今年4月1日からスタートした電力自由化。半年が経過して、「実際に○○円電気代が下がった!」といった報道やネットの記事もちらほら…。でも現実には、自分の周囲で電力会社を切り替えた人がいる、という方はほとんどいないのではないでしょうか。電力自由化という言葉を知ってはいても、なかなか切り替えまでに進まないのは、やはりその仕組みの難しさや不安にあると言われています。そこで改めて、ポイントをわかりやすくQ&Aにまとめてみました。答えていただいたのは、電力自由化の解説や講演活動を行う、巻口守男さんです。

電力自由化の大事なポイントがわかるQ&A
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電力自由化の大事なポイントがわかるQ&A

Q:すぐに変更できる?手続き方法は?

A:

新規の電力会社のホームページや販売店の窓口で申し込んでから、早くて3日ほどで変更ができます。手続きには、検針票の用意をしておきましょう。

「電力会社を変更する際、現在の電力会社への連絡は不要。基本的に料金は発生せず、新たに電線を引くこともありません。ただし、スマートメーター(新しい電力量計)に交換するケースもあり、その場合、無料ですがプランの開始まで約1か月かかります」

Q:もし乗り換え先の会社が倒産したら、電気が止まる?

A:

初めて聞く会社名も多い新電力会社ですが、電気はライフラインの要だけに、もし倒産したら…といった心配も。

「会社が倒産しても、地域の送配電網を管理する既存の電力会社には供給する義務があるので、電気が止まることはありません。次の電力会社と契約するまでは、自動的に電力を供給してくれた電力会社のプランが適用されます」

インターネット

Q3:一度変更したあとに、また別の会社に乗り換えられる?

A:

変更後によりおトクなプランが登場した場合、別会社に乗り換えることは可能ですが、気をつけたいのが契約期間があるプラン。

「複数年契約で割引率が高くなっているものや、携帯電話やガス、インターネット回線などとのセット割で契約期間があるもので、途中解約で違約金が発生するものも。契約内容をきちんと理解してから申し込みましょう」

Q:どうやって選べばいいの?

A:

パンフレットなどを確認して、自分に合ったプランを選びます。その際、便利なのが比較サイト。

「たとえば『

エネチェンジ

』の場合、郵便番号と1か月分の電気代、現在の契約内容などを入力すると、年間の節約金額をシミュレートしプランを絞り込むことができます」。ポイントやセット割引、特別なサービスなども参考にして決めましょう。

【質問に答えてくれた人/巻口守男さん】

電力比較サイト・エネチャンジ

副社長。消費生活アドバイザー。約40年にわたる電力業界の経験から、電力自由化の解説や講演活動を行う。『いっきにわかる!電力自由化』(洋泉社刊)を監修