決断に悩む、家つくりのための土地探し。「ここに家を建てて正解!」と満足している人は、どこに注目し、どんなステップを踏んで敷地を選んだのでしょうか?この土地でよかった!15年間住んでみて、実際にそう感じているという、暮らし評論家の大木聖美さんが、自身の土地探しについて振り返ります。情報収集から始めて、2年を費やしたという土地探し。注目すべきポイントを語ります。
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複数路線が乗り入れ賑わいがあり、買い物に困らない地域南側道路に面した土地は、開放感を得やすい好きなパートナーを選びたいなら、建築条件つきでない土地を騒音トラブルを考慮して、隣家と距離を保てる土地を選ぶ選んだ土地は、線路や幹線道路が近くにある割に静かだった古くからの住人と新興住宅地が入り混ざった寛容な土地柄下見に訪れた際、周辺道路がきれいだった通学環境もチェックを忘れずにコスパはそれなり複数路線が乗り入れ賑わいがあり、買い物に困らない地域
自家用車より、電車での移動の機会がなにかと多いわが家。電車が複数路線乗り入れている駅周辺で、徒歩10分圏内の場所という条件を最優先に土地探しをしました。
バスの便も多く、どこへ行くにも困りません。子ども達が育ちそれぞれが電車通学になった今も、送り迎えなどせずとも、各自便利に出歩ける土地というのは助かっています。
そういった駅周辺には、スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアや病院が多く集まるもの。利便性のよさも住みやすさに直結しています。
南側道路に面した土地は、開放感を得やすい
どちらの方角に開けた土地かは、正直気にせず土地探しをしました。結果的に購入した土地は、たまたま南向き。
南北に細長い土地で北側寄りに家を建てたため、家に入るまで少しアプローチをとることができました。ちょっとしたゆとりが感じられて、気に入っています。想像していた以上に開放感を味わえる家を建てることができました。
わが家は2階建なのですが、前の家は数軒並んで3階建て。それでも一定の距離を取ることができたため、隣家に遮られることなく、日当たり良好。気に入っています。
好きなパートナーを選びたいなら、建築条件つきでない土地を
わが家は土地より先に、パートナー先として希望するハウスメーカーがありました。なので、見つけた土地が建築条件つきでない必要がありました。
どんなに気に入っても、建築条件つきだと、工務店やハウスメーカーが既に依頼先として決まっています(このあたりはきちんと確認された方が、その後のトラブルを回避できるのではと思います)。建物を自分好みのテイストにしたい、つき合いがあって信頼しているパートナーに依頼したい…。そんな場合は、建築条件つきでない土地を選びましょう。
騒音トラブルを考慮して、隣家と距離を保てる土地を選ぶ
住宅密集地にも関わらず、わが家が目をつけた土地の両隣は、ある一定の距離を取って家を建てていました。土地を見に行った際、両隣の庭木が剪定され整えられていたため、きちんとした人がお住まいなんだろうなと想像できましたし、実際にその通りでした。
家と家の間に少しですが距離を取ることができたこと。そして、両隣が1階リビングであるのに対し、わが家は2階をリビングにしたので、両隣の生活音などが届かず、またわが家からの騒音も届かないため、お互い気にせずよい関係を築けているのではと感じています。また、外壁メンテナンスの際や庭木の手入れも、この少しの距離があることで無理なく行えています。
選んだ土地は、線路や幹線道路が近くにある割に静かだった
駅から近くて、にぎやかな街ですが、一歩路地に入ると住宅街のため途端に静かになります。寝ていても騒音で目が覚めるといったことはなく、穏やかな空気が漂っている周辺地域が気に入っています。
どのような音がするのかは、時間帯によっても変わるもの。住まいの候補地が決まった段階で、昼間だけでなく、早朝や通勤帰宅ラッシュの時間帯、そして夜とこまめに足を運び、音や周辺道路の明るさなどを確認して、購入を決めました。
古くからの住人と新興住宅地が入り混ざった寛容な土地柄
ここは古くからある街。何世代かに渡り住み続けている人もいれば、利便性を求めて移り住んできた子育て世代もいます。いろいろな土地や年齢の人が入り混ざっている地域なので、小さな子どもを引き連れての引っ越しでもすぐに同年代のお友達ができました。
どのような年代が多い土地なのか確認しておくのも暮らしやすさにつながるかと思います。
下見に訪れた際、周辺道路がきれいだった
土地を決めるまでに何度も足を運んで周辺環境をチェックしました。駅から候補地周辺を歩いてみると、行き帰りどんなルートを通ってもいつも道路がきれいで、ゴミ捨てのルールなどもきちんと守られている印象を受けました。ゴミ捨ての現場などを見ると周辺住民のマナー等を感じ取れるのではと思います。
ペット連れの方々もマナーよくされていたのも印象的でした。不快に思わない住環境というのも、暮らしやすさを感じるポイントかと思います。
通学環境もチェックを忘れずに
子どもがまだ小さかったこともあり、幼稚園から小学校、中学校までひと通りの通学路も確認をしました。
地図では家のそばにある小学校がじつは学区外で、通うべき小学校はとても遠い場所にあったという話も耳にします。近いからここだろうと推測せず、学区の確認もきちんとしておくと安心だなと感じました。
コスパはそれなり
山坂の多い横浜市内において、駅に近い平坦地を優先順位高く選んだため、それなりに土地代はかかりました。ただ周辺の土地価格と比較してみても驚くほどの値段の釣り上げなどは感じられなかったので、想定内での取引ができたものと思っています。
価格だけでは計り知れないポイントが暮らしやすさに直結している場合もあります。候補地を見つけたらできる限り足を運び、周辺環境を確認してぜひ納得のいく土地を見つけてくださいね。
●教えてくれた人/大木聖美さん
横浜在住の暮らし評論家。整理収納アドバイザー、防災備蓄2級プランナーなどの資格を持つ。片づけ・掃除・家づくりなど暮らし全般の情報を日々ブログ「我が道ライフ」にて発信中