最近、SNSで人気のワード“地味弁”。見た目は地味だけれど、おいしいお弁当のことです。「彩りが地味でもおいしければOK!」という開き直り感が受け、話題になっています。
今回ESSEでは、著書を出すほど“地味弁”を愛し、日々つくり続けている、人気インスタグラマーのMAYAさんに取材。お弁当づくりがラクになる「開き直り」のポイントと、「インスタ映え」など見た目は気にしない、でもとにかくおいしい“地味弁”のレシピを教えてもらいました。
「おいしくて家族が満足ならいい」と開き直ることで、毎日のお弁当づくりが楽しく
「お弁当はこうでなきゃ、という固定観念を取り払ったら、お弁当づくりがとても楽しくラクになりました」と話すMAYAさん。毎日、夫や長男のお弁当をつくるなかで、栄養バランスや彩りを気にするより、好きなおかずをどんどんつめる方が家族が喜ぶことに気づいたのだそう。
その結果、「家族が満足ならいい」と開き直って、おいしさを追求するお弁当に変化。「唯一のこだわりは、冷めてもおいしいこと。肉は脂が冷えると味が落ちるから赤身を使ったり、脂が少ない部位は砂糖や片栗粉をまぶしてやわらか食感にしたり、お弁当ならではの工夫をプラスします」。
MAYAさんのがんばらないお弁当、6つの開き直りルール
普段慣れた味にし、おかずは2品を豪快に入れるなど、家族も自分もうれしい「開き直り」ルールとその理由がこちら。
●ルール1:定番食材でいい!
使うのはジャガイモ、ニンジン、ピーマンなど定番の食材のみ。「見栄えがよくおしゃれな食材やおかずは、わが家では意外と不評。普段食べ慣れたものの方が完食してもらえるし、結果安くすむのもうれしいところ」
●ルール2:おかずは2品で十分
「家での昼ご飯は、チャーハンとおみそ汁だけでも十分なのに、なんで弁当は品数豊富にする必要があるの!? と気づきました」。1、2品でもおいしければ家族は大満足!
●ルール3:困ったらとりあえず卵
常備菜のトップ、卵はお弁当でも最強の助っ人アイテム。「バリエーション豊富に使え、なんといってもみんな大好きだから、あと1品に困ったら卵におまかせです」。目玉焼きや、卵焼き、ゆで卵、オムレツなど形を変えつつ登場させているそう。
●ルール4:子どもが好きなおかずだけでOK
お弁当の栄養バランスは考えすぎないのもポイント。「朝食と夕食でカバーすればいいので、から揚げやハンバーグ、ショウガ焼きなどお弁当は好物だけをがっつりと。その方がテンションも上がります」。
●ルール5:“インスタ映え”は考えない!
インスタグラムで映えそうな、彩り豊富で見栄えがいいお弁当より、地味だけれど味第一のおかずの方が家族ウケは上々。「食欲をそそる味やボリュームを重視しています」。
●ルール6:仕きりは最小限に
おかずは味が混ざってもおいしいものを入れるようにしているので、細かく仕きったりしません。「魚のおかずのときだけ、魚臭さが軽減され、風味がアップする青ジソを使います」。
MAYA流・開き直りの“地味弁当”レシピ
MAYAさん宅で定番という2品弁当のなかから、家族に大人気の「鶏胸肉のバターじょうゆ焼き弁当」のレシピをご紹介。
この日のお弁当のおかずは、「鶏胸肉のバターじょうゆ焼き」と「インゲンのゴマあえ」の2品。どちらも時間をかけずにつくれるのが魅力です。
「安い胸肉でもこの味つけなら間違いありません。鶏肉がやわらかいから、歯ごたえのいいインゲンのサブおかずで食感のメリハリをつけて、食べごたえもアップします」
●鶏胸肉のバターじょうゆ焼き 【材料(1人分)】
鶏胸肉 150g
バター 大さじ1
A[しょうゆ 小さじ2、オイスターソース 小さじ1/2]
砂糖、片栗粉 各小さじ1
【つくり方】
(1) 鶏肉は繊維を断ち切るように食べやすい大きさにそぎ切りにし、ボウルに入れて砂糖をよくもみ込み、片栗粉を薄くまぶします。
(2) フライパンにバターを熱し、(1)を弱火でじっくり焼き、火がとおったらAを加えて全体にからめます。
「パサつきがちな胸肉は、砂糖をもみ込むことで冷めてもしっとりやわらかい食感になるんです」
●インゲンのゴマあえ 【材料(1人分)】
インゲン 5本
A[すりゴマ 小さじ2、しょうゆ 小さじ1、砂糖 ひとつまみ]
【つくり方】
(1) 小さめのフライパンにインゲンと水大さじ1(分量外)を入れてフタをし、水分がなくなるまえ中火で蒸し焼きにします。
(2) (1)を取り出し、粗熱を取って3等分に切り、Aであえます。
おかずの種類が少なくても、食欲がわいてくる味です。
には、2品弁当のほか、おかず1品の「のせるだけ弁当」や「巻くだけ弁当」、「麺だけ弁当」などオリジナリティーあふれる、おいしい”地味弁”レシピをたっぷり紹介。ぜひチェックしてみてください。