元、谷中住人の旅ライターSannaです。引っ越した今も台東区の100円バス「めぐりん」に乗って、ときどき、遊びに来ています。谷中は、夕景がきれいな「夕やけだんだん」とその先に延びる「谷中銀座商店街」、点在する寺院、台東区まちかど賞を受賞した「築地塀」と、名所ぞろい。古いものを大切にしながらも、新しいスポットが次々と誕生。訪れるたびに発見があるこの町で、ここぞ!というお店をご紹介します。今回はグルメスポットを中心にレポート!
すべての画像を見る(全10枚)懐かしい昭和の暮らしが見えてくる「上野桜木あたり」
昭和13年建築の三軒家を再生した「上野桜木あたり」は、路地と座敷でつながる複合施設。それぞれの家屋には、ベーカリーや食品店、ビアホール、雑貨・衣服のセレクトショップが入居し、イベントスペース「みんなのざしき」、野菜マルシェが開催される「みんなのろじ」とつながって、昭和を感じる交流の場となっています。
驚いたことに、3号棟の一部は住居になっていて、昭和の暮らしを満喫しているご家族がいらっしゃるそう。雰囲気づくりのために新しく掘った井戸は、子どもたちからも好評とか。
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それでは、1号棟の谷中ビアホールから入ってみましょう!
●谷中ビアホール
外観もレトロですが、店内もなかなかのものです。壁には50年以上前の古新聞が!小さな庭にはテラス席もあります。
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女性ひとりでも気軽に入れる雰囲気がいいですね。注文の前に、まずはチケットを購入。900円、1500円、3000円の3種類あります。早速、若女将がおすすめする谷中ビールを注文。
コクがあってリッチな味わい。おつまみには、フランクフルトの土鍋ローストと、ウズラの卵、チーズ、ベーコンのスモーク盛り合わせ。食材のうま味が凝縮されています。なにしろ古い建物なので、煙を出さずに空焚きできる特別な土鍋で燻製にしているそうです。次回は、4種類のビールが楽しめるテイスティングセットを試してみようかな。
【谷中ビアホール】
営業時間:月定休日
火~金 12:00~20:30
土・日・祝 11:00~20:30
住所:東京都台東区上野桜木2-15-6 あたり1-1F
電話:03-5834-2381
●Kayaba Bakery(カヤバベーカリー)
お次は2号棟へ。ご近所にある古民家カフェ「カヤバ珈琲」と姉妹店のベーカリーです。抹茶やゴマなど、和の食材を取り入れたパンが多く並びます。
国産小麦を使用し低温長時間発酵で焼いたパンは、しっとり&もちもち。ハード系から惣菜パン、菓子パンまで品揃え豊富。
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ドリンク類も販売しています。どれにしようか迷いましたが、ほんのり塩味のじゃがぱんと、ハート型がかわいいチョコバゲット、そしてレモネードを購入!外のテーブルでおいしくいただきました。ここでモーニングを楽しむお客様もいるそうですよ。
【Kayaba Bakery】
営業時間:月定休日
9:00~19:00
住所:東京都台東区上野桜木2-15-6 あたり2-1F
電話:03-5809-0789
●塩とオリーブの店 おしおりーぶ
ベーカリーのお隣にあるのがこのお店。塩とオリーブオイルをメインにヴィネガーの種類も充実。店内に置いている商品は、すべて試食できるというのがうれしい!
さらにうれしいのは、オリーブ・コンシェルジュがお客様の希望に応じてアドバイスしてくれるということ。「サラダがおいしく食べられるドレッシングを!」とオーダーすると、はちみつを発酵させたヴィネガーとレモン風味のオリーブオイルを提案してくれました。試食するとレモンの爽やかな風味!
カプレーゼ用には、トマトヴィネガーとバジルのオリーブオイル。イタリアンドレッシングのでき上がりです。
塩もめずらしいものがそろっています。奥能登・珠洲(すず)の「復活塩」は、塩田に海水を撒いてつくる揚げ浜式製塩。すだれに海水を噴きつけてつくる「珠洲の結晶塩」同様、なかなか手に入らない貴重な塩なのだとか。ミネラルたっぷり、塩むすびにすると絶品です。
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徳島鳴門産の塩と発酵阿波番茶を石臼で挽いた「阿波番茶塩」は腸内フローラの改善にもよいそうで、天ぶらやお茶漬けに。パンづくりに使う人もいるそうですよ。
【塩とオリーブの店 おしおりーぶ】
営業時間:月定休日
11:00~19:00
住所:東京都台東区上野桜木2-15-6 あたり2-1F
電話:03-5834-2711
【Sannaさん】
出版社勤務などを経てフリーのライターに。ムックやガイドブック、雑誌などに、旅や街歩きほか、グルメ、輸入住宅の記事を寄稿。これまで訪れた国は約65か国。著書に『
スウェーデン森に遊び街を歩く』、『
バルト三国 愛しきエストニア、ラトビア、リトアニアへ』(ともに書肆侃侃房)などがある。ブログ『
Sannaの旅ブログ』