目的がなく節約を続けていると結果が出ず、つらくなることがあります。どうせ節約するなら目標を決め、増えた貯金でなにをするのか楽しみにしませんか?

節約についての考え方と、実際のテクニックについて語ってくれたのは、思考と空間のお片づけのプロ・ライフオーガナイザーの清水美惠子さん。年間10万円を節約したそのテクニック、必見です。

年間10万円を節約したそのテクニック
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目的を決め、現状を知り、固定費を見直すという3ステップで貯金上手に

日々節約を心がけ、家計というバケツの中に水(お金)をできるだけ残しておこうとがんばっている方も多いのでは。

しかし、「1円でも安い買い物を」というような小さな努力を続けていても、バケツのどこかに穴があいていてはうまくいきません。

これからお伝えするのは、節約のムダを省くために知っておくとよいことや、私が実際に心がけていること。節約についてしっかり考えてバケツの穴をふさぎましょう!

節約のためにすべきこと1:目的を明確にする

節約をするには、目的を明確にすることが必要。節約をしている人は、大きく以下3つのパターンに分けられます。

(A)収入が限られていて、家計が赤字にならないために節約をしている
(B)暮らしに余裕があるが、やりたいことや欲しいものがあるため、節約をしている
(C)漠然とした将来の不安のために、節約をした方がよいと思っている

わが家の場合、以前は(C)で、貯蓄を増やしたいけれど、「なんのために」「いつまでに」「いくら必要」という具体的な目的をはっきりともっていませんでした。
そのため、その節約でなにかが得られているという実感はあまりなく、「節約」というより「ケチ」に近かったかもしれません。

しかし、2人の子どもが大学に進学したことによって、家計に「学費」という負担が重くのしかかってきました。
パターン(C)が、子どもの進学を機に(A)になったのです。

●明確な目的をもつと、節約リバウンドしない!

(A)と(B)は、目的がはっきりしていますが、ただ漫然と節約をしている(C)は、なかなかお金が貯まりません。

もし将来に不安があるなら、必要な貯金額(ゴール)を明確にし、「毎月○○円積み立てをする!」と目標を立てましょう。
単純に「貯金が増えたらうれしい」「あると安心」なら、目的や具体的な金額を決めることで、節約がはかどります。

明確な目的をもつことが、節約でリバウンドをしないための道しるべに。結果が銀行の残高として残りますので、見える化でき、達成感も得やすくなります。

節約のためにすべきこと2:家計の現状を知る

効果的に節約をするためには、まず家計の現状を知る必要があります。
家計簿をつけるのが苦手な人でも、年間の「収入(手取り)合計」から「固定費」を差し引いた「変動費」を、大まかにでも把握をしておきましょう。

手取り収入(年間)-固定費(毎月×12)=変動費

年間の家計を俯瞰し、家計の現状を理解するのに役立ちます。

固定費とは、各種ローン、家賃、各種税金、積み立て貯金、携帯電話やインターネットなどの通信費、水道光熱費、保険料、新聞代、学費、塾代、習いごと、学校給食費、定期代、年会費など、毎月または年単位で必ず支払う項目のこと。
変動費とは、食費、日用品、美容費、交際費、交通費、被服費、レジャー費、趣味娯楽費など、額が変動する項目のことです。

毎月のお給料から固定費を差し引いて家計を把握する方法が一般的ですが、それだとボーナスや、年払いにしているものや年会費などは行き場がなくなってしまいます。
そこで、家計を「年間」で見てみると、家計の現状がよりわかりやすくなります。

固定費は口座引き落としになっていることが多く、変動費ほど、「支払っている」という意識が強くありません。
節約というと変動費の方にばかり意識が向きがちですが、年間の固定費のまとまった額を見ると、その額の大きさに驚くことも。

まずは固定費を把握し、整理したうえで、毎月使える変動費を見直すと、家計の整理がしやすくなります。

家計の整理がしやすくなります
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節約のためにすべきこと3:固定費の見直しをする

実際にわが家では、水道光熱費の見直しを意識したことで、年間約10万円の節約がかないました。

●光熱費の節約・見直しのポイント

光熱費を減らすため、気をつけているポイントはこの4つ。

・使っていない家電のコンセントを抜く
・待機電力になっている家電のスイッチを小まめにきる
・申し込んでいる電力会社の電気プランを確認する
・家電の買い替えの際には、消費電力をチェック

オール電化

わが家はオール電化。節電をきちんと意識し始めた約3年前は電力自由化の前でしたので、時間帯によって電気料金が違うプランを使っていました。

そのため、電気代の安い時間帯に洗濯や掃除をすませるよう意識したところ、年間の水道光熱費を10万円も節約することができました。
年間10万円というと、月平均約8300円の節約。こんなにも電気代をムダにしていたなんて! と驚いたもの。

電力自由化後の現在は、昼間の電気代が抑えられるプランに乗り換え。時間帯によって左右される、細かい節電を意識する必要がなくなりました。
高齢の義母と同居しているので、無理に寒さや暑さを我慢するというようなことがないのはありがたいです。

電気料金のプランは、ネットで簡単に試算ができるようになりましたので、一度ご確認することをおすすめします。

●毎月の支払い料金を意識。家族で共有する

固定費節約のモチベーションを維持するのに役だっているのは、支払い料金の見える化です。

毎月の支払い料金を意識。家族で共有する

このように支払い料金をまとめ、進捗状況を確認することが励みに。毎月の結果を家族に伝えることで、家族にも意識してもらっています。

●格安SIMへの乗り換えも要検討

また、大きな見直しのポイントとして挙げられるのが、携帯電話やインターネットなどの通信費。毎月の支払いを2、3千円減らすだけでも、年間合計すると2~3万円とまとまった金額になる固定費です。

わが家では、3人が格安SIMを利用していますが、節約効果は絶大。大手キャリアを利用していた息子の例で説明してみましょう。

以前は毎月約8000円の支払いをしていましたが、現在は約2000円に。格安SIMに乗り換えるためには、まずSIMフリーの端末を購入する必要があり、息子はiPhone7を9万504円で購入。端末代も含めて2年間で比較すると、19万2000円かかっていた以前に比べて、今は13万8504円。2年間で5万3496円、年間2万6748円の節約になります。端末代よりも月々の支払いを抑えるべきだと分かります。

オプションが増えるとまた金額が違ったり、数年後に端末の劣化や買い替えなどもあるかと思いますが、参考例としてみてください。

貯金が増えてくると、「将来への漠然とした不安」が減って、心に余裕が生まれます。
ぜひ一度、家計の見直しをしてみてはいかがでしょうか。