貯金は常に意識しているのに、結果的に達成できなかったり、モチベーションを保てなかったり…。実際に貯めている人には、どんなコツがあるのでしょうか?
オンライン家計簿サービス「
」家計プランナーの綿島琴美さんが、実際のエピソードから、貯められるコツを分析します。
年間100万円貯めるための3つの条件。「やりたいこと」が貯金への大きなモチベーションに
すべての画像を見る(全6枚)新生活目前の3月はしっかり家計簿に取り組むチャンス。今回も参考にしたい方の家計術をお伝えします。ご紹介するのは家計簿アプリ利用歴約3年のRさん(30歳)。
東京に一人暮らしで、手取り年収は約560万円です。3年前に一念発起し、2年間で200万円貯蓄、今年も収入の2割近くとなる100万円貯蓄が目標です。
●やりたいことリスト100で目標を可視化
Rさんのお金管理音最大のモチベーションは「1年間でやりたいことリスト」、なんと100個手書きでリストアップしやる気を維持されています。
1.「今年行きたいところ25か所(国内・海外)」 2.「食べに行きたいお店25店(身近なカレー屋さんから憧れのお店まで)」 3.「挑戦したいこと25個(パーソナルカラー診断など)」 4.「叶えたいこと25個(会いに行きたい人など)」4つのカテゴリごとにそれぞれ25個書き出し、「だいたいいくらくらいかかるか?」の費用を見積もるそうです。すべてを達成するための全体予算も見積もって、やりたいことを少しずつクリアしながらも、さらに100万円貯金を目指していきます。
このリスト化は貯めるために必要なこと。目標を見据えることで、必要なお金とそうじゃないお金のメリハリがしっかりとするんです。
●カテゴリごとに予算を意識。年間100万円貯金をつねに意識する工夫
Rさんは予算をカテゴリごとにきっちり分けています。月に使っていいお金は、年間貯金目標100万円を目安に、26万5000円と予算を立てています。旅行などの大型出費は、月の予算には組み込まずにできるだけ毎月の凸凹が出ないように組んでいきます。お酒や飲み会が好きなので交際費は月3万円、食費は2万円、美容代は2万円…とある程度予算設定といった感じです。
家計簿アプリを使って、「月ごと・週ごと・毎日」の支出合計をつど確認し、予算に対して現状の進捗を細かくチェック。帳尻をしっかり合わせて月末を迎えます。
また、予算には毎月の積立貯金額も組み込んでいます。
タイトルを「2019年は100万円貯蓄!」とカスタマイズ、支出管理のたびに目標を目にすることで貯蓄モチベーションを高めています。
●「無買デー」も楽しみに変える
また、Rさんの家計管理の基本は「使う・使わない」のメリハリをはっきりさせること。月に数日「無買デー」を決め、その日は一切使いません。お金を使わない日はもちろん昼夜すべて自炊。
ランチで毎回使っていた約800円もお弁当持参、週3~4回楽しんでいた毎回5000円程度の飲み会も、気持ちを切り替えて自宅で自炊して節約していきます。
また、食材の買い物は土日のみと決め、平日でしっかりそれを使いこなします。雑穀米にキノコ、卵や野菜などを組み合わせた丼ものが得意。「今日もお金を使わなかった!」という達成感もモチベーション維持に大切なんだそうです。
●節約だけでなく、しっかり「増やす」投資活動も
Rさんは、ご自身の資産も口座ごとにしっかり見える化しています。銀行口座の残高は家計簿アプリに自動連携し、常に正確な金額を把握。自宅でトライしている500円玉貯金もしっかり資産としてカウントしています。
現在は、ソニー銀行の口座振り替え機能をうまく使い、毎月25000円の積立貯蓄に加えて、資産運用にも積極的にチャレンジ。LINEのスマート投資では毎週3000円、月で1万5000万円を運用。THEOのAI投資にも毎月1万円、ボーナス時は5万円と運用を進めています。
ご自身の楽しみをはっきりと認識しておくことは、家計改善のモチベーションにもっとも大切なことの一つですね。
漠然と貯金を決意するのではなく、まずは「いつかやりたいこと」くらいのぼんやりしたものでもいいので、意識することでお金の見え方や家計管理への視点は大きく変わるはずです。
【綿島琴美さん】
オンライン家計簿サービス「
Zaim」執行役員CCO、家計プランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士として家計相談も行う。現在時短勤務中、趣味は家とオフィスの整理収納