湿気の多い梅雨。キッチングッズやバスグッズなど、吸水性に優れ、すぐに乾く素材が求められています。
最近、注目を集めているのが「珪藻土(けいそうど)」。吸水性が高く、乾きやすいという特性を生かし、キッチングッズや傘立てやバスマットなど、さまざまなアイテムが発売されています。
今回は、珪藻土のキッチンスプーンをピックアップ。砂糖や塩のビンの中に入れておくと、調味料をすくうという本来の用途のほか、除湿して中身をしけらせないといううれしい効果も。どこのメーカーのものが吸水力が優れているのか、ライターの朝岡真梨さんが比べてみてくれました。
試してくれたのは、50か国を超える海外旅行の経験をもとに、料理やグルメについて執筆しているライターの朝岡真梨さんです。
いちばんコスパのいい珪藻土のスプーンは?比較してみた!
珪藻土は、植物性プランクトンが長い時間をかけて化石となった天然素材。100円ショップやニトリ、珪藻土を専門としたブランドなど、さまざまなメーカーから珪藻土を使ったアイテムが発売されています。
今回はそれぞれの吸水性や特徴を調べるべく、スプーンを実際に買ってみて比較してみました。
【用意したもの】左から、100円ショップのmeets(ミーツ)、ニトリ、soilの珪藻土スプーンです。それぞれのメーカーから出ているスプーン型のもののなかからピックアップして比較しました。
meets(108円)、ニトリ(249円)、soil(1296円)、値段はすべて税込み価格です。
【実験方法】同じ陶器の容器を用意して、水を50gずつ入れ、スプーンを沈めて1日放置。残った水の重さを計量して、減り具合によって吸水力の比較をします。
実験場所は、直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所を選びました。
水分の自然蒸発分もあるので、珪藻土を入れない水だけのものと合わせて、写真のように並べて実験。
1回目は、購入して開封後にそのまま。2回目は、一度水洗いしてからまる1日陰干ししたものを使って、再度計測しました。
●吸水力を比べてみた結果は…?
容器から珪藻土を取り出して、残った水の量を計ってみました。水の計量はいずれもプラスチックの計量カップと家庭用スケールを使い、同じ条件になるようにしています。
◆1回目(開封直後の珪藻土スプーンを使用)
水だけ…34.5g
100均…28g
ニトリ…32g
Soil…28.5g
◆2回目(一度水洗いし、陰干ししたものを再使用)
水だけ…34.5g
100均…27g
ニトリ…32g
Soli…29g
●珪藻土は陰干しすると吸水力が復活!
今回の実験でわかったことは、珪藻土は陰干しすれば、ちゃんと吸水力が復活するということ。大きさや形状に差があるので、単純にそのパワーだけの比較はできませんでしたが、乾燥材のような役割を果たしてくれる茶さじタイプの珪藻土は、キッチンの強い味方になってくれるのではないかと思いました。
●100円グッズの珪藻土スプーンのコスパの良さが印象的!
そして注目したいのは100円の珪藻土の性能の高さ。重量も厚みもしっかりある100円の珪藻土のスプーンは、パッケージに「吸水性に優れた」と書いてあるとおり、なかなかパワフルに吸い取ります。
大きさは約40mm×約80mm。しっかりとしたボリューム感のあるスプーンです。100円でこの性能は、コスパがいいと感じました。
●スリムなニトリは小分けタイプの調味料によさそう
今回、一番形状が小さいということもあって、数字の上ではインパクトに欠ける結果だったニトリ。茶さじタイプとは違ったスリムな薄めの形状は、さまざまな用途に使えそうです。
たとえば、チャックがついていて、市販の容器のまま入れ替えないで使っている鷹の爪や塩などには、ニトリの珪藻土のスプーンは使い勝手がよさそうです。
●安心にこだわるなら素材が明記されているSoil
今回、唯一国産の珪藻土であることを明記してあったのがSoilのもの。すべて自然素材の色味だそうで、私の買ったピンクは石川県産の珪藻土と書かれていました。
食品の中に入れて使う場合や、子どものいる家庭は、安全性も気になります。少し値は張りますが、いちばん安心感のあるアイテムでした。
今回の実験は家庭用のスケール(秤)で行ったものなので、数値については多少の誤差があります。また、表面積や形状が異なることから、吸水性や乾燥時間にも違いがあります。購入を検討されるときのひとつの目安として参考にしてみてください。
吸水性に優れた珪藻土のアイテム。梅雨の時季、キッチンの頼もしいおともになりそうです。