寒い季節の掃除は、とにかくつらいもの。ESSE読者300人に冬の掃除についてアンケート調査をしたところ、冬ならではの悩みがたくさん寄せられました。なかでもとくに嫌いなポイントは、「浴室のカビ取り」「キッチンの油汚れ」など、ほったらかしにしがちな場所でした。

「冷たい」「乾かない」「汚れが落ちない」など、冬ならではの「困った」を解消するテク、汚れをためずにきれいが続くワザを、暮らし上手な家事の達人に教わります。教えてくれたのは、知的家事プロデューサーの本間朝子さん、掃除ブロガーのよしママさん、家事・掃除・住宅アドバイザーの藤原千秋さん、掃除家の東いづみさんです。

【お悩み第1位】水仕事で手が冷たい!水ぶきが苦痛…。お風呂掃除で風邪をひきそう!

浴槽やトイレを汚さない、ぞうきんを冷たくしないなど、毎日の暮らしに取り入れたいテクニックです。

●入浴剤代わりの重曹で汚れ防止

入浴剤代わりの重曹で汚れ防止
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重曹を入浴剤として使うと、お湯の肌あたりをやわらかくしてくれ、ぽかぽか温まり、そのうえ浴室掃除の手間を減らしてくれるうれしいおまけが。

「タンパク質を分解する作用があるので、お風呂の湯に大さじ1程度加えると、皮脂汚れがつきにくくなります」(本間さん)。なお、重曹は医療用、もしくは食用を使いましょう(工業用は不可)。

●トイレのあとはクエン酸水をスプレー

トイレのあとはクエン酸水をスプレー

時間がたつほど落としにくくなるトイレの尿石汚れ。トイレにクエン酸水のスプレーを用意して、家族が用をたして水を流したあとの便器の中に、スプレーしてもらうのを習慣に。

「手軽なので、子どもも楽しんでやってくれます。汚れがつきにくくなり、トイレ掃除がラクになります」(よしママさん)

●ぞうきんは水で濡らさずスプレーでシュッ

ぞうきんを水で濡らして絞ると、冷たくて手が痛くなりがち。

「わが家では、スプレーボトルに水を入れて、ぞうきんに吹きかけるだけ。かたく絞ったぞうきんくらいに湿るので水ぶきにちょうどいいんです」(東さん)

●余ったお茶で水ぶきするとフローリングがきれいに

まだ温かい飲み残しのお茶で床をふくのも、寒い時季におすすめのテクニックです。

「手が冷たくならず、お茶の香りで気分もさっぱりします。さらに紅茶を使うと、フローリングの細かい傷を目立ちにくくする効果もあります」(藤原さん)

【お悩み第2位】ホコリが目立つ!乾燥するからホコリっぽくて…

冬は乾燥とホコリが気になります。健康のためにも、今あるもので効率的にホコリを撃退しましょう。

●柔軟剤入りの水でふくとホコリ予防に

柔軟剤入りの水でふくとホコリ予防に

気になるホコリには、柔軟剤が効果あり! ふき掃除の水に加えると、柔軟剤のもつ静電気を抑える効果で、ホコリがつきにくくなります。

「3リットルの水に10滴程度でOK。リビングで使っている家具が黒っぽいので、ホコリが目立つのが悩みでしたが、このワザを試すようになってから気にならなくなりました」(本間さん)

●土ボコリはストローノズルで一掃!

土ボコリはストローノズルで一掃!

窓の桟などすき間のホコリには、手づくりのストローノズルが便利。

すき間のホコリに最適!
すき間のホコリに最適!

「つくり方は20本ほどのストローを輪ゴムでしっかりまとめるだけ。掃除機に吸い込まれないよう、ノズルの先端にガムテープでぐるぐる巻きにして固定を。ほどよいかたさでホコリをかき出します。トイレの換気扇やファンヒーターの吹き出し口にも使えますよ」(よしママさん)

【お悩み第3位】油汚れが落ちない!寒さで、がんこにこびりつく…

寒さで油汚れも落ちにくくなります。魚焼きグリルとレンジフードの汚れには、こんなテクが役立ちます。

●魚焼きグリルはコーヒーかすでピカピカに

魚焼きグリルはコーヒーかすでピカピカに

使い終わった魚焼きグリルは受け皿の水を捨て、乾燥させたコーヒーかすを全体に薄く敷いてください。古布で優しくこするようにしながら、かすを集めていくと、油を吸ってピカピカになります。「魚を焼いたあとのにおいを消臭してくれる効果もあります」(よしママさん)

●レンジフードの汚れはお湯を沸かして落とす

レンジフードの汚れはお湯を沸かして落とす

掃除の前にコンロでお湯を沸かすと、蒸気で汚れがゆるみます。「コンロにかけたヤカンに重曹を入れて、ホット重曹水をつくれば一石二鳥。沸かした重曹水は水で50℃ほどに薄めてからスプレーボトルに入れます。それをペーパータオルにスプレーしてレンジフードのひどい汚れに湿布。さらに上からラップでパックし、1時間おいてふき取ればきれいになりますよ」(よしママさん)

【お悩み第4位】結露でビショビショ…窓の周りにカビ発生!

毎日発生して、放置するとカビの原因に…。結露も寒い季節ならではのお悩みです。

●窓の下にタオルをセット。ふいたあとは自然乾燥で

窓の下にタオルをセット。ふいたあとは自然乾燥で

カビ予防のため結露はふくのが鉄則。「毎日のことなので、窓の近くに専用のタオルを用意。夜、タオルを窓の下に敷いて結露を吸い取るようにし、朝はそのタオルでサッと全体をふいてから窓の外に干して自然乾燥、というサイクルなら気軽」(藤原さん)。タオルの汚れがひどくなってきたら、玄関のふき掃除などに使ってから処分しましょう。

【お悩み第5位】寒いところの掃除がつらい!廊下は底冷え、外は極寒!

寒い場所の掃除は、「ついで掃除」「最小限」でいいんです。

●ベランダは排水溝だけきれいにすればOK!

夏と違って雑草もなく、乾燥していて泥汚れなどがこびりつきにくい冬は、屋外の掃除は最小限でいいんです。

「ベランダの排水溝の大きなゴミなどを、洗濯物を干すついでにササッと取り除いておけば、あとはほったらかしでも大丈夫」(東さん)

家事の達人が提案してくれた真冬のラク家事アイデア、ぜひマネしてみてくださいね。