食事をするときの口元や手元は、意外と人から見られているもの。美しい食べ方ができれば、相手からの印象がグッと上がります。

「華やかな料理だけではなく、カレーライスやパンケーキも、美しく食べるコツがあるんですよ」と話すのは、世界各国のテーブルマナーや食文化に詳しい、食の総合コンサルタントの小倉朋子さん。具体的に教えてもらいました。

カレーやパンケーキも!相手からの印象がよくなる、きれいな食べ方

●カレーライスはお皿にルーが残らないように

カレーライス
カレーを美しく食べるコツとは?
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食べ終えた後のお皿を美しくするコツは、まずカレーとごはんの境目から食べ始めること。
カレーとご飯の間に隙間ができたら、ライスをカレーに寄せながら食べていきます。そうすると、カレーのルーがついた部分が少ない美しい食べ終わりになります。

●ステーキは左からひと口大に切りバランスよく食べる

ステーキ

多くの料理に共通する美しい食べ方は、左側からひと口大にカットしていくことです。ステーキの場合も同様。

ナイフとフォークは指先をリラックスさせることを意識して使います。そして、お肉とつけ合わせは、交互に食べていきましょう。

●カレイの煮つけは上身の上側から食べ始める

カレイの煮つけ

煮つけは身がやわらかいため、ほぐしすぎないのがコツ。中骨に添ってお箸で切れ目を入れ、上身の上側から食べ始めます。

上身を食べ終えたら中骨を外してお皿の縁側に置いて下の身を食べていくと、食べ終えた後が美しくなります。

●パンケーキは重ねたままカットして上からいただく

パンケーキ

2~3枚重なって出されることが多いパンケーキは、最初に中央にナイフを入れ、下までまとめて十字にカットしていくのがオススメ。その後は上から1枚ずつひと口大に切り分けていただきます。

食への敬意をもてば、自然と美しい食べ方に!

小倉さんが教える美しい食べ方とは、“食への敬意”がある所作のこと。細かいマナーやルールを覚える必要はなく、以下の7つの原則に気をつければいいそう。

<小倉式「食事七則」>

その1 フェイス・トゥ・フェイスの法則 

顔を上げて相手との時間を大切にする

その2 指先フォーカスの法則 

お箸などを持つ指先は美しく見えるよう、リラックスを心がける

その3 ひと口サイズの法則

 
ゆっくり噛んでも7秒ほどで飲みこめる量を口に含む

その4 自分ベクトルの法則 

お箸やフォークの刃先は自分のほうに向ける

その5 ノイズキャンセルの法則 

食事中の音やにおい、服装など余計な情報(ノイズ)に気をつける

その6 絶景キープの法則 

美しく盛られた料理の形を長くキープしながら食べる

その7 エンディング美の法則

 
食後の器やテーブルの美しさを意識してきれいに締めくくる

「おなかを満たすことだけを目的にしてしまっては、もったいない。美しい食べ方とは、マナーというルールにとらわれることではありません。食べ方、つくり手、同席者などすべての環境に向き合って感謝して食べることこそ、美しい食べ方なのです。これらの原則を意識したうえで、美しい所作を覚えていくと、相手からの印象だけでなく、自分の内面までもが美しく変わっていくはずですよ」

小倉さんが監修する『世界でいちばん美しい食べ方』(扶桑社刊)では、普段の食事から特別の席まで85のメニューの美しい食べ方を紹介しています。こちらもぜひチェックしてみてください。