体をポカポカに温めてくれる鍋料理。この季節、土鍋が食卓で大活躍というお宅も多いのではないでしょうか。毎日を支えてくれるありがたい道具は、使ったあとのお手入れも重要です。ほんのちょっと手間をかけるだけで、驚くほど丈夫になったり、長持ちしたり。
そこで今回は、鍋類とフライパンを長く大切に使うためのお手入れ方法をご紹介します。教えてくれたのは、器や台所道具などの展示会や企画協力を行う日野明子さん。毎日使う鍋やフライパンだからこそ、日々の扱い方で状態が左右されます。正しい方法を知って、末永くつき合っていきましょう。
鍋とフライパンの正しいお手入れの方法!ひと手間が長持ちにつながります
●土鍋
すべての画像を見る(全13枚)耐熱性が高く、ご飯や煮物がふっくらと炊き上げる土鍋。土を焼いた陶器の鍋は、日ごろの正しいお手入れ法を知ることで長く使えます
日当たりのよい場所でしっかり乾かす
水気が残ったままにするとカビてしまうことがあるので注意が必要です。普段はタワシかスポンジに中性洗剤をつけて洗い、すすいだらふきんで水気を取り除きましょう。日当たりのいい場所に置いてしっかりと乾かし、底を上にして保管を
[特別なお手入れ:ヒビが入って水漏れしたらおもゆを炊く]
ヒビから水漏れしても、慌てなくて大丈夫。おもゆをつくって土鍋に入れ、火にかけて温めては、火を止めて冷ますを2~3回繰り返して。おもゆがヒビの「目止め」になって、より丈夫になります
●ステンレスの鍋
サビにくく、とても丈夫なステンレスの鍋。汚れが落ちやすく、使ったあとの手入れも簡単なので、扱いやすいのが特徴です
スポンジと中性洗剤でゴシゴシ洗ってOK
普段使いのあとは、スポンジと中性洗剤でゴシゴシと洗いましょう。スポンジはかたいものを使ってもOK。汚れがこびりついたときは、ぬるま湯を入れてつけおき洗いをするとすっきりととりやすくなります
[特別なお手入れ:焦げつきにはナイロンタワシの出番]
焦げついてしまった場合は、研磨効果のあるナイロンタワシでこするときれいになります。焦げつきがひどい場合は、粉末タイプのクレンザーをつけてこするか、重曹を使ってもよいでしょう
●ほうろうの鍋
鉄板にガラス質の釉薬を焼きつけた、ほうろう。耐熱性があって見た目もおしゃれで優秀な鍋。ガラス質の部分は欠けることもあります
スポンジと中性洗剤で優しく洗う
日頃のお手入れは、スポンジで手洗いが基本。中性洗剤をつけて全体を優しく洗いましょう。炊飯や煮込みなどで、底にこびりついてしまったときはぬるま湯を入れてしばらくおいてから洗うと落ちやすくなります
[特別なお手入れ:焦げたときには重曹とオイルでつけおき洗い
焦げたときは、鍋にぬるま湯をはり、重曹大さじ1、食用油2、3滴を入れて沸騰させます。火を止めて1日おき、焦げが浮いたら洗い流します。焦げてから時間がたつと落ちにくくなるので注意
[特別なお手入れ:欠けたところはサビ防止にオイルを塗る
フチなどが欠けて、鈍いシルバー色の鉄部分が見えてしまったときは、サビ防止に食用油を塗ります。欠けても、黒色のガラス質が見えている場合、その部分はサビ止めされているので安心です
●鉄のフライパン
鉄のフライパンは、使うほど味わいが増し、油もなじんで扱いやすくなります。水分が残るとサビの原因になるので、使用後はよく乾かす必要があります
タワシでこすり洗い
普段は植物性のタワシでこすり洗いし、ぬるま湯でよくすすぐだけでOK。洗ったあとは、火にかけて完全に水気を飛ばしてからしまうようにしましょう。鉄から油分を取りすぎないように、油のベタつきが気になるとき以外は、洗剤は使わないよう心がけましょう
[特別なお手入れ:白っぽくなったら油分を補給する]
全体が白っぽくなったときは、油分不足のサインです。オリーブオイルをペーパータオルなどで薄く塗ってみましょう。ほかの道具と重ねて収納するなら、ベタつきにくいエゴマ油もおすすめです
【日野明子さん】
器や台所道具などの展示会や企画協力を行う。著書に『
台所道具を一生ものにする手入れ術』(誠文堂新光社刊)など