メロンパンブームです。なんたって、あのアイスのガリガリ君にメロンパン味が期間限定で発売される、という話があるくらい。でも、じつは、ずーっとブームです。もちろん、メロンパンは昔からあるし(一説では大正時代から)、今さら感もあるのですが、ちょっとコンビニのメロンパンを考えてみてください。結構なペースでモデルチェンジしています。バリエーションもどんどん増えています。
そして今や、パリ発の小粋なブーランジェリー(フランス語でパン屋さんのこと)の棚にもメロンパンが置かれる時代です。「メロンパンの皮焼いちゃいました。2」(山崎製パン)なんて、メロンパンのスピオンオフ(?)まで登場しました。ブームは加速しているのです。
メロンパン・マニアのHARIKENさんがおすすめ!「初心者向けメロンパン」ベスト5
すべての画像を見る(全2枚)でも、そうなると、「どれを食べればいいのか?」ということになりませんか?もちろんなります。なんといってもそこはメロンパン、カロリー的には結構「持ってる」ヤツです。タフな相手です。下手を打ちたくはないところ。
そこで「メロンパンハンター」を自称し、まだ見ぬメロンパンの探求に日々邁進しているキャラクターデザイナー、HARIKEN(針生謙一)さんに聞いてみました。
比較的買いやすく、おいしいメロンパンを教えてください!
5位 香りと食感にこめられた思いは洋菓子の品格
タカセ「メープルメロンパン」
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東京池袋駅駅前にある老舗洋菓子店のメロンパン。
「メープルシロップがパン生地の底部分にたっぷりしみ込ませてあります。『メープル』を謳ったメロンパンはよくありますけど、その香り高さといったら、ほかとは比較にならないほどです。ビスケット生地(表面部分)はサクサクと心地よい食感。パン生地は空洞になっていてふんわり。底に染みたメープルとパン生地が絶妙な食感と味のハーモニーを醸し出しています。洋菓子店のつくるメロンパン、という品格がありますね」。
4位 「パンで勝負」の心意気
木村屋總本店「こだわりメロンパン」
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あんパンを考案したことでも知られる老舗パンメーカーが、直営店ではなく、スーパーやコンビニ向けに卸しているメロンパン。
「パン屋さんなどで裸で売られるメロンパンに対して、僕は『袋メロンパン』と勝手に読んでいます。こういう緑色の果汁入りメロンパンというのは、中にクリームが入っていることが多いのですが、これには入っていません。そこにまず驚きます。パンとして勝負している。それでいて全体的にパサつかずしっとりしています。皮とパンの一体感も最高です。コンビニやスーパーで売っている袋メロンパンは、パン専門店のふんわり感に勝てないものですが、これはちょっとものが違います」。
「手軽に買える袋メロンパンは、ありがたい存在なんです」
3位 日本初フランス経由の軽やかな新種
ゴントラン・シェリエ「パンメロン」
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フランスの人気ブーランジェ・パティシエ(パン・菓子職人)が贈る「日本のパン」。
「クロワッサン生地を使っていて、なんといっても食感が、斬新だし気持ちいい。ハラハラっと口のなかで崩れてすっと溶ける。そして表面にはあられ糖。パンというよりスイーツという趣です。日本のメロンパンを、よくぞ商品のラインナップに入れてくれたと思います。軽くておなかいっぱいにならないし、カフェが好きな女性にもおすすめです」。
2位 メロンパン嫌いをも虜にする逸品
アンデルセン「サンライズ」
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全国に店舗を展開する広島発祥のパン屋チェーンのメロンパン。だが、名前は「サンライズ」。一概にはいえないが、おもに阪神間ではメロンパンを「サンライズ」と呼ぶようだ。
「メロンパン嫌いの友人も、これだけはおいしいといいますね。まずパンそのものがとてもおいしい。メロンパンは、表面の生地が口の中で崩れてしまったりするものですが、このメロンパンはパン生地との一体感が素晴らしい。じっくりいただくと、これがなんとも味わい深いんですね。ビスケット生地にはタマゴボーロのような風味があって、これがまた懐かしさを誘うところです。時間がたってもおいしいんですよ」。
1位 侮りがたい庶民派の傑作
小麦の郷(ライフ)「富良野メロンパン」
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スーパーマーケット「ライフ」で売られている焼きたてパンコーナーの逸品です。
「『ライフ』は関東、近畿にたくさんの店舗を展開していますから、まずなによりも手に入れやすい。それも1位にした理由ですが、もちろん味も文句なしです。富良野メロンのオレンジ色のメロンクリームが生地に練り込まれていて、層になっているんですね。だから食感はとてもしっとりしています。手が込んでます。見ているだけでも楽しい。一見、どこにでもありそうなメロンパンなのに、手間暇かけたつくりのパン生地と美味しさが本当にすばらしい」。
ひとくちにメロンパンといっても、じつに多種多様。このベスト5を手始めに、奥深いメロンパンの森に分け入ってみては?食べすぎは禁物ですが。