持続可能な社会をつくるための「SDGs」という言葉が注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。
9月は防災月間。今回は「水害と気候変動」について、SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんに、身近にできる工夫についてつづってもらいました。
ゲリラ豪雨、水害…気候の「危機」のために私たちにできること <今日からできる!暮らしのSDGs>
あっという間に過ぎた2021年コロナ禍の夏。今年は雨が多かったなぁ…という印象をもちましたが、皆さんはどうでしょう。晴れていても突然のゲリラ豪雨に備え、折りたたみ傘を持ち歩く日が以前より増えた気がします。
すべての画像を見る(全5枚)振り返ると、7月は熱海で大規模な土石流が発生し、8月には西日本を中心に大雨が続きました。
真夏にこれだけ前線が停滞し、雨が降り続くのは異例ということで、8月11日から21日の11日間に全国で降った雨の量は約942億㎥。これは平成30年7月の西日本豪雨に匹敵する雨量だそうです。(日本気象協会防災レポートより)
豪雨災害にあった地域では、今も復旧作業が続いています。
●オリンピックでも話題になった日本の高温多湿な気候
また、気温も北日本で平年より高めとなった地域が多く、東京も暑い日はマスクをしているとかなり息苦しかったです。高温多湿な日本の気候に、オリンピック選手たちも「まるでサウナの中での競技」と悲鳴を上げ、実際いくつかの競技の時間が変更されましたよね。
これって温暖化なの? と言われるとハッキリと断定はできませんが、アナウンサー時代、屋外からのお天気中継をかなり長くやってきた個人の感覚からも、明らかに最近の暑さと雨の降り方は以前とは変わってきていると感じます。
●温暖化のいちばんの原因「二酸化炭素」の排出量を減らすために
このままでは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが地球を覆って、「ホットハウス・アース」、つまり地球全体が「温室」のようになってしまうと専門家は以前から警告しています。そんな温暖化を食い止めるために、私たちひとりひとりができることをやらなければ、と改めて思います。
この連載記事でも何度かお伝えしているように、温暖化のいちばんの原因は二酸化炭素です。そして、日本は世界第5位の二酸化炭素排出国です。まずは、CO2の排出量を減らすことを一緒に考えてみませんか?
【皆さんにもできること~エネルギー編~】
・エアコンを効かせすぎない
(カーテンを閉めると効果的、服でも調節してみよう)
・使わない電化製品は主電源から切る
・コンセントに挿したままにしない
・見ていないテレビはつけっぱなしにしない
・冷蔵庫のあけ閉めはなるべく少なく
・だれもいない部屋の電気は消す
・お風呂は温め直しが少ないように工夫
・家庭の電力会社を再生可能エネルギー重視の会社に切りかえる
・太陽光発電などの導入を考えてみよう
・省エネの電球を選ぼう
・家庭内のみんなが取り組むため、紙に書いて貼っておく
・公共交通機関を利用しよう
・環境にやさしいクルマを利用しよう
・短い距離は歩いたり自転車で行こう
いまや気候「変動」ではなく、気候「危機」と言われているように、温暖化を食い止めるには、この10年が勝負と言われています。災害大国日本。このところ毎年のように発生する豪雨による水害は、物的損害に加え、人々の心にも大きなダメージを与えています。
新型コロナウイルスの蔓延の影響も大きく、ボランティアとして現地で支援したくても、今は県外からの参加が減っているとか。
もあるのでご参考まで。
●9月25日は「SDGs」の誕生日!今日からできることをやってみよう
さて、9月25日は、SDGsが採択された日です。
ゴール13の「気候変動に具体的な対策を」は、ほかの課題とも密接に関係するとても大事な目標です。
また、ゴール11の「住み続けられるまちづくりを」には、水関連災害などの災害による死者や被災者を大幅に削減することが目標に掲げられています。
ひとりひとりのアクションは小さなものでも、それがいつか未来へつながると信じて、今日からできることをやってみましょう!