コロナ禍で、おうちで過ごす時間が増えた今、家族でどんな会話をしていますか? ESSE編集部が年100万円以上の貯蓄を達成している読者を調査したところ、貯めてる人ほど(今回の調査では貯めている読者の81%)、家族でお金について話し合う機会があることがわかりました。
そこで今回は、お金のプロからのアドバイスとともに、1000万円の貯蓄を実現したお宅で実際に行われた「家庭内お金会議」の様子やそのメリットを紹介します。
夫婦や家族間で絶対に話し合うべき費目とは?
順調に貯蓄を増やしている人は、夫婦や家族でお金の話し合いができています。そして「絶対に話し合いが必要!」と、お金のプロたちが強調するのは
教育費です。
「高校や大学に入ると、教育費は急激に上昇します。出せる教育費の限度を夫婦で話し合って、子どもにも『国立しか行かせられない』などと伝えて話し合っておけば、子どもは心づもりができ、親もムリをして老後資金不足に陥らずにすみます。家族内で日頃からお金について話し合う習慣があれば、スムーズに会話が進むのでは」と、節約アドバイザー・和田由貴さん。
ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんは、「奨学金を借りるのも、家族で話し合いが必須。子どもと一緒に返済プランを考えるのが親としての義務」と話します。
衝動買いが減り家計が安定!年170万円貯めている家の「お金会議」
家族でお金意識を共有し、高めていける“貯まる会話”を実践しているという、Kさん家の会話を見ていきましょう。
<Kさん(大阪府・40歳)のプロフィール>
年間貯蓄/170万円
家族構成/夫(42歳)、長女(16歳)、長男(14歳)
パート勤務、住まいは築10年の一戸建て。ファイナンシャルプランナーの資格を生かした楽しくも効率的な節約ワザを駆使して、トータル1000万円貯蓄を達成!
●実録1:【夫と保険の見直しを検討したときの会話】
妻:わが家の場合、教育費がマックスでかかるのは子どもたちが大学に行ってる間だね。(下の資料を見せながら)このピンク色の期間だけもう少し保障を手厚くしておけば、なにか起こったとしても、そんなには困らないかも。
夫:学費は学資保険で賄えるんじゃないの?
妻:学費はね。でも、生活費はあなたが元気で働けて、年150万円以上は貯蓄できるのを前提にしているの。だから、収入保障プランを加えるのはどうかなって。
夫:なるほど。でも支払いがかなり増えるんじゃないの? 確かあと1年で長女の学資保険の支払いが終わるから、その分を回してみればいいんじゃないかな!
●実録2:【子どもたちからプロジェクターの購入についてプレゼンを受けたときの会話】
娘:プロジェクターが欲しくて。3~4万円くらいするんだけど…。
妻:目的や取りつけ場所は?
娘:映画を観たい。場所はまだ…。
妻:プロジェクターって、昼間の明るい時間でもはっきり見えるの? テレビじゃダメ?
息子:最近のは大丈夫みたい。ゲームもつなげて、大画面でやってみたい!
夫:通信に時間差があるから、それは無理だと思うぞ。
娘:友達呼んで動画も観たいの!
妻:う~ん、ちょっと早いような気がするな。家庭用は出始めたばかりで、まだ値段も高いし…。
夫:持ち運びできるものなら、ひとつあってもいいかなって思うから、実験的に買ってみる?
妻:えぇ~!? じゃあ、買う前に1日レンタルしてみてからね。
●お金会議を成功させるコツは?
Q:ズバリ、お金の会話をするとどうしてお金が貯まるようになったの?
A:わが家は衝動買いがなくなって家計が安定しました!
買いたいものがあれば、家族にプレゼンするのが決まり。そのために、メリットやデメリットをしっかりリサーチしています。結果、“納得しないと買わない”習慣が身につきました。
Q:お金の会話をスムーズに行うには?
A:コーヒーをいれて夫をテーブルにおびき寄せます(笑)
眠そうじゃないときを狙い、日常会話から徐々に移行します。欲しいものは比較品を含めた画像を、家計の話は家計簿やライフプラン表をつくって見せると、話が早くまとまりますよ。
いかがでしたか? 貯蓄を着実に増やしていくには、家族でお金についての共通認識をもつことが大切です。とくにお子さんがいる家庭では、避けては通れない教育費問題。お子さんが中高生になったら、ときには一緒に、家計についての話し合いの場を設けてみましょう。