部屋が片づかない原因の多くは、「定位置が決めにくいもの」「外から持ち込まれてたまっていくもの」を放置するから。その結果、片づけ先のない「困りもの」が増え、どんどん家事がしにくくなってしまった人は多いはず。それに対し、知的家事プロデューサーの本間朝子さんが実践しているのは、困りものにこそ定位置をつくること。
そのうち使うから、いつか処分するから、とりあえずそのへんに置いといて…はもっともNGなパターンなのだとか。「イレギュラーに発生するもの・たまりがちなものこそ、置く場所を賢く見極めて。すぐ手に取れるところに置いて“出口(=消費ルート)”をつくれば、家事もスムーズに流れますよ」(本間さん)。
たまりがちなものは、消費ルート近くの「定位置」に置き、「出口」を確保しておく
●ポケットティッシュは、ティッシュボックスにセット
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最適な「出口」は、ティッシュボックスの上。「袋から出さず、そのまま取り出し口をふさぐように置いてしまいます。こうすれば優先して使うことが家族にも伝わり、強制的に消費できますよ」。1か所に限らず、家じゅうのボックスの上に置けば、口紅のティッシュオフをしたり、掃除に使ったり、あらゆることに使えて便利。差し出されるとつい受け取ってしまう人は、この手で大量消費を心がけましょう!
●紙袋は、ゴミ袋と一緒に収納する
人へのおすそ分けやプレゼント用にとっておいても、使うのは結局数枚程度。「大半は使いきれないですから、ゴミ箱代わりにしてどんどん消費しましょう。紙製なので、可燃ゴミをポンポン入れ、あとは大きなゴミ袋にまとめるだけ」。きれいな状態で捨てるのは惜しくても、ひとつの役目を終えて捨てる分には罪悪感も生まれません。
●新聞紙は、ゲタ箱に持ち手つきの紙袋を置いてイン
「古新聞回収日までためなくても、一般古紙として捨てる方法もあります。ゲタ箱のすみに、紙袋を置きストッカー代わりにしてためていけば、捨てに行くときも簡単。取り出しやすいので、掃除や割れものを包むときにも使えます」。こまめに処分しつつ、普段の家事でも積極的に消費していけば、家の中でジャマになりません。
●シャンプーやリンスのサンプルは、いつも使っているシャンプーやリンスの近くに置く
使わずじまいになりやすいヘアケアのサンプル類。「風呂場のシャンプーボトルの近くに置いて普段使いに活用すると、使い忘れを防げます」。
スキンケアのサンプルと一緒にポーチに入れ、旅行カバンに入れておくのも手。「好みに合わないものは、トイレや洗面台の掃除に。シリコン入りリンスは汚れをつきにくくする効果がありますよ」。
●メイク用品のサンプルは、化粧ポーチの中に入れる
新色や新製品を試すチャンスは、もらったタイミングがベスト。しまい込んでいるうちに、流行も終わってしまいます。「今使っているメイク用品と一緒に置き、すぐに使えば比較しやすいですよ。外に出ることが多い人は化粧ポーチに入れ、化粧直しで使ってもいいですね」。ポーチに入れておけば、自分で使わない場合、欲しい人にあげることもできます。
●取扱説明書は使う家電の近くに
「毛布の洗い方を確認したい、食材の調理時間や方法が知りたいなど、手元ですぐ確認したいときもあります。洗濯機やオーブンの説明書は、ファイリングして棚にしまうより、使う家電のそばに置いた方が便利」。よく見るページに付せんをはれば家族もわかりやすい!
●家電の付属品は本体そばにセット
掃除機の紙パック、コーヒーメーカーのフィルターなどは、ストック棚に置きがちですが、使うときを考えると本体そばに勝る場所はなし。「箱などにまとめて近くの棚に置いておくと、使うときもスムーズにセットできます」。
●教えてくれた人
【本間朝子さん】知的家事プロデューサー。住まいは2LDKのマンション。自身の経験から、時間とムダな労力を省く「知的家事」を考案。著書に『
家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社刊)ほか。