台湾在住のライターCAMさんが、台湾のおいしいものやおもしろスポットをレポート。今回は、中華料理のデザートの定番「杏仁豆腐」の材料となる「杏仁(キョウニン)」でつくるドリンクを紹介。
じつは台湾では、風邪をひきやすい冬の季節に、杏仁がうれしい効果をもたらすと考えられているのです。
東洋医学では咳止めとして利用される杏仁とは?
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杏仁は杏の種で、固い殻の中にある茶色の薄皮がついたアーモンドのような部分です。日本では「杏仁豆腐」のイメージが強いですが、台湾では漢方の一種としても利用されます。
杏仁は東洋医学では咳止めの薬として知られ、喉や気管支の乾燥もいたわってくれると言われています。風邪をひきやすい冬の時期には欠かすことのできない食材のひとつと考えられているそう。
ちなみに、ときどき、中華料理店のメニューの英語訳などで杏仁豆腐がChinese almond jelly(チャイニーズアーモンドゼリー)と書かれていることがありますが、杏仁はアーモンドとは別の食材。香りが似ていることから日本の杏仁豆腐はアーモンドエッセンスを使用することがあるため、誤解している人も多いみたいです。
●台湾の人々は、手軽に飲める「杏仁茶」で咳風邪に対抗!
杏仁の代表的な食べ方のひとつと言えば杏仁豆腐ですね。ただ、杏仁豆腐をつくるためには寒天やゼラチンを用意し、鍋で温めて、固まるまで冷やすなど手間がかかります。
台湾ではもっと手軽に杏仁が楽しまれており、「杏仁茶」という杏仁ドリンクが外出先で買えます。自宅でもつくる人がいるそうです。
杏仁茶は「茶」という名前がついていますが、茶葉は使っていません。冷たくして飲むとほてりを取り、温かくして飲むと体を温める効果があるとされ、夏はアイスで冬はホットで飲める万能ドリンクでもあるんですよ。
台湾では、咳を抑えるのにいいとされています。風邪をひきやすい冬の季節には、ホット杏仁茶で喉をいたわる人が私の周りにもちらほら。台湾に来た際には、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。