーに行くついでに、まとめて牛乳や生クリームを買って、クレープをつくってお祝いをしてみました。

子どもの頃、手巻き寿司で誕生日というのはよくやったけれど、クレープ誕生日は初めて。これ案外楽しいです。そしてあれやこれやそろえなくても、

前回のお好み焼き

くらい気軽にできるうえに、とってもかわいい。なにより、失敗することなくおいしいのがいいよね。

もうすぐ誕生日のあなたも、誕生日ケーキならぬ『誕生日クレープ』にチャレンジしてみてはいかがでしょう!

●クレープのつくり方

生地とフルーツ

【生地の材料(6つ分)




・薄力粉 100g

・牛乳 220g

・砂糖 小さじ2(好みで)

・卵 1つ

【つくり方】

(1) 薄力粉に砂糖を入れてざくっと混ぜ合わせます。(ダマになるのが気になる人は粉を先にふるっておきましょう)

(2) 卵を、卵焼きのときよりちょっと入念に溶きます。

(3) (1)に牛乳の半分を入れて混ぜます。混ざってきたら残り半分の牛乳と溶き卵を入れ、なめらかになるよう混ぜます。

(4) 熱したフライパンに油を引き、いったん濡れふきんの上にフライパンを置いて温度を下げ、そこに、お玉に軽く一杯分の生地を流し入れる。早めにフライパンを傾けて広く伸ばすのがコツです!(ガレット型にするので円は大きい方がいいです)

(5) 中火で焼き、ぷつぷつ表面に穴ができてきたらひっくり返します。

これを繰り返して、どんどんクレープ生地を焼きましょう!

【生クリームの材料】




・市販の生クリーム 100ml(動物性をおすすめします)

・砂糖 小さじ1~2(好みで)

・いちご、バナナ、ナッツ類、チョコレートソース、ジャム、バターなどトッピングする好みのもの

【つくり方】

(1) 大きめのボウルに氷水をつくります。

(2) 一回り小さいボウルに材料の生クリームを入れて、(1)の氷水の入ったボウルに重ねて泡立てましょう。わが家も電動泡立て器はありませんが、人力の泡立て器で何とかなります! がんばれ!

(3) とろっとしてきたら砂糖を入れ、ひたすら泡立てます。泡立て器を持ち上げたときに、ツンと角が立ったらOK。

(4) さあ、ここからは焼き上がった生地に好きにデコレートするだけ! おうちパーティーの始まりです!

※砂糖は控えめにしています。好みで加減してね。
※生地に砂糖を加えず、少量の塩で、サラダクレープもできます!
※生地は、もちもち派か薄焼き派に分かれますよね。私の紹介した分量はもちもち派なので、自分の好みによって牛乳の分量を増やしてみてくださいね。

●楽しい、おいしい。両方楽しめるトッピング

生地にイチゴとバナナ

お待ちかねのトッピングですよ。まずは、生地に生クリームを塗りまして、そこに具材を好きに並べていきます。

定番の三角形だと肝心のイチゴやバナナが隠れてしまって、ちょっと地味に見えてしまうかもと思いました。そこで、ガレット風に四角形に折りたたんでみました。するとほら! 赤や白が映えてとてもかわいい!

・イチゴ+生クリーム
イチゴとバナナの生地を折りたたむ

王道で間違いないです。誕生日感も出て華やかです。生クリームを多めにしても、イチゴの酸味とベストマッチ!

・バナナ+チョコソース+ナッツ
ナッツとバナナの生地を折りたたむ

これ、私のおすすめナンバー1です。ポイントは、包丁で細かくしたアーモンドやくるみをパラパラ振りかけ、そこにチョコレートソース! ベストな甘さのうえに、食感がとてもいいのです。どれも家にあったもので、適当に試していたらヒットー! という感じだったので、バターやはちみつ、シナモンなどなど家に残ったままの食材でいろいろ試してみてください。

・ハム+レタス+チーズ

生地の半分には砂糖を加えずに、少量の塩を入れて焼き、シーチキンやレタス、ハム、チーズなどを巻けばお家ですてきなランチになります。

生地をたくさんつくりすぎて余ってしまったので、翌日、ジャムやバナナだけを巻いて食べたりしましたが、これもあっさりしてとてもおいしかったです。家にあるもので気軽な朝食にするのも手だなと思ったのでした。

今、給食や飲食店がストップして、牛乳をはじめとした乳製品が大量に余ってしまい乳業メーカーや酪農家さんが悲鳴を上げていると聞きます。家でスポンジケーキを焼くとなると、少々ハードルが上がりますが、クレープやホットケーキといった簡単なおやつをつくってみることで、楽しい上に少しでもだれかの助けになるといいですよね。

【高橋久美子さん】

1982年、愛媛県生まれ。チャットモンチーのドラムを経て作家・作詞家として活動する。主な著書にエッセイ集

「いっぴき」

(ちくま文庫)、絵本

「赤い金魚と赤いとうがらし」

(ミルブックス)など。翻訳絵本

「おかあさんはね」

(マイクロマガジン社)でようちえん絵本大賞受賞。新刊の詩画集

「今夜 凶暴だから わたし」

(ちいさいミシマ社)が発売中。原田知世、大原櫻子、ももいろクローバーZなどさまざまなアーティストへの歌詞提供も多数。NHKラジオ第一放送「うたことば」のMCも。サイン入り詩画集の予約やトークイベントなどの情報は公式HP:

んふふのふ