食事の支度やあと片づけは、季節を問わず面倒なものですが、冬場はさらに悩み倍増。キッチンの寒さや、食器洗いの水の冷たさが、家事のモチベーションを下げてしまいます。冷えから体を守り、時短化したい!と悩んでいる人も多いはず。

そこでESSEは、冬の料理のお悩みについてをESSE読者300人にアンケート調査を実施。導き出された上位3つのお悩みについて、ライフオーガナイザーの道田一菜さん、知的家事プロデューサーの本間朝子さん、掃除家の東いづみさん、整理収納アドバイザーの尾崎友吏子さん、整えアドバイザーの阪口ゆうこさんが、それぞれ役に立つアイデアを教えてくれました。

【お悩み第1位】洗い物がつらい。お湯を使うと手がガサガサに

洗い物ときってもきり離せない、冬の手荒れ。毎度ゴム手袋をつけるのもおっくう…。そんなお悩みに効く、目からウロコのアイデアを教えてもらいました。

●食材は袋ごと&トレーごとカット

食材は袋ごと&トレーごとカット
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まな板に食材がじかに触れないようにカットすれば、洗う手間を省略できます。

トレーが小さくなってゴミ捨てもラク
トレーごとまっぷたつ

「油揚げは袋に入れたまま細切りに、薄切り肉はトレーごと切ってしまえば、ちょうど使いやすいサイズに。トレーが小さくなってゴミ捨てもラクです」(道田さん)

●洗剤はボウルにワンプッシュなら手荒れしらず

洗剤はボウルにワンプッシュなら手荒れしらず

食器用洗剤は本来は薄めて使うものが多数。「ボウルにワンプッシュ洗剤をたらして、勢いよく水を注ぐと、モコモコに泡立った洗剤液に。それをスポンジにつけながら食器を洗います。洗剤の濃度が低いので手荒れ防止にも有効」(本間さん)。サッとすすぐだけで泡がきれるので、時短&エコというメリットもあります。

●鍋のこびりつき汚れにはセスキ水をひとふき

鍋のこびりつき汚れにはセスキ水をひとふき
油汚れが浮きあがる!

「油汚れがべったりついたお鍋には、セスキ水(※)が最強! スプレーすると汚れが浮き上がってくるので、ウエスや新聞紙などでぬぐえば、あとはサッと洗うだけ」(東さん)。手荒れの原因、ごしごし洗いを卒業できそう!
※セスキ水…水100ccにセスキ炭酸ソーダを小さじ1/2ほどを溶かしたもの。スプレーボトルに入れておくと、使い勝手がいい。使うときはゴム手袋を使用する。

●洗った食器は水きりカゴごとお湯をかける

お湯で洗うと乾くのが早いですが、その分手荒れが心配。「食器を水で洗ったあとに水きりカゴごと、シンクの中で60℃程度のお湯をかけると、スピーディーに乾きます」(本間さん)。始めからお湯で洗うよりも、少ない量ですむので経済的。手荒れもしません。

【お悩み第2位】お米をとぐとき手が冷たい!指先がかじかむ…

水が冷たい冬場の米とぎは、手がかじかむ原因に。「素手でとぐ」という先入観を一度捨ててみては?

●泡立て器でといでもおいしく炊ける

泡立て器でといでもおいしく炊ける

お米をとぐときには泡立て器が活躍。ボウルに米を入れ、泡立て器でかき混ぜ、ザルを使ってすすげば、冷たい水に触らなくてもしっかりとげます。「味にうるさい家族に食べ比べてもらっても、まったく違いがわからなかったみたい(笑)」(尾崎さん)

【プラス1テク】ゴム手袋が苦手な人は穴あき手袋とのダブル使いで

ゴム手袋が苦手な人は穴あき手袋とのダブル使いで

ゴム手袋の感触やにおいが苦手な人は多いもの。「おすすめは、薄手の布手袋の指先を切り落としてゴム手袋と重ねるダブル使い。指先の感覚が鈍らないから、家事がしやすいんです」(本間さん)。さらにハンドクリームを塗っておけば、保湿効果も期待できます。

【お悩み第3位】食事の支度に時間がかかる。寒いキッチンには立ちたくない!

とくに古い一軒家の場合、キッチンは底冷えしやすい場所です。なるべく時短で調理を終わらせるための工夫を教えてもらいました。

●おしゃれな保存容器で調理して食卓に

おしゃれな保存容器で調理して食卓に

マリネやナムルなど油であえる料理は、調理器具を洗うのが大変。食卓に出す器で調理するのが正解です。「耐熱ガラスやほうろうなど、見た目がおしゃれな保存容器が活躍してくれます。そのまま食卓に出しても違和感なく、取り箸を使えば、残ったものは冷蔵庫にしまえるのも便利」(本間さん)

●鍋やフライパンはリレー式調理で

鍋やフライパンはリレー式調理で

料理をつくるたびに調理器具を洗うのはもったいない!「そぼろをつくったあとの鍋をそのまま使って、似た味つけの野菜の煮物やキンピラを調理。鍋を洗う手間を省けますし、食材のうま味が移ってコクが出るんです」(道田さん)

●モヤシは袋のまま水洗いしてレンジ調理

モヤシは袋のまま水洗いしてレンジ調理
ザルは使わない!

ザルを使わなくても、モヤシはしっかり洗えます。「袋をあけ、水を注いでモヤシを洗います。モヤシが流れ落ちないよう注意して、あけた袋の口から排水すればOK。袋ごと電子レンジで加熱すれば火がとおるので、あえ物やサラダがスピード調理でできます」(本間さん)

●豆腐は切らずにすくうだけ

豆腐は切らずにすくうだけ
くずれずに味しみも◎

「包丁で切ると形がくずれやすい豆腐は、お玉やスプーンですくって取り分けます。
煮物に加えるときは、手でわりくずしながら水をきってもよいですね」(道田さん)。包丁で切るより、味がしみやすくなるメリットもあります。

●ふりかけ容器に粉物を入れる

ふりかけ容器に粉物を入れる
欲しい分だけすぐ出せる

「小麦粉はスライド式のふりかけ容器に詰め替えます。ムニエルなど少しだけ必要なときに、調理器具や手を汚さずにサッと欲しい分をふりかけられるので重宝しています」(本間さん)。たくさん使いたいときにはフタを外せばOK。

●肉や魚は食品トレーの上で味つけ&下ごしらえ

肉や魚はトレーの上で味つけ&下ごしらえ

「ドリップがひどくなければ、肉や魚の下ごしらえは買ってきたままの食品トレーの上で。塩コショウをふったり、小麦粉をはたいたりも問題ありません」(本間さん)。直接手で触れずにトングなどを使えば、途中で手を洗わずにすみ、スムーズに調理できます。

●カトラリーも食器も共有なら配膳がラク

カトラリーも食器も共有なら配膳がラク

箸も、ご飯茶碗やお椀もすべて同じ種類に統一すれば時短に。「お客さま用も家族用の区別もありません。人ごとに選び分ける必要がないのでスムーズに配膳できるようになりました」(阪口さん)

スムーズに配膳できるようになりました