家計の大きなウエイトを占める食費。無理に削って食卓が寂しくなったり、おいしさや栄養バランスが欠けてしまわないよう、節約には工夫が必要です。
そこで今回ESSEが取材したのは、1か月の食費を1万円以内におさめているという、フードコーディネーターで節約アドバイザーでもある武田真由美さん。
武田さんがとくにおすすめするのが「特売肉のまとめ買いと冷凍保存」です。底値で買った肉に下味をつけて冷凍しておくことで、超低予算でも家族が大満足するおいしいメニューがつくれるのだそう。
下味冷凍の3つのメリットとは?うま味が増すなどいいことづくめ!
まとめ買いした特売肉に下味をつけて冷凍しておくと、「特売肉をムダなく使いきれる」「肉のうま味が増す」「調理時間が短くなる」と、まさに一石三鳥のメリットがあるといいます。
●特売肉をムダなく使いきれる
肉類は底値のときにまとめ買い。
「買い物から戻ったら一気に下ごしらえし、下味をつけて小分けにして冷凍しておきます。ここまでやっておけば、すぐに一品できるので、ムダにすることなく、おいしく使いきれるんですよ」
●肉のうま味が増す
味つけした状態で冷凍するので傷みにくく、乾燥による劣化も防止できます。
「冷凍保存中に味がしみて肉がやわらかくなり、うま味もアップ。特売肉とは思えないほど、ジューシーなおいしさを楽しめるのもうれしいメリットです」
●調理時間が短くなる
味がついているので、解凍したらそのまま焼いたり、炒めたり、煮たりするだけで料理が完成。
「調味料を出したり、合わせるのって意外と手間。洗い物も減らせるし、調味料も最少限でOK。作業がスムーズだから短時間で調理できます」
野菜も冷凍しておき、下味冷凍した肉を組み合わせれば、さらに調理がスピーディに。
「新鮮なうちに食べやすくカットして、よく使う組み合わせごとに一緒の冷凍用保存袋に入れています」
冷凍肉がおいしくなる!基本の下味3種はこれ
飽きずに食べきれるよう、風味の異なる3種類の味つけをしている武田さん。
【みそダレ】みそ3:酒2:砂糖1
肉300gに対し、みそ大さじ3、酒大さじ2、砂糖大さじ1を混ぜます。
「コクのあるおかずがつくれます。和風の煮物や炒め物だけでなく、フライやチーズ焼きにしてもおいしいです」
【しょうゆダレ】しょうゆ2:酒2:砂糖1
肉300gに対し、しょうゆ、酒各大さじ2、砂糖大さじ1を混ぜます。
「ご飯に合うおかず向きの下味。調理の際にカレー粉やケチャップをプラスするなど、味のアレンジも効きますよ」
【おろしダレ】おろしタマネギ1/2個:しょうゆ2:酒1
肉300gに対し、すりおろしたタマネギ1/2個としょうゆ大さじ2、酒大さじ1を混ぜます。
「さっぱりしたおかずがつくりたいときに使います。炒める、焼くといった調理がおすすめ」
味がしみ込む、肉の下味冷凍のやり方
用途に合わせ肉の切り方を変えるのがポイント。3つの味をしっかりもみ込みます。
(1)材料を切る
下味冷凍にする肉を用途ごとに切り、それぞれ100gを目安に分けます。
「小分けにしておくと、お弁当やひとりランチにも使えて便利です」
●鶏胸肉
1枚(約200g)をひと口大に切り、1/2枚ずつに分けます。鶏モモ肉でも可。
「このサイズなら火のとおりも早く、いろんな料理に使い回しやすいんです」
●豚こま切れ肉
100gずつに分けます。
「切る手間いらずの豚こまですが、パックからいったん出して小分けにしておくと、下味つけの作業がやりやすくなります」
●豚かたまり肉
1ブロック(約300g)の厚みを3等分し、1枚はそのまま、残り2枚は棒状とひと口大に切ります。
「部位にはこだわらず、そのとき安いものでつくります」
(2)袋に入れて調味液をかける
保存用のポリ袋に小分けにした肉を入れ、調味液をかけます。
「ポリ袋を並べ、同じ下味のものは一気に仕込むと手早く作業できますよ」
(3)下味をもみ込み空気を抜いて口を閉じる
味がまんべんなくからむよう、袋の上からよくもんで口を絞ってキュッと結びます。
「なるべく空気を入れないように縛るのがコツです」
(4)肉ごとに保存容器に分けて入れる
保存は肉ごとに分けると管理がラク。
「収納しやすいように保存容器を使っています。フタと側面にラべリングすれば、ひと目で中身がわかります」