気がつけば本が溢れてしまう本棚…。また、ついつい奥の方に読んでいない本も増えてしまいがちです。
整理収納アドバイザーとして活躍する三條凛花さんに、家にある本の収納について教えてもらいました。
本を1か所にまとめるのをやめれば、死蔵本が少なくなる!
皆さんは、本をどのように収納していますか?
さまざまな収納アイテムや収納方法がありますが、私がもっとも大切だと思っているのは「1か所にまとめないこと」です。
本にも種類があります。そして、その種類によって必要とする場所は変わってきます。使う場所ではないところにしまっておくと、手に取りにくく、死蔵された状態になりがち。
まずは「読む場所」が決まっている本から収納場所を決めていき、残ったものを本棚に入れる。これが大切なポイントです。
使う場所に使う本をまとめる。すると、買ったままずっと眠っている本が少なくなりますよ。
●レシピ本の定位置は「キッチン」
もっともわかりやすい例としては、レシピ本や料理にまつわるエッセイがあげられます。
料理にまつわる本を買うのは、おそらく、新しい料理をつくりたいからですよね。
だから、キッチンの食器棚の一角や、引き出しの空いているスペースなどに料理本を収納します。
すると、手が空いたときに取りやすくなりますよ。
キッチン以外では「献立を決める場所」に置いておくのもおすすめです。
ダイニングテーブルのほか、おうちによっては家事関連の雑務を処理するスペースを設けているところもあるかもしれません。
そうしたところに置いて、献立決めの段階で手に取れるようにすると、メニューが決めやすくなるし、材料の買い忘れもなくなります。
●仕事関連の本は、仕事をする場所に
コロナの影響で、自宅で仕事をする方も増えたのではないでしょうか。
仕事で使う資料や本は、書斎や寝室などの仕事をする場所に置くのがベストです。その都度取りに行く手間がなくなります。
ダイニングテーブルなどで仕事をする場合は、近くに置く場所がないかもしれません。
そのようなケースでは、大きめのボックスファイルなどに仕事の本をまとめておき、まとめて持ち運べるようにしておきます。
●図鑑や辞書は「リビング」
子どもたちが使う図鑑や辞書は、リビングに置くのがおすすめです。
わが家では、キッチン背面に収納棚がついているのでそこに入れています。
そうしたスペースがない場合は、カラーボックスなどを使って収納スペースをつくり、学習に使うものと一緒に置いておくと便利です。
食事ができあがるのを待つ間などに、自分で取り出してぱらぱらとめくってくれます。
宿題をリビングでするお子さんも多いと思うので、そうしたときにさっと辞書が手に取れると便利ですよね。
また、テレビやその日の話から、ふと調べたいことができたときにも手に取りやすく、親子の会話が進みます。
少しむずかしいのが絵本。これはご家庭によって適した置き場所が大きく変わってくると思います。
たとえば、夜寝る前だけに絵本を読んであげるなら寝室付近、子どもが自発的に読むならリビングなど、行動に合わせて収納場所を決めるとうまくいきます。
わが家では、2階に本棚を置いて図書室風にしており、片側を大人の本、もう片側を子どもの本というように分けています。
寝る前にここから1冊ずつ読んであげるほか、自分たちで取り出して読んでいる姿も見られます。
さて、このように、目的別に本の置き場所を決めてきました。
ここまでしてからはじめて、残った本をすべて1か所にまとめていきましょう。
●残った本を1か所にまとめる。本棚が足りない場合は「図書館風収納」がおすすめ
「自宅が狭くて本棚に収まらない…」「でも捨てたり売ったりしたくない…」という場合は「図書館風収納」がおすすめです。
数年前まで、1Kのマンションに家族で暮らしており、そのとき実際に行なっていた方法です。
やり方はかんたん。すぐ手に取れる場所に置く本を数冊選び、残りを箱に入れてしまっておくものです。
まず、すぐに読める場所に出しておく本を決めます。5~10冊程度が目安です。
この頃は、仕事と育児・家事に追われて、まったく本を読む時間が取れなかったので、子どもの絵本だけをここに用意していました。
そして、残った本を大きめの収納ボックスなどにしまい込みます。
クローゼット内部やベッド下、押入れなどに片づけてしまいます。
すぐ読める場所に置いておいた本は、1週間~数か月を目安に読みます。
読み終えたら、あるいは自分で決めた期限になったら、残りの本を収納してあるスペースと入れ替えます。
こうすることで、定期的に手元にある本が入れ替わり、残った本も埃をかぶらずに保管できます。
「今週の5冊」「今月の10冊」というように選ぶ作業も楽しいです。
その場合「○曜日」または「毎月○日」に本を入れ替えるというルールを決めておくとうまくいきます。
私が自分のために行なっていたときは「実用書から2冊」「小説から1冊」「絵本から5冊」…というように、カテゴリと冊数の組み合わせを決めておき、それに合わせて選んでいました。
子どもの絵本も、それに合わせて背表紙にカテゴリを表す丸シールをつけていたので、選びやすくなっていました。
●使う場所と定期的に中身を入れ替えるとつねに片づきます
このように、本の収納を考えるときは、すべてを1か所にまとめるのではなく、まずは使う場所に合わせて振り分け、それから残った本を1か所にまとめるのがおすすめです。
本棚に対して本があふれてしまう場合は、出しておく本としまいこむ本を決め、定期的に中身を入れ替えるのがおすすめです。