アメリカ・シアトルに住んで十数年。子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、現地で話題のフードやライフスタイルをレポートしてもらいます。今回は、アメリカに住んでみて、マネしたいと感じるアメリカ式の料理の仕方を紹介します。

アメリカ式料理
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時短にかけてはアメリカ人を見習うべき!?

年末の感謝祭やクリスマスなど、アメリカ人の夫の実家に訪れるたびに頭に浮かぶことがあります。「日本人は料理に時間をかけすぎなのでは?」という疑問。
たとえば、日本に住む母は朝、昼、晩と1日3回、食事を用意しているのですが、なにやら朝から晩まで料理をしているような印象があります。アメリカ人はどうでしょう。そんなふうにはとても思えません。
そんなアメリカ流料理の仕方で「これはマネしたい」と思った時短テク3つを以下に挙げてみました。

●その1:ミール・キットのワンプレート料理で済ませる

ワンプレート料理

アメリカ都市部で人気となっている、新鮮食材のミール・キット宅配サービスをわが家でも使い始めました。これは週にディナー3回分の食材が、調味料を含め、料理に必要な分量だけ届くというもの。食材をムダに余らせることが減り、少量では買いづらい調味料やハーブも試せて、重宝しています。
数種類のメニューから好みのものを選べて、ワンプレート料理が簡単に完成します。たとえば、ポークソテーと野菜のグリル、ミートローフとマッシュポテト、エビと野菜入りパスタ、フィッシュ・タコスといった具合です。
なにがいいいって、皿1枚なので洗い物が少なくてすむこと。テーブルに運ぶのも簡単です。取り分けもビュッフェ形式にして各自やってもらえば、配膳の負担は減るし、量が多すぎて食べ残すこともなくなるしで、一石二鳥! ワンプレート料理だけでたりるかな? とも思ったのですが、わが家では今のところたりないということはありません。もし食べ盛りの男子がいても、同じ皿にパンやライスを添えればいいだけのこと。この宅配サービス、しばらく続けてみようと思っています。

●その2:放ったらかし調理を活用する

放ったらかし調理を活用する

アメリカ人の義母は料理上手で、いつもおいしい食事でもてなしてくれます。それでも、日本にいる母がキッチンに入り浸りな印象なのに比べて、義母はテレビを見たり、新聞に載っているクロスワードパズルを楽しんだり、余裕があるように見えます。その理由は、つくりおきや放ったらかしですむアメリカ料理が多いからではないでしょうか。
たとえば、オーブン料理。調理時間は長くかかるかもしれませんが、切った食材を調味料と一緒にオーブンに入れるだけ。キッチンにいる時間は短くてすみます。

スロークロッカー

最近、日本でも注目されているキッチン家電、「スロークッカー」も大活躍。これはアメリカではどこの家庭にもある電気鍋のことで、やはり切った食材を調味料と一緒に入れておくだけで、コトコトじっくり煮込んでくれます。野菜は軟らかく味がしみ込み、肉はとろとろに。おでんやカレー、シチューなど、日本でも便利に活用できそうですね。

●その3:簡単にできあがる野菜たっぷりの具だくさんサラダを食卓に

具だくさんサラダ

空前のヘルシー・ブームとなっている現在、アメリカ人はかなりの野菜を食べています。スーパーマーケットにはカット野菜にトッピング、ドレッシングがついたサラダ・キットが何種類も売っていて、今やファストフード店でもサラダは看板メニューのひとつです。
夫も独身のころは毎日、食事はサラダだけだったとか。日本人の感覚だと「サラダだけ?」と不思議に思うかもしれませんが、アメリカのサラダは具だくさんでボリュームがあり、サラダだけでも十分おなかいっぱいになるのです。
日本でもはやりつつあると聞く「コブサラダ」がその代表格。ゆで鶏、レタス、トマト、カリカリのベーコンのフレーク、オリーブ、チーズ、ゆで卵、豆、そのほかなんでも冷蔵庫にある残りものをどっさり器に盛れば、簡単、ヘルシーなディナーのできあがり! ドレッシングはフレンチでもビネグレットでも好みの市販品を使ってOK。オイル、レモン汁、塩コショウで手づくりするのもよいですね。マヨネーズも合います。

3つの方法を賢く活用すれば、調理時間はぐんと減らせます。あくまで手抜きはせずに、おいしいものを家族と楽しみたいですね。

【Norikoさん】

アメリカ・シアトル在住。現地の日系タウン誌編集長職を経てフリーランス・エディター/ライターとなり、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『

アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~

』(海外書き人クラブ刊)