花粉症や環境の変化など、春は体調管理が難しい時季です。そんなときトライしてみたいのが、さまざまな体の不調を改善してくれるツボ。適切な場所と押し方をマスターすれば、日々の緊急事態に大助かり。日常で「よくあるピンチ」に効くツボを、日本ホリスティックセラピストアカデミー校長の加藤雅俊さんに教わりました。

鼻づまりがひどいときには、鼻通(びつう)のツボを

●こんなときにプッシュ:鼻づまりがひどくて呼吸が苦しい

 花粉の季節は鼻づまりに悩んでいる人も多いのでは? 鼻の穴の中は異物の混入を防ぐため縮まっているもの。風邪やアレルギーで鼻がつまった際は、ツボを刺激して鼻孔を広げるとすっきりします。
 「鼻通」は、小鼻の少し上にあるツボで、刺激すると鼻孔を広げて鼻のとおりをよくします。血行がよくなり、鼻の粘膜の機能を高める働きも。

鼻通(びつう):場所
鼻通(びつう):場所
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ツボは、鼻の両脇、小鼻の少し上のくぼんだところにあります。

鼻通(びつう):押し方
鼻通(びつう):押し方

人さし指の腹をくぼみに当てて、上部の骨の内側に向かって優しく押します。軽めの気持ちいいタッチで、左右同時に行いましょう。

我慢できないほど歯が痛いとき…温溜(おんる)

●こんなときにプッシュ:歯が痛い。我慢するのがつらい

 歯の痛みには、鎮痛効果のあるツボ「温溜(おんる)」を押すと即効性があります。ただし、一時的に痛みがやわらいだからと安心せず、きちんと治療してください。
 
温溜は、鎮痛効果が高いツボで、とくに上半身の痛みに効果があります。激しい痛みがあるときは、ツボを押すのも強めにするのがコツです。

温溜(おんる):場所
温溜(おんる):場所

温溜の場所は、手首の横ジワとひじの裏の横ジワのちょうど真ん中。親指側の骨の、内側のキワにあります。

温溜(おんる):押し方
温溜(おんる):押し方

腕を上からつかむように親指をツボに当て、骨のキワから押し上げるように押します。手首ごと動かして指を骨の内側に入れ込むようにするのがコツ。強めのイタ気持ちいいタッチで、左右同様に押してください。

突然、頭痛が!どうにかしたい…天柱(てんちゅう)

●こんなときにプッシュ:まだ家事が残っているのに突然の頭痛。どうにかならない?

 頭痛のなかでもっとも多い緊張性頭痛は、筋肉のこわばりをほぐすツボ「天柱」で緩和しましょう。頭痛がひどいときには、病院で受診を。
 
 天柱は、肩コリなどの筋肉のこわばりからくる緊張性頭痛の締めつける痛みを緩和してくれるツボ。頭部の疾患やめまい、目の疲れなどにも効果がありますが、長引くようならもちろん病院できちんと治療を。

天柱(てんちゅう):場所
天柱(てんちゅう):場所

天柱の場所は、後頭部の髪の生えぎわで、首の中心にある僧帽筋のすぐ外側。左右両側にあります。

天柱(てんちゅう):押し方
天柱(てんちゅう):押し方

後ろから両手で頭を包み込み、親指を頭の骨に引っかけるようにして頭の中心に向かって押し上げます。強めのイタ気持ちいいタッチで、左右同時に行いましょう。

なんだか急に胃が痛い!緊急対応には不容(ふよう)のツボを

●こんなときにプッシュ:急な胃痛。当面の痛みだけ和らげたい

 胃はとても繊細で、疲れや、ストレスの影響を受けやすい臓器です。応急処置としてツボ押しで和らげつつ、痛みが長引くときは、病気が隠れていることもあるので病院で診てもらいましょう。

 「不容」のツボは、胃酸過多、胃けいれん等をはじめ、胃の疾患全般に有効で、鎮静効果もあります。痛みがあるときにゆっくり押すと効果的です。

場所は、みぞおちの中央に人さし指を当て、指3本分ほど下がった左右の斜めの位置。

不容(ふよう):押し方
不容(ふよう):押し方

中指の腹をツボに当て、体の中心に向かってゆっくり、優しく押します。軽めの気持ちいいタッチで、左右同時に行って。

耳鳴りがひどいときは、耳門(じもん)

●こんなときにプッシュ:耳鳴りがひどくて家事に集中できない

 病気ではないのに耳鳴りがするなら、ストレスや疲れによる可能性もあります。「耳門」のツボは、耳の血液循環をよくし、耳の中にある器官を正常にします。耳のトラブル全般のほか、顔面の神経まひ、歯の痛みなどにも効果があります。

耳門(じもん):場所
耳門(じもん):場所

耳門の場所は、耳の穴の前にある出っぱった軟骨の、やや上にあるくぼみのあたりです。

耳門(じもん):押し方
耳門(じもん):押し方

人さし指の腹をツボに当て、皮膚に対して垂直に押しながら突き上げるように、軽めの気持ちいいタッチで押します。自律神経を整える「

合谷(ごうこく、手の甲側の人さし指の骨のキワ。手の甲を上にして軽く指を広げ、人さし指の骨をたどっていき、親指の骨と接する手前の位置)

」のツボも組み合わせて押すと、効果倍増!

※ここで紹介しているツボは、病気を治療するためのものではありません。病院での診療をおすすめします。また、妊娠中や妊娠の可能性がある場合、持病がある場合、痛みがある場合などは、事前に医師との相談のうえ、ツボ押しを行ってください