夫はウェブデザイナー、妻は会社員という御園さん夫妻。夫の仕事場も兼ねている住まいは専有面積の半分以上がLDKで、在宅ワーク中の妻と一緒にのびのびと仕事ができます。壁づけにした幅5m超えのステンレスキッチンをはじめ、真っ白なタイル仕上げのバスルームや余白を残した玄関土間など、機能的かつスタイリッシュにリノベした空間を見せていただきました。
すべての画像を見る(全13枚)大迫力! 幅5m超えのステンレスキッチン
LDKでひときわ目をひくのは、壁づけされた幅5m超えのステンレスキッチン。躯体現しの壁ともマッチした、シンプルを極めたたたずまいです。調理道具はすべて収納できるようにしたので、生活感を感じさせません。
「天板もステンレスを望んだのですが、理想とする継ぎ目なしのタイプは費用がかなり高くて。そこで、質感が好みだったモールテックスを選びました」(夫)
玄関から通路、LDKまでフラットに仕上げた床。LDKは幅180㎜のオークフローリングを直貼りしました。
「個性的な建材や設備を扱うtoolboxのサイトで見て、使うならこれ、と最初から決めていました」(夫)
天井を見上げると個性的な照明が。ヨーロッパの工場で使われていたというヴィンテージ品で、施主支給して取りつけてもらいました。
自然光が差し込む明るいコーナーには、夫と父合作の収納棚を配置。キャンプ用品などを収納しています。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫37歳 妻36歳 長女3歳
▼リノベを選んだ理由
以前住んでいた賃貸マンションはセミオーダーでリノベーションできる物件だったため、リノベのおもしろさや知識に目覚め、家を持つなら中古をリノベ、と決めていた。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/85.61㎡
内部の広がりを予感させる、開放的な玄関
内部の広がりを予感させる、ゆったりとした玄関土間。ずらりと並ぶ靴箱は靴の寸法に合わせたオーダー品で、自作のラベルを貼って管理しています。
「棚はDIYしたものなので、靴が増えたら上に棚板を増やすつもりです」(夫)
玄関土間からLDKまでをフラットにつなぐ通路は、壁面をDIYで塗装しました。「壁の面積が広いため、それぞれの親たちにも手伝ってもらいました。正直、ほかの人にはおすすめしません!」と苦笑いの夫妻。
素材とディティールにこだわったサニタリー
浴室の壁と浴槽は清潔感あふれる白のタイルで仕上げ、ホテルライクな印象に。天井には大きなオーバーヘッドシャワーと防水スピーカーをつけました。
「好きな音楽を聴きながら入浴を楽しんでいます」(夫)
そんな浴室とガラス越しにつながる、ミニマルな洗面室。モルタルのカウンター下をオープンにしたので、より広がりを感じられます。また、カウンターにはシンプルで使い勝手のいい大型の病院用シンクをはめ込みました。
洗面室の一角には、ごくシンプルに仕上げたトイレも。洗面室との間に仕切りはなく、開放的。便器は付属品が少ない壁づけタイプを選んでいます。ウォッシュレット機能は、壁にボタンが多くなるのでつけませんでした。洗浄用のボタンも白く塗って、シンプルな見た目を徹底しました。
住まい全体の床がシームレスにつながり、のびやかな印象の御園邸。「最初に手をかけておけば、ずっと快適に暮らせる」という夫の言葉どおり、夫妻のこだわりを詰め込み、DIYで手をかけた約85㎡の住まい。収納に徹底的にこだわったことで、生活感をなくしつつ、暮らしやさがプラスされました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計/EcoDeco
中古マンションリノベのワンストップサービスのパイオニア。全コーディネーターが不動産探しから設計まで一貫して担当できるよう、不動産と設計のプロとしての知識と経験を併せ持つ。内見時には両方の視点からアドバイスができる。施工会社はコンペ形式で、公平性がある。福岡オフィスもある。
撮影/水谷綾子 ※情報は「リライフプラスvol.41」取材時のものです