「言いたいことがあるのにうまく伝えられない…」。そんな悩みを持つ方にアンケートをとったところ、たくさんの相談が!皆さん「断り方」に苦労されているようです。断り方ひとつで人の印象はガラリと変わります。さらりと意思表示をし、ピンチを切り抜ける方法について、プロに意見を聞いてみました。教えてくれたのは、大人のコミュニケーションに詳しいコラムニストの石原壮一郎さんと、話し方研修を数多く手がける大嶋利佳さんです。

ものの言い方
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【お悩み相談】 ピンチを切り抜ける断り方とは?

●Case1 板橋由佳さん(仮名・40歳)

<お悩み>子どもがさほど好きではないお菓子を大量に送ってくる義母。角を立てずに断りたい

 せっかく送ってもらっても食べずに捨てることになるのでもったいない、という板橋さん。小さいうちから甘いものをあまり与えたくない、と同様のお悩みを持つ方は実際に多いです。

 義母の好みで買うので子どもが着たがらない洋服ばかり、といった悩みも寄せられました。大嶋さんは次のように提案します。

「まず大切なのは、“孫にものを買い与えたい”という義母の気持ちを否定しないことです」

 ストレートに「お菓子はいりません」と伝えると関係をこじらせる原因に。
「“孫をかわいがりたい”という祖母に『いつもありがとうございます』と感謝の言葉を伝えつつ、『最近、文字を読めるようになって、やたらと絵本を欲しがるんですよ』などと、リクエストを伝えるのが賢い方法です」

<ベストな断り方の「ものの言い方」>「最近、文字を読めるようになって、やたらと絵本を欲しがるんですよ」

●Case2 佐藤由美子さん(仮名・35歳)

<お悩み>そろそろPTAの役員が回ってきそう…。下の子もまだ小さいし、なんとか断りたい

 アンケート結果のなかでも多かったのが、幼稚園や小学校のPTA役員にまつわる悩みです。「今年は無理だけれど、来年なら引き受けられます」など代わりの案を示せればいいのですが、問題は先の見通しが立たないまま、とにかく断りたいという場合です。

 石原壮一郎さんはこうアドバイスします。

「ついつい『下の子が小さいので…』などと事情を説明したくなりますが、『それでも私はやったわよ』などと一蹴され、かえって窮地に立たされかねません。申しわけなさそうな顔で『お引き受けしたいのはやまやまなんですけれど…』とひたすら恐縮し、相手になにか言われても、同じセリフを繰り返す。そうこうしているうちに、相手も諦めてくれるはずです」

<ベストな断り方の「ものの言い方」>「お引き受けしたいのはやまやまなんですけれど…」