SNSできれいな部屋や、すてきなご飯の写真がたくさん見られる時代。
「どうしてみんなこんなに完璧にこなせるの?」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。けれど、暮らし上手に見える人ほど、じつは家事も上手にサボっていました。
ESSEでは、かつて「完璧な家事を目指すあまり、育児が二の次になり、子どもにイライラして叱りつけてしまっていた」と語る、育児漫画家・マルサイさんがたどり着いた「上手な力の抜き方」を取材しました。
完璧な主婦像、世間に惑わされるのをやめた!家事は自分のやり方がいちばん
かつては理想の主婦像を目指してがんばり、家事時間が最高5時間にまでふくらんだというマルサイさん。
「家事の目的は、家族が心地よく暮らすことなのに、家事に追われて育児にシワ寄せが及んでいました」
それでは本末転倒。よそはよそ、うちはうちと、世間と比べないようになってからは、自分のやり方でいいんだと思えるようになりました。
●元気な男の子3兄弟!家事も手伝ってもらう
マルサイ家には元気な男の子が3人。まだまだケンカも絶えず、家じゅうににぎやかな声がこだまします。
「3人の子を育てるのは大変でしょう、とよく言われますが、それを逆手にとって、マンパワーがあるんだから手伝ってもらえばいい! と思ったんです。まずはひとりできちんとこなそう、という考えをやめて、家族にも家事に参加してもらうよう意識しました」
たとえば、ゴミ出しは3兄弟のお仕事。
「子どもが4歳のころから一緒にゴミ集積所に行っていました。自然と分類を覚えたようで、今では子どもにまかせっぱなしです。『母ちゃん助かる』と、お礼を伝えることは忘れないように。承認欲求が満たされるのか、やる気満々で手伝ってくれます」
また、カトラリーやコップはダイニングテーブルに出しっぱなしにし、配膳の準備は各自にまかせることにしたそう。
「多少生活感は出ますが、ラクである方が重要。『ご飯できたよー』のかけ声で子どもたちがテーブルに配膳。おかずもキッチンカウンターに置いたらリレー式で運んでもらっています」
●便利な道具にはとことん頼る
かつてはだしひとつにもこだわり、料理のたびに鍋でだしをとっていたというマルサイさん。
「二男が生まれ、三男が生まれ、到底そんな時間はとれなくなり…。今では顆粒だしを愛用しています。副菜づくりには白だしが大活躍だし、煮物をつくるときには、すでに下ごしらえが終わっているキットを買ってしまうことも増えました」
切る、むくなどの下ごしらえを飛ばせるだけでも、かなり時短に。
「毎日料理をする代わりに、うまくラクできるポイントを探しているんです」
また大家族ならではの悩みも道具で解決。
「5人分の食事は量が多くて一度につくれないことが多く、調理に時間がかかるのがストレスでした。そのとき『ホットプレートを普段使いしちゃえばいいのでは』と思いついたんです」
面積の広いホットプレートなら、家族全員分のハンバーグも一度に焼けます。
「火力が安定しているので、ほったらかしにもできるんです。焼きそばをつくるときも便利。フライパン感覚で使っているので、取り出しやすいキッチン背面の棚にしまっています」
「○○しなくちゃ」という概念を少しずつ捨てていき、自分流を貫くことで、いまでは家事時間がピーク時の半分にまで減らせています。
「家事をうんとしていた頃よりも、理想の暮らしに近づいた気がします」
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