フィンランド人の男性と国際結婚をし、3児の母としてグローバルな子育てをしているルミコ・ハーモニーさん。親子での国際交流を支援するNPO法人でも活躍するルミコさんが、さまざまな海外事情を紹介してくれます。
今回のテーマは、欧米の春のお祭り、イースターです。
イースターとはどんなお祭り?クリスマスより大切という人も!
日本でも、年々盛り上がりを見せるイースター(復活祭)。欧米ではクリスマスに次ぐ一大イベントとされます。なかには、「クリスマスより大切」とさえ言う人も。
イースターとは、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが3日目に復活したことを記念する、キリスト教において最も重要なお祭りです。
「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われ、年によって日づけが変わり、今年は、4月1日がイースターです(ロシア正教では4月8日)。
卵、バター、牛乳などをふんだんに使った復活祭独特の菓子パンやケーキをつくったり、ゆで卵に色づけする「イースターエッグ」でお祝いしたりします。
●卵やウサギのモチーフで、楽しくお祝いしよう
わが家はキリスト教信者ではないですが、文化としてイースターも楽しむ派です。
最初にイースターをお祝いした日は、朝ごはんをゆで卵三昧に。ウサギの仮面をつけたパパバニー(夫)と、それを怪訝そうに見る娘たち。パパバニーはがんばってゆで卵に色づけしていました。
また復活祭では、「XB」という言葉もよく使われます。これは、「Христос воскрес!Воистину воскрес!(キリスト復活!じつに復活!)」というロシア語の挨拶の頭文字をとったもの。
通常はイースターエッグなどに書かれるそうですが、夫は「XB」の文字の形をしたクッキーも焼いていました。
子どもにウサギの被り物をかぶせて、シュークリームを卵に見立てた年もありました。
イースターに欠かせない遊びといえば、イースター・バニーと呼ばれるウサギが、イースター・サンデーの前夜に庭に隠していった卵を、翌日家族みんなで探すという「エッグ・ハンティング」。
私が副理事長を務める、国際交流を支援するNPOで開催したところ、子どもたちは、皆夢中に! 日本でもブーム到来の予感大です。
イースターピクニック用にエッグシェルケーキを20個仕込んだこともあります。生卵の殻に小さく穴を開けて中身を出して、その殻の中にスポンジケーキ生地を流し込んで焼いただけ。
生地を入れすぎて、焼くと生地が膨らんで穴からあふれ、リーゼントヘアスタイルみたいになってしまいましたが、とても喜ばれました。
●フィンランドやブラジルのイースターもユニーク
ちなみに夫のふるさとであるフィンランドでは、イースターの1週間前の日曜日に、枝に鳥の羽などでデコレーションしたものを、魔法の呪文とともにご近所に配ります。一方もらった人は、イースターの日に卵をお返しをすることに。
この慣習は、フィンランドにキリスト教が広まる前に始まったもので、魔法使いがその年の豊作を確実なものにすると信じられていたとのことです。
さらにブラジルでは、スーパーマーケットに巨大なチョコエッグが店中につり下げられます。まるでフットボールのような大きさです。大量に買って、友達などに配りまくる習慣があります。
さまざまな楽しみ方のできるイースター。初めてという方も、ぜひチャレンジしてみてください。