食卓の印象を変えてくれる「箸置き」。置くだけできちんとした印象や、季節感を演出できます。
今回は、ESSE編集部が注目する料理ブロガーのぶち猫さんに、箸置きの選び方と使い方について教えていただきました。
ぶち猫さんは自宅での日々の料理から、おもてなし、大人数でのパーティまで、季節感のある食卓がお得意。料理はもちろん、洗練されたテーブルコーディネートにもマネしたくなるアイデアがあふれています。箸置きを使った食卓の楽しみ方、ぜひ参考にしてください。
箸置きだけで、食卓の印象はこんなに変わる!
食卓を整えるときに便利な小物、それは箸置き。
全体に占める割合はわずかですが、箸置きを使うだけで、きちんとした雰囲気を演出できるだけでなく、器の配置のバランスを取りやすくしてくれるといううれしい効果があります。
もちろん、箸の先端がテーブルに直接触れないため、箸もテーブルも清潔に保つことができるという機能性も。
近い機能をもつテーブル小物としてはランチョンマットがありますが、布製のランチョンマットを清潔に保つには、洗濯やアイロンがけ等の手間がかかるところが難点。
面積が広いので、食卓の雰囲気がランチョンマットの色柄に左右されて、いつも同じように見えてしまうこともあります。
折敷(おしき)やトレーもいいですが、一人前の器を一定の面積のなかに収まるように並べることになるので、使える器が限られるだけでなく配置のバランスも考える必要があり、慣れるまでが結構大変です。
家庭で毎日の食卓をストレスなく整えるという観点からは、料理を盛りつけた器を直接テーブルに並べて、箸置きにのせた箸を添える方法がいちばん合理的ではないかと考えています。
箸置きの長所は、とにかく手入れが簡単なところ。ほとんどの箸置きは水洗いできるので、食事のあとにほかの器と一緒に水洗いして乾かすだけで、清潔な状態を保つことができます。
サイズが小さいので収納しやすいというメリットもあります。
新しい器を増やせない場合でも、箸置きならちょっとしたすき間に収納できるので買いやすく、バリエーションが多いので選ぶのも楽しい。
●写真で確認する箸置きの効用
箸置きがあるのとないのでは、見た目がどれくらい違うのか、実際に写真で比べてみましょう。
まずは、箸置きを使わずにテーブルに直接箸を置いてみました。普段箸置きを使っていない方が見れば、それほど違和感はないかもしれません。
ここに白いシンプルな箸置きを追加します。見比べると、箸置きのあるほうがきちんとした雰囲気になっていますね。
また、無地の器のみで構成されたシンプルな食卓に箸置きをひとつ投入するだけで、画面がぐっと引き締まって見えるのではないでしょうか。
さらに、箸置きを染付にしてみました。箸置きを変えただけなのですが、色と柄の効果によりモダンで華やかな雰囲気が生まれます。
無地の器ばかりでは味気ないけれど、絵皿は少しハードルが高いと感じている方には、柄物の箸置きから始めてみるのがおすすめです。
●箸置きで手軽に季節感を演出する
新しく買うならば、どんな箸置きがいいのか。それは、手持ちの器と箸置きに応じて考えることになります。
箸置きをひとつももっていない場合には、シンプルな無地のものが使い回しやすくていいでしょう。
手持ちの器に無地が多い場合や既にシンプルな箸置きがある場合には、染付のような柄ものを追加すると、アクセントとして食卓に変化をつけることができます。
すでにいくつかもっているという方におすすめしたいのが、季節感のある箸置き。写真の手前は桜の花びら、奥は枝豆をかたどった箸置きです。
春先に桜の花の箸置きを使ったり、暑い季節に枝豆の形の箸置きで食卓をしつらえたりすることで、手軽に季節感を演出することができます。
変わり種としておもしろいのが、様々な鳥の絵柄がプリントされた箸置き。箸を置くと、まるで鳥が枝の上で羽を休めているよう。
気のおけない友人と集まるときなど、各自に好きな鳥の絵柄を選んでもらっても盛り上がりそうです。
お正月のようなハレの日用に、特別な箸置きを用意するという楽しみもあります。写真は、博多水引でつくられた華やかな箸置き。
お正月に重箱や塗りのお椀を用意しない家庭でも、市販のおせちをシンプルな和食器に盛りつけて特別な箸置きと一緒に並べれば、ミニマムなお正月コーディネートが完成します。
カトラリーレストは箸置きと兼用にする使い方がおすすめ
最後に、ナイフやフォークを置くときに使われる、カトラリーレストについて。
よく見かけるのは金属製ですが、おすすめは細長い和の箸置きを、カトラリーレストと兼用すること。
家庭では、和と洋の料理を並べたり、和食器に洋風の料理を盛りつけたりすることがあるので、和と洋のどちらにでも対応できるものが使いやすいのです。
箸置きとカトラリーレストを兼用する場合のコツは、和のテイストが強すぎないシンプルなものを選ぶこと。また、手持ちのカトラリーと釣り合うボリューム感のあるものがよいでしょう。
モノトーンのシンプルな箸置きであれば、洋食器にナイフとフォークを合わせる場面でも、違和感なくなじみます。
カトラリーレストと兼用できる箸置きは、お箸とスプーンを一緒に食卓に並べたいときなどにも使い勝手がいいものです。
たとえば、軽食にラーメンをつくったとき。長めの箸置きがあれば、お箸とレンゲをスマートに並べることができます。
集めて楽しく、使って便利な箸置き。
手軽に食卓を彩ることのできる小物をぜひ活用してみてください。