おいしい牛乳が、どのようにして私たちの食卓まで届いているのか、じつはよく知らない人が多いのでは? 今回は、食に対する意識の高いESSEレポーターの3人が「よこすか関口牧場」を訪れ、酪農体験を通して「おいしい牛乳のヒミツ」に迫ってきました!

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私たちが参加しました!

(左から)

小杉葉子さん

(30歳)
長女(2歳)の離乳食開始を機に食育アドバイザーの資格を取得。「牛乳は手軽なカルシウム源。料理にも積極的に使いますが、安全に供給されるヒミツを知りたい」

鈴木久美子さん

(39歳)
長男(7歳)、長女(5歳)の母として栄養バランスのいい食事づくりを心掛けている。「どんなふうに生産されているか、しっかり見て学んで子どもに伝えたい!」

齋藤 紫さん

(36歳)
長女(8歳)、二女(6歳)、長男(2歳)の母。野菜ソムリエや薬膳アドバイザーなど食関連の資格を複数取得。「国産牛乳が安全・安心な理由を知りたいです」

神奈川県にある「よこすか関口牧場」では、おいしい生乳を生産するかたわら、多くの人に酪農について知ってもらうため、牧場を一般開放中。食の安全・安心へのニーズが高まるなか、牧場主の関口さん自身が納得できるものを生産・製造しています。今回はこちらで、酪農を体験してきました!

手間暇かけた、おいしい生乳づくりを体験

おいしい牛乳が私たちの手元に届くまでの出発点は牧場。その現場では、想像をはるかに超える手間と時間をかけて、牛乳の原材料となる「生乳」が毎日生産されています。
「生乳は生きている乳牛からいただく自然の恵み。気温や牛の体調によって量が左右されるので、毎日同じ量は生産されません。栄養豊富な半面、傷みやすくて扱いも難しいんです」と話すのは、牧場主の関口健さん。
このように、生乳とはじつはとても特殊で貴重な“農作物”。酪農家は一年じゅう休むことなく手をかけ目をかけ、朝から晩まで牛たちの面倒を見ているんです。

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エサやりは1日5回! こまめに与えています

エサの量はお乳の出方に合わせて1頭ずつ細かく調整しているそう。食べやすいようにほぐしてから与えるので、気の遠くなる作業が必要に。
「エサの量が多すぎても少なすぎても、牛の体調が悪くなるんです」(関口さん)

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搾りたての生乳はあったかい~!

牛の種類はもちろん、食べたエサや季節、気温、湿度など、牛が暮らしている環境によって生乳の味は変わります。冬は濃いめ、夏はさっぱりめの味になるんだとか。

自分でつくったクリーミーなバターは格別な味わい!

「牛という生き物を扱う以上、丁寧に手をかけないとおいしい生乳はとれません」と関口さんは言います。

作業をしながら、牛の一頭一頭を観察。お乳の出だけではなく、エサの食べ方や毛のツヤなど、細かいところまで確認する酪農家の仕事を目の当たりにしました。
牛に無理をさせないことがポリシーの関口さんは、配合飼料(穀類)と干し草の割合にこだわりも。「穀類をいっぱい食べさせるとお乳の量が増えるんですが、その代わり寿命が短くなるリスクもある。そこで、干し草と穀類のバランスに注意してエサを与え、健康管理をしているんです」とのこと。

「人間の子育てと同じように大変な手間と時間をかけて牛たちの面倒を見ているからこそ、私たちがおいしい牛乳を飲むことができるんですね」と、小杉さんは感慨深げ。

そのあとは、生クリーム(牛乳の脂肪分)を使ったバターづくりを体験。初めての手づくりバターに大感動の3人。「できたてのバターはクリーミーでコクがあるのに、あと味すっきり!」と、満足げな鈴木さんでした。

“指定団体”が、安全・安心な乳製品を消費者へ届けてくれる!

生乳は栄養豊富なため傷みやすく、運搬や取り扱いが難しい農作物。搾乳後は、すぐに牛乳や乳製品に加工する必要があります。さらに、季節や天候によって需要と供給の変動が大きいという難しさも…。そんな乳製品を、毎日の食卓に手軽に取り入れられるのは“指定生乳生産者団体(指定団体)”を中心とした効率的な流通システムがあるから。高品質な乳製品の安定供給を支える、指定団体のチェック過程を追ってみました。

【指定団体の役割】

1 牧場から生乳を集める(集乳)

各牧場では、搾りたての生乳を冷却タンクに一時保存しています。それらを集乳車で集めるのは、指定団体の役目。集めるときには、酪農家立会いのもとで品質検査を行います。

2 クーラーステーションで検査・管理・保管

牧場での品質検査に合格した生乳は、クーラーステーションと呼ばれる集乳所へ運ばれます。ここでさらに、細菌、異物、抗菌性物質などが含まれていないか入念にチェック。乳業メーカーに安全・安心な生乳を届けるため、指定団体では何度も検査を重ねています。

ここで合格した生乳だけが受け入れを許可され、5℃前後に冷却されたまま、鮮度と品質をキープ! その後、牛乳や乳製品など、それぞれの用途に合わせて乳業メーカーに運ばれます(直接牧場から乳業メーカーに運ばれる場合も)。

3 乳業メーカーへ送乳

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各乳業メーカーの需要に合わせて、酪農家に代わって生乳を販売するのが指定団体の仕事。酪農家の経営安定のためにも、指定団体の存在は欠かせません。

【その後、私たちの手元に届くまで】

4 乳業メーカーで牛乳や乳製品に加工

乳業メーカーに運ばれた生乳は、あらためて厳しいチェックを受けます。この検査をクリアした生乳だけが、牛乳やバターなどの製品に。さらに、でき上がった製品の出荷前にも、メーカー独自の検査が行われます。

5 学校給食や、スーパーなどの店頭へ

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検査に合格した牛乳や乳製品だけを、学校の給食や店頭、自宅に配送。まさに、選ばれた製品だけが私たちの食卓に届けられます。

6 安全・安心な牛乳・乳製品が私たちの手元に!

このように、酪農家から私たちの手元に届くまで、指定団体をはじめ、各流通段階できちんと管理を行っているからこそ、私たちはいつでも安全・安心でおいしい牛乳を、安定した価格で手にすることができるんです。

安全と安心を支える生産者の努力に感動!

国産牛乳のおいしさの秘密は、酪農家の毎日の努力と、それを支える指定団体の効率的な流通システムにありました。見学を通して、食にこだわるママたちも大きな気づきを得たようです。

充実の牧場体験を終えた3人に、この日の感想を聞いてみました。

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「酪農家の思いや大変さ、食卓に届くまでの過程を知ることで、牛乳に対する理解が深まりましたし、いろいろな人たちの手で安全とおいしさが守られていたことを知りました。牛乳は子ども向けの料理にも使いやすいのが嬉しいですね。これからもますます食卓で活用したい!」(小杉さん)

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「毎日、配達される牛乳を飲んでいるのですが、安全で安心な牛乳が届くのも、指定団体の存在や役割があるからこそなんですね。関口牧場で体験して学んだことを家族にも伝えていきたいです。日々、口にするものなので、品質管理が徹底されているのに安心しました。牛乳への感謝が一段と強くなりました!」(斎藤さん)

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「毎日飲んでいる牛乳が、いかに丁寧につくられているかを実感しました。子どもの成長を考えて、これからも積極的に牛乳や乳製品を食べさせたいです。何気なく飲んでいた牛乳が、こんなにたくさんのチェック過程を通っていたなんて驚きでした!」(鈴木さん)

毎日家族が口にするものは、おいしさ、安全性、栄養価のすべてにこだわりたいもの。3人にとって、今回の見学を通して牛乳・乳製品はますます欠かせない存在になったようです。

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●問い合わせ先

中央酪農会議 

http://www.dairy.co.jp