プレ更年期とは、閉経前後にあたる更年期の手前の時期。自分のコントロールがうまくできず、無理がきかなくなっている頃です。プレ更年期に感じる不調とはどんなものがあるのでしょうか?医師の対馬ルリ子さんが答えてくれました。「いわゆる『更年期障害』としては思いつかない症状もあります。不調の原因がプレ更年期であることをしっかりと自覚して。適切なケアをすることが大切です」(対馬さん)。

思い当たる?プレ更年期のサイン

プレ更年期のサイン
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・頭痛

 脈に合わせるようにこめかみがズキズキ痛む、肩から後頭部にかけて締めつけられるように重い…など今まで頭痛に悩んでこなかった人にも症状が。もともと頭痛もちの人は悪化することも

・常に眠い、眠れない

 睡眠の質が悪くなるのは、プレ更年期によくある症状。寝つきが悪い、眠りが浅い、早く目覚めてしまうといったさまざまな睡眠障害が起き、日中は睡眠不足でボーッとしがちに

・集中力がなくなった

 料理の分量を間違えてしまったり、スーパーで長時間ウロウロしてしまったり。ささいなことでも「前はこんなことはなかった!」と感じるなら、プレ更年期による集中力の低下が原因かも

・汗をかきやすくなった

 多汗、ホットフラッシュというと更年期障害のイメージだけど、その予兆はプレ更年期の時期にも。ちょっと動いただけで汗が噴き出る、食事をとると汗がダラダラ流れるなど、思い当たる人は要注意

・情緒不安定

 今まで気にならなかった夫の行動にイライラするなど攻撃的タイプ、根拠がないのになにをしても無駄なように感じられ、ものごとが手につかないような不安性タイプの2つのタイプがよく見られます

・腰痛、関節痛

 鈍い腰痛からギックリ腰まで、腰の痛みを訴える女性が増えるのもプレ更年期の特徴。指のこわばり、関節のしびれ、手首足首の痛みなど、小さい関節も症状が表れやすい部分

・風邪をひきやすい

 昔は人ごみに出かけても平気だったのに、最近はやたらと風邪をもらってくるようなことはありませんか?薬を飲んでも、寝ても、なかなか治らず症状が長引くのもプレ更年期の特徴

風邪をひきやすい

・やせにくい

 1~2kgくらい太っても、数日食べる量を減らせば元に戻っていたはずの体重が、なかなか戻らない! ハッと気がつくと、どんどん体重が増えていく状況に焦りを感じている人も多いはず

・髪に悩みが出る

 白髪が増えるのはもちろん、分け目が目立つ、コシやハリがない、パサつく、髪が細くなる、うねりが出るなど、さまざまなトラブルが出現。スタイリングがなかなか決まらず時間がかかるように

・肌がかゆい、乾燥する

 保湿してもカサつきが治まらず、メイクののりが悪い! 化繊やウールの服や下着を着るとかゆくなるので、着られる手もち服が激減。肌のコンディションが原因で外に出るのがおっくうになる場合も

肌がかゆい、乾燥する

 上記のほかにも、爪が弱くなる、口が渇く…などさまざまなサインが。見逃さないように、しっかり注意をしましょう。

積極的に食べたい食材

 食材に含まれている栄養素には、減少した女性ホルモンがサポートしていた働きと同様に作用するものも!いつもの食事に小鉢をプラスしたり、間食用に常備するとよいでしょう。

積極的に食べたい食材

<青菜>

 青菜にはビタミンのほか、鉄やカルシウムなどが豊富に含まれている。骨粗しょう症予防に作用する葉酸も含む

<赤身の肉>

 良質なタンパク質は体づくりに必須。冷えを防ぐ鉄分、精神安定や糖質の代謝に作用するビタミンB群も豊富

<青魚>

 DHA、EPAは血液サラサラ効果に加え、脳の神経細胞活性化も。骨や血液の生成に必要なビタミン&ミネラルもたっぷり

<大豆製品>

 豆腐、納豆など大豆製品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと似た構造をしていて、体の中で同様に働く

<海藻類>

 低カロリーで食物繊維が豊富で体重調整におすすめ。ヒジキはプレ更年期世代に不足しがちなカルシウムや鉄も豊富

<ナッツ類>

 ナッツに含まれるビタミンEは女性ホルモンの代謝を促進。アーモンドなど皮ごと食べられるものがとくに◎

ナッツ類

 上記のものを取り入れるのは大切ですが、食べ方がかたよってしまうのはNG。バランスのよい食事がベースであることを忘れずに。