片づけが苦手な人は、片づけを先のばしにしがち。そんなときに有効なのが、ふせんを使った片づけの練習方法です。
ライフオーガナイザーで、片づけのプロである田川瑞枝さんに、詳しく伺いました。

片づけに必要な行動を「ふせんに書き出し」と「グループ化」するとわかりやすくなる!

ゴチャゴチャとものが散らかったテーブルを見ると、「時間がかかりそう」「どこから手をつけていいかわからない」と、ついおっくうになってしまいます。

「人は、それを片づけ終わるまでの時間がわからないと、先のばしにする傾向があります」と指摘するのは、ライフオーガナイザーで、片づけのプロである田川瑞枝さん。

「片づけが苦手な人は、片づけるにあたって必要な行動を書き出してみましょう。この書き出す作業が思考を整理し、片づけの感覚が身につくようになります」といいます。

片づけは、ものを元あった場所(定位置)に戻す行為。「これを定位置に戻すのには、どのくらいの時間がかかるのか」という「時間の見積もり」をすると、なにから手をつければいいかがわかりやすくなります。

そのときに便利なのがふせん。ふせんを使って、片づけの練習をしてみましょう。

●片づけたいものをふせんに書き出す

片づけたいものをふせんに書き出す
すべての画像を見る(全5枚)

たとえば、散らかっているダイニングテーブルの上を片づけてみます。手をつける前に、まずテーブルの状況を確認し、散らかっているものの名前をふせんに書き出します。

ものの名前をふせんに書き出します

その際、「マグカップ キッチン 30秒」など、ものを戻す場所(定位置)と、かかる時間もメモ。

全部を片づけるのは大変と思っていても、ひとつひとつを見てみると、意外と短い時間で戻せることがわかります。

リモコンなど、テーブルの上に置いたままにする場合は、「0秒」としましょう

リモコンなど、テーブルの上に置いたままにする場合は、「0秒」としましょう。

●同じ場所に戻すものをグループ化

同じ場所に戻すものをグループ化

次に、キッチンやマガジンラックなど、同じ場所に戻すものをグループ化。たとえば、ペットボトル、マグカップ、お菓子はキッチンへ一緒に持っていくことができます。

ひとつずつだと、30秒×3回の往復で合計1分半かかりますが、一度に持ち運べば30秒。これで1分、時間短縮できます。

●片づけの途中で別の作業をしない

こうして、グループにしておくと持ち運びやすく、「次に片づけるグループはこれ」と予測しておけます。次の行動が把握できていることは、片づけで重要なポイント。

片づけが苦手な人は、ものをキッチンに運んだときに、シンクの中に洗い物を見つけて、ついでに洗ってしまったりします。「片づける」という行動中に、「洗う」という別の行動をしてしまうのです。
そうすると、洗い物に意識が向いてしまい、テーブルの片づけが途中で終わってしまうことに。

こうした事態を防ぐために、「キッチンの次はマガジンラックへ行く」と、次の行動を頭のなかで予約。洗い物という誘惑に負けずに、今はテーブルの上を片づけることがゴールだと意識します。

●「定位置決め」がすっきりしたスペースをつくる

「定位置決め」がすっきりしたスペースをつくる

こうして片づけていくうちに、「テーブルの上に置いておくつもりだったリモコンを、別の場所に動かしてもいいかもしれない」などと、思考に変化が生まれることもあります。

そんなときは、「一時置き場」にとりあえず置くのではなく、「リビングのカゴを整理して、そこをリモコンの定位置にしよう」と、定位置を新たに決めること。創意工夫する思考が育まれます。

こうして、なにもないすっきりとしたテーブルができあがりました。

片づけの思考に必要なのは以下の3つのポイント。

・行動動線を設定する
・かかる時間を見積もる
・ものの定位置を決める

これらを押さえれば、片づけは意外と簡単なのだとわかったのではないでしょうか。
慣れてくれば、ふせんに書かなくてもグループ分けができ、どのくらいの時間で戻せるのかもわかってきます。

片づけは、「使ったものを戻す」というシンプルな行為の繰り返しです。
自分をラクにするためにも、面倒になってしまう前に、「ものを使ったら最小限の労力で戻す」ということを意識するといいですね。