辰巳 渚さん
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辰巳 渚さん モデルルームのように片づいた家に憧れる人は多いですが、「人が暮らす家では、ものはいつも動いています。毎日の行動や、定期的な家事と連動させて片づけのサイクルをつくり、『だいたい片づいている』状態を維持しましょう」と提案するのは「家事塾」を主宰する辰巳渚さん。

 片づけの基本は、使ったものを元に戻すこと。ちょうどいい置き場所にちょうどいい量があり、不要になったものは捨てる仕組みがあれば、「使う・戻す」の循環がうまく回っていきます。

「忙しい毎日のなかで、必要なときにすぐにものを取り出せたり、家事をするときに作業が止まらないことも大切です。片づけがラクにできる家では、見違えるように家事がはかどるものですよ」

 繰り返すと便利な「毎日/毎週/毎月の片づけのサイクル」に加え、「片づける前に決めるべき3つのルール」も教えていただきました。

自分にあった片づけのサイクルを見つけて家事をスムーズに回す

片づけは毎日の暮らしのなかで繰り返している作業。「毎日すること、週に一度、月に一度すること、と自分に合ったサイクルを見つければ、自然に片づいた状態を維持することができますよ」。

【1日サイクルですること】

食事のときに使う食器類、子どもが遊んだオモチャ、その日届いた新聞、着た洋服などは、その日のうちに片づけます。「使い終わったときに元の場所に戻せば、家はいつもだいたい片づいた状態をキープすることができますよ」

たとえば…
●寝る前にリビングに出ているものを片づける

●その日着た服をクローゼットにしまう

●食卓に出ているものを元の場所に戻す

●読んだ本や雑誌を本棚に戻す

【1週間サイクルですること】

「週末にバスタオルを洗濯するとき、タオル置き場の整理整頓も同時にするなど、家事と片づけを連動させましょう」。1週間分の新聞をストック場所に運んだり、郵便物を見直して取捨選択するなど、日々増えるものを整理するのにもよいサイクルです

たとえば…
●たまった新聞や雑誌をストック場所にしまう

●郵便物を見直し、不要なものは処分する

●シーツやバスタオルを洗濯し、置き場所を整える

●ワイシャツなど洗濯物にアイロンをかけ、しまう

【1か月サイクルですること】

「片づけているつもりでも、テレビ台やタンスの上は、自然とものがたまりがち。月に一度は片づけを」。また、片づいた状態をキープするには、定期的に不用品を処分する必要も。「月に一度のペースで行うと、ムリがありません」

たとえば…
●テレビやタンスの上を片づける

●一時置き場の新聞や雑誌を資源ゴミに出す

●不要なプリント類を処分する

●古タオルや衣類をぞうきん用にカットする

始める前にまず決めて!家事を回す片づけの3つのルール

 片づけでまず決めたいのが、ものを戻す場所。次に暮らしのなかで使いやすい量を見きわめ、捨てるルールを決めます。さらに普段の行動を確認し、動線を意識するとより片づけがラクになります。

リビングで使うテレビなどのリモコンは、サイドテーブルの上にひとまとめに
リビングで使うテレビなどのリモコンは、サイドテーブルの上にひとまとめに

(1)迷子になりがちなものの置き場所を決める

ものを出して使い、戻すのは一連の作業。とくに頻繁に使うものや、家族共有で使うものの置き場所には工夫が必要です。「台やボックスを使って置き場所を明確にしておけば、迷子にならず、散らばりを防止できますよ」

リビングの出入り口近くに家族のケータイ置き場をセット。充電もスムーズに
リビングの出入り口近くに家族のケータイ置き場をセット。充電もスムーズに

(2)増えていくものの捨てるルールを決める

学校のプリントなど次々と届くものは、しまい込むとたまってしまいがち。「わが家ではマグネット式クリップではさみ、冷蔵庫の側面に。重みで落ちる前に処分するルールにし、循環させています」

プリント類は、家族みんなが毎日使う冷蔵庫の側面で保管すれば、見直しやすい
プリント類は、家族みんなが毎日使う冷蔵庫の側面で保管すれば、見直しやすい

(3)動線を意識した配置を

ものは使う場所の近くにしまい、動作と連動させると片づけがラクに。「アウターは脱ぎ着する玄関の近くにかける場所をつくるなど、普段家の中でどう動いているのか動線を意識してみましょう」

玄関の壁にアウターを収納。低い位置だから子どもも自分でかけられます
玄関の壁にアウターを収納。低い位置だから子どもも自分でかけられます