フィンランド人の男性と国際結婚をし、3児の母としてグローバルな子育てをしているルミコ・ハーモニーさん。親子での国際交流を支援するNPO法人でも活躍するルミコさんが、さまざまな海外事情を紹介してくれます。今回のテーマは、北欧のクリスマスです。

クリスマスツリー
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北欧はクリスマスの本場!現地ではこんな楽しみ方をしています

あと数日で、いよいよクリスマス。クリスマスは北欧が本場だってご存じですか?
フィンランドのロヴァニエミ地方には、サンタクロース村があります。北極線上にあるそうで、オーロラも見えやすい地方なので、一度は行ってみたい憧れの地です。毎年公式サンタクロース来日というニュースもありますね。

●サンタクロースは妖精と一緒に住んでいる!?

フィンランドでは、サンタクロースは、サンタクロース村から北へ300km離れたコルヴァトゥントゥリの山で、サンタクロースの手伝いをする妖精のトントゥと一緒に住んでいると信じられています。コルヴァトゥントゥリとは耳という意味で、世界中のことがちゃんとサンタクロースに聞こえているので、みんないい子にしましょうと言われています。

●毎週日曜日ごとにキャンドルを

アドベントカレンダー

日本でも最近広まりつつありますが、子どもたちはアドベントカレンダーを12月1日から毎日、クリスマスまで開けていきます。そこには小さなお菓子やプレゼントが入っていて、毎日クリスマスまで期待が高まっていくのです。
また、日曜日ごとにキャンドルを1本ずつ増やして、火を灯していくという習慣も。このために、長さが異なるキャンドルを立てられるスタンドも販売されています。日本でも、北欧雑貨を取り扱うお店などで入手できます。

●フィンランドのクリスマスディナー

クリスマスディナー

日本のクリスマスは、チキンとクリスマスケーキを食べるのが一般的ですが、フィンランドでは豚のお尻の肉の塊を食べます。とはいえ日本では、当然そんなものを売っているお店はありません。なので私のフィンランド人の夫は、牧場から直接8kgの肉の塊を仕入れ、数日前から注射器で塩水を注入し、何時間もかけてオーブンで焼きます。
また、ミルク粥という、温めた牛乳で米を煮たものもいただきます。米が主食の日本人にとっては、「えー!?」という感じ。でも、たとえばイギリスにもライスプッディング(米の入ったプリン)があるように、デザート感覚で食べるようです。

ハーモニ―家のルチアカッテル

またフィンランドに限らず、北欧では、赤ワインに干しブドウやショウガ、アーモンド、シナモンなどを入れて煮つめたホットドリンク「グロッグ」や、サフランが入った黄色い生地をくるくると丸め、ヤギの角に見立てた「ルチアカッテル」という菓子パンも、この時季によく食されます。ルチアカッテルは、コーヒーとともにサービスされるのが普通です。

●スウェーデンのクリスマス、ルチア祭

同じ北欧のスウェーデンでは、クリスマスの時期に「ルチア祭」というお祭りがおこなわれます。キリスト教の聖人聖ルチアの聖名祝日を祝う行事です。このお祭りでは、家族のなかでいちばん年下の娘が、白いドレスに赤い帯、太陽をあらわすロウソクの冠をつけ、サンタ・ルチアの歌を歌い、家族にケーキを贈る習慣があります。この習慣は、今ではスウェーデンで毎年開催されるノーベル賞授賞式にも組み込まれています。

●クリスマスツリーは12月25日以降も飾っていて大丈夫!

北欧の藁のオーナメントとデンマークのユールヤータ

せっかくきれいに飾りつけたクリスマスツリー。12月25日に片づけてしまうのは、もったいない気もしますよね。以前クリスマスの夜にツリーを片づけようとしたら、フィンランド人に「1月7日までクリスマスツリーは飾るんだよ」と主張されました。北欧にはクリスマスが導入される前から、ユールと呼ばれる冬のお祭りがあり、年明けまでお祝いが続きます。北欧にならって、ツリーを長く出しておいても楽しいかもしれません。