食品偽装の問題などが話題になっている昨今。正しい知識を身につけて、賢く食材選びを!チェックすべきポイントを、女子栄養大学栄養クリニックの管理栄養士・新井麻子さんに教えてもらいました

マグロの種類ってどれくらいあるの?

 

大きく分ければ5種類ほど。それぞれに、味わいも変わります

 高級魚の代名詞ともいえる本マグロから、おなじみツナ缶の材料となるキハダマグロまで。ひと口にマグロと言っても、味わいも値段もさまざまなのです

クロマグロ(本マグロ)

マグロのなかでも最高級品。体長1m以下のものは、メジマグロとも呼ばれます

メバチ

生産量が多いのがこちらのマグロ。身がやわらかいので刺身に向いています

ミナミ

身はやや締まっていて、脂ののりがいいことから、すし向きといわれます

ビンナガ、キハダ

ビンナガは、世界の海に多く分布。ともにツナ缶などの材料として知られます

●筋、色、ドリップをチェック!

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話題のバナメイエビってなにが問題なの?

 

天然の希少な芝エビのはずが、養殖のバナメイエビではがっかり…

 バナメイエビはクルマエビ科の一種。台湾、東南アジアなどで多く養殖されています。ブラックタイガー以上に病気に強く、値段は安め。最近はルックスや味が似ているため、芝エビの代わりに使われることが増えています

バナメイエビ

病気に強く、成長も早い。芝エビと比べて味は淡泊で、サイズも大きい

バナメイエビ

芝エビ

クルマエビ科でやや小さめ。すべて天然もの。小さいながらも特有の甘味がある

芝エビ

ブラックタイガー

クルマエビ科で体長は大きめ。生では黒みが強い。ぷりっと歯ごたえある食感

ブラックタイガー

タラと銀ダラは別ものって本当?

 

名前は似ていても、“科”も味わいも違う魚です

 タラは、別名マダラと呼ばれ、タラ科マダラ属の魚です。脂質が非常に少なく、100g当たり0.2gほど。一方、銀ダラは、ギンダラ科のギンダラ属で脂質は100g当たり17gも含まれ、その味わいはまったく別ものなのです

タラ

タラちりなどの鍋料理や、干物、揚げ物などに。タラコは、マダラの卵

タラ

あっさり脂肪0.2g(100g当たり)

銀ダラ

脂肪分が多いため、揚げ物、鍋物などには向かず、煮つけ、漬け魚がおすすめ

銀ダラ

こってり脂肪17g(100g当たり)

鮭とサーモン、トラウトサーモン。それぞれの違いはなんですか?

 

すべて同じサケ・マス類。味わいは、ほとんど同じです

 日本で「鮭」といった場合に指すのは、シロザケのこと。一方、サーモンといった場合には、ざっくりと鮭、マス類全般を指すことが多いようです

シロザケ(白鮭)

日本で一般的な「鮭」はこちら。脂肪分少なめで、塩鮭など加工品に向く。新巻鮭は、シロザケ

ギンザケ(銀鮭)

体長1mほどの大きさ。脂肪分が多く、ステーキなどとして食べるのがおすすめ。養殖が多い

べニザケ(紅鮭)

紅色の身から紅鮭といわれ、コクのあるうま味とほんのりした甘みが特徴。フライなどに

マスノスケ=キングサーモン

鮭の中では最大の体長1.5m。身は鮮やかなオレンジ。脂肪が多く、ソテーなどに向く

タイセイヨウザケ(ノルウェー、チリ産)

通称アトランティックサーモン。チリ、カナダ、ノルウェーなどで養殖される。カルパッチョなどに

トラウトサーモン=ニジマス

世界じゅうで広く養殖。価格が安く、外食、中食で「鮭」として流通することも。塩焼きなどに

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― 食材の上手な見分け方、選び方 ―