在宅ワークを実践してみたらこんな課題も見つかった
もともとオリンピック・パラリンピック開催時の通勤困難対策として、かねてからテレワークを推奨していた都内の企業に勤めるAさん(30代)の職場では、今回も比較的スムーズに在宅勤務を実施できたそう。しかし、実際にやってみたことでわかった課題も多かったといいます。
●会社のサーバーに負荷がかかりすぎた…
リモートで仕事ができるようにシステム環境は整えていたのですが、いざ大人数の社員が外部からアクセスしてみるとサーバーやネットワークに負荷がかかってしまいました。
「作業が進まず、初日はあまり仕事にならない状態でした。結局午後から出勤した社員もいたほどです」とAさん。一週間ほどで、状況は随分改善されたそうです。
●秋葉原にノートパソコンを買いに行った社員は…
職務上、会社のPCは持ち出しNGだったので、自宅の古いパソコンをこの機会に新しくノートパソコンを新調しようと買いに出かけた人もいました。すると、秋葉原の家電量販店では軒並み、ノートパソコンが品薄状態になっていたそう…。
3月中旬には商品も入荷していつも通り販売されていたらしいですが、いきなり在宅勤務になってノートPCを必要とした人が意外と多かったのかもしれません。
●働く場所の制限があるケースも
すべての画像を見る(全4枚)不特定多数の人にパソコンの画面が見えるような場所での業務をNGとしていた企業も多かったようです。Aさんも仕事場所は自宅のみと限定されていたそう。
時間にも場所にも制約ない完全なテレワークはカフェやレストランなどでも働けますが、業種によってはさまざまな制限がかかっていたり、そもそもテレワークが向かない仕事もあった様子です。
●郵送物の受け取りや事務対応のために出勤した
「クライアントから来る急ぎの書類の確認などがあるときも、郵送物は会社に届いてしまうので、たまに出勤する必要がありました。ほかにも印鑑を押したり、請求書の処理をしたり、細かい事務作業もパラパラ発生。出勤日にまとめて対応するようにしていました」とAさん。
実際、当番制などで出勤人数を絞るなどの対応をとった会社も多かったようです。
●出勤した人にしわ寄せがいったケースも…
「テレワークする同僚が多く、会社でしかできない電話対応などが忙しくて帰宅も遅くなり、今まで以上に夕飯づくりが大変です」(神奈川県・アルバイト・44歳)
子どもがいる家庭が優先的に在宅になった反面、普通に出勤している人が業務過多となり、いつも以上に忙しい思いをしたという声がありました。
ほかにも在宅勤務へ切り替えることができないにも関わらず、子どもが休校となってしまって、対応に四苦八苦したという人も多かったです。
●在宅勤務の制度があっても利用しにくかった実情
「これまでは取得しづらい雰囲気だったが、これを機にテレワークへの理解が深まってほしいと願っている」(千葉県・会社員・34歳)
リモートで仕事をするということが難しい業種があったり、せっかく制度が整っていても「利用しにくかった」という声もありました。
今回は新型コロナウイルスによって、いきなり本格導入となったこともあり、対応に大あらわだった人もいたかもしれませんが、時間的なゆとりなどのメリットもたくさん見えてきました。
社会の理解が深まって、フレキシブルな働き方がメジャーになっていくといいですね。