50歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した長男・うーちゃん、里子の長女という家族5人で暮らしています。
今回は最近のうーちゃんの、ちょっと心配な行動についてお話ししてもらいました。
「初めてのおつかい」に成功したものの、心配はつきません
うーちゃんが近所のスーパーに一人で買い物に行ってきたと聞いて驚きました。ひとりででかけて牛乳を買って帰ってきたというのです。
すべての画像を見る(全4枚)うーちゃんはまだ4歳。その日は、店番をしているのがおばあちゃんだけで、うーちゃんは店で遊んでいました(編集部注:古泉さん家は和菓子屋さんです!)。ぼくは外で仕事をしており、妻は長女のぽんこちゃんと出かけていました。
うーちゃんは牛乳を買ってくるようにおばあちゃんから頼まれて、ひとりで歩いてスーパーに行きました。スーパーは商店街の中のうちと同じ通りの先にあって、右にカーブしている先で、おばあちゃんは店の前に立ってうーちゃんがスーパーに到着するまでを見ていました。
距離は300メートルくらいではあるのですが、車道のすぐ隣の歩道を歩かなければいけません。うーちゃんは普段、車を極端に恐れていて常に安全を心がけてはいるのですが、そうは言っても4歳児なので、心配でたまりません。
そんな僕の不安をよそに、うーちゃんはスーパーにたどり着いて買い物をすませて戻ってきたというのです。
おばあちゃんに頼まれた牛乳は500mlパックだったのですが、それは棚の上のほうにあって手が届かなかったため、下の段の1リットルパックを買ってきました。
「重くなかったの?」と尋ねると「重かったけどがんばった」とのこと。
買い物袋の中を見ると、おばあちゃんから頼まれてもいない単三電池の4本入りもありました。お金は財布をレジのお姉さんに渡して、支払い金額を抜いてもらったそうです。
そんな初めてのお買い物がよほど楽しかったようで、それからときどき買い物に行きたがるようになりました。
「毎朝食べる玄米コーンフレークを買いに行く」と出かけたときは、結局自分が食べたかったワッフルを買っていました。なぜトースターの上に、ワッフルがあるのだろう? と思っていたら、うーちゃんが買ってきたものだったのです。
ひとりで買い物に行くというので、心配して妻が尾行をしたことがあります。しかし、見通しのいい通りであるため、あっという間に見つかっていやがられました。
先日、うーちゃんが「だれにも言わないで買い物に行く」と宣言。
ぼく「そんなのダメだよ。お金はどうするの。もってないでしょ」
うーちゃん「おこづかいがある」
たしかに、お年玉などでもらったお金がポチ袋に入っています。しかしひとりで買い物にいくだけでも心配なのに、だれにも言わないで行くなどもってのほかです。そのときは店が終わったらおばあちゃんと行くということで落ち着きました。
それから数日後のことです。
うーちゃん「ママにこれ買ってきたよ」
そう言ってうーちゃんが、カプリコを妻に渡しました。
妻「ありがとう。おばあちゃんと店を閉めて行ってきたの?」
うーちゃん「ぼくはこれだよ」
妻の質問には答えず、買い物袋から3個入りパックのヨーグルトを取り出します。不審に思った妻が問いつめると、おばあちゃんの目を盗んで、ひとりで黙って買い物に行っていたことを白状したのです!
ひとりで買い物に行くなんてすごい成長です。たくましく、喜ばしいことではあるのですが非常に心配でもあります。
二度としないと約束をさせはしたものの、毎日心配で仕方がありません。