賛否両論の多い小中学校のPTA活動。
このたびESSE読者にアンケートを取ったところ、「いい制度だし、積極的に参加したい」と好意的に捉えている人は312人中わずか23人と、1割未満でした。
「いい制度だけど、自分自身が参加するのは面倒だ」(47人)、「PTA自体は必要だと思うけど、親の負担が多すぎる」(141人)――と、PTA活動の必要性を認めつつも、“自分は関わりたくない”と考えている保護者が3人に2人という計算に。
ただそんなPTA活動でも、いざ役員になってみると、意外なメリットもあるようです。今回は多数派のデメリットを紹介したうえで、メリットも紹介します。
【PTAのデメリット】長時間の拘束時間、LINE即レス強要と「つらすぎる」活動
すべての画像を見る(全3枚)まずは多数派のデメリットから紹介します。多かったのはやはり、必要以上の活動時間や人間関係でした。
●PTAの活動のおかげで仕事の有休が激減
「運動会などイベントごとに撮影に走り回る。会社の有給休暇がPTAにあてられ、どんどん減る。意見が割れると雰囲気が悪くなる。広報誌発行前は土日が作業で潰れる。つらいことしかありません」(フルタイム・47歳)
●1日8時間労働。これ、パートではなくPTAです
「長い時で打ち合わせが5時間、家に帰ってからの資料作成が3時間の計8時間かかってしまった日も。PTA役員をしていない人は、その8時間で働いていたら給料が出ますが、PTAの役員の仕事はタダ働きなので…」(専業主婦・42歳)
●“LINEは即レス”が暗黙のルール
「連絡網がLINEのため、パート中でも素早く返信しなければクレームを言われること」(パートタイム・38歳)
ただでさえ、家庭や仕事のことで忙しいのに、PTAの負担がこんなにも大きいなんて…。確かにこれでは文句も言いたくなります。
【PTAのメリット】教師とのコネ、情報が早いetc.役員ならではのおいしい話
一方、少数派ですが、「やってよかった!」といった声もちらほらありました。
●普段見られない子どもの行事に参加できたこと
「広報委員だったので、普段保護者が行かないような子どもの行事に、写真撮影担当として参加できました。子どもの様子が見られたことは大きな収穫です」(パートタイム・41歳)
●運動会は席取り不要で最高のポジションゲット
「運動会・卒業式の優先席があり、席取りをしなくてもかなりいいポジションをゲットできました。撮影もすんなり」(専業主婦・42歳)
●学校に現れるママに子どもが大喜び
「幼稚園や学校に頻繁に行くので、子どもの様子も見られるし子どもたちが喜んでくれた。活動を通して、自分のスキルが上がった」(パートタイム・44歳)
●受験情報をいち早くキャッチできた
「高校受験の情報をだれよりも早くPTAの先輩ママさんから聞くことができた。普通の保護者会ではこんな情報を仕入れることはないですね」(専業主婦・43歳)
●教員たちとの強いコネができる
「先生方と話す機会も多く、参観日に行っても先生の方から声をかけてくれる」(専業主婦・47歳)
「先生と親しくなり、学校の内情がわかった」(パートタイム・43歳)
教員たちとの距離が縮まり、なかには「高校の推薦枠にうちの子を指名してくれた」(フルタイム・46歳)という人までいました。
●転勤妻にとっては、友人づくりのチャンス!
「転勤が多かったので知り合いが増えたことがうれしかった。運動会とか人が多いのに知らない人ばかり、という状況から、ちょっとした立ち話ができる知り合いが増えました」(パートタイム・44歳)
●仕事以外でのコミュニケーションの幅が広がった
「学校や先生の様子がわかること。これまでの仲よしパパママ以外に学年を超えて、ママ友、パパ友ができ、仕事以外のコミュニケーションの幅が広がりました。基本、フリーランスで家で仕事をしているので、気分転換にもなります」(自営業・49歳)
●視野と人脈が広がり、ドライな考え方ができるように
「役員をしなければ出会うことがなかった、子どもの学年が違う、地域が違う人たちと交流することで人脈も考え方の幅も広がりました。もちろん役員のなかには苦手な人もいるけど、『今だけ』という冷静な考え方ができるようになりました」(自営業・45歳)
いい面も悪い面もあるPTA活動。結局は、人間がつくりだすものなので、そのときの教員や役員たちとの人間関係がよかったら…というのが前提のようです。