せっかく大掃除したキッチンや浴室のきれいを、手間をかけずに保ちたいもの。そんなときにおすすめなのが、化学薬品を含んだ洗剤の代わりに、重曹を使って汚れを落とすナチュラルな掃除法です。正しく使えばおもしろいほど簡単に汚れが落ちることから、愛用する人も増えています。
効果的な重曹の使い方を、ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんに教わりました。
皮脂汚れや油汚れなどに幅広く使える、重曹
すべての画像を見る(全5枚)重曹とは、ベーキングパウダーにも含まれる、弱アルカリ性の素材。皮脂汚れや油汚れなど、日常の汚れの約9割は酸性なので、重曹で中和、分解するのが効果的です。重曹は食品としても使われるものなので、掃除後に少しぐらい成分が残っても安心なうえ、手肌や環境に負担が少ないのもうれしいところ。
<得意なこと>
・粒子が細かく、水に溶けにくいのでクレンザーとして使える
・皮脂汚れや油汚れなど、酸性の汚れを落とす
・発泡作用で、鍋の焦げつきなどの汚れをはがす
・加熱すればpHが高くなり、ガンコな油汚れにも効く
<注意点>
・漆器やプラスチックなどのやわらかい素材は傷つきやすいので使わない
・畳は変色してしまうのでNG
・アルミ製品は黒ずむので使わない
・医療用、もしくは食用を使いましょう(工業用は不可)
キッチンや浴室で大活躍。重曹で汚れすっきり
キッチンの油汚れや浴室の皮脂汚れは、重曹をまいてスポンジでこすると、研磨作用でツルツルになります。
●シンクの汚れをこすり落としてピカピカに
「一日の終わりに、シンク全体に水をまいてから粉末の重曹をまき、スポンジでこすってみましょう。簡単にピカピカになります」
重曹がクレンザーの役割を果たし、汚れがよく落ちます。水で洗い流し、最後は水気をふき取れば完了。
●鍋の焦げつきは重曹を入れて煮立てる
鍋の焦げつきにも、重曹が効果を発揮。鍋に水を入れ、大さじ1ほどの重曹を加えて煮立てると、二酸化炭素の泡が発生し、汚れがはがれて浮いてきます。沸騰したら火を止めて冷まし、洗い流しましょう。
※アルカリに弱い素材(アルミや銅など)、テフロン加工などのコーティング加工してある鍋やフライパンは変質するので使用できません。
●浴槽についた皮脂汚れもきれいに
浴槽についた皮脂や角質汚れも、重曹の研磨作用でツルツルに!
「面積が広いので、濡らしたスポンジかアクリルタワシに重曹をつけてこするとラク。最後は水で洗い流します」
●浴室の床の汚れも粉末の重曹とブラシで
浴室の床を濡らしてから重曹をまき、浴室用ブラシでこするときれいに。
「重曹なら直接肌に触れてもOKなので、入浴中に掃除してしまうのもおすすめ。溝についた汚れもさっぱり落ちます」