「家族で暮らすときは個室をたくさんつくれる2階建てが便利。でも、夫婦ふたり暮らしになると、部屋数も少なくてすむので1階でこと足りる」。そう話す50代も少なくありません。ライフオーガナイザーで整理収納のプロ・田川瑞枝さんも、ワンフロアのマンション暮らし。日々実感している住み心地のよさを教えてもらいました。

ワンフロアのマンション暮らし
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目次:

家族のコミュニケーションがとりやすい冷暖房のロスが少なく省エネに暮らせる家事や模様替えがラクにできる

家族のコミュニケーションがとりやすい

ワンフロアのマンション

2階建て以上の暮らしには階段が必須です。プライベートな空間を確保するのに、2階、3階は便利ですが、50代以上になると、毎日の階段移動がおっくうになってきがちです。

「子どもが独立してから、子ども部屋のある2階に上がることがなくなった」「年をとってくるとわざわざ2階にものを取りにいくのがおっくうになる。平屋にすればよかった」という話もよく聞きます。

わが家はマンションなので、初めから平屋のような暮らし。上下の移動がなくて毎日の暮らしがスムーズです。それと同時に、家族が同じフロアにいるので、コミュニケーションがとりやすいのもメリットです。とくに、子どもたちと暮らしていたときは、リビングにいても玄関から「ただいま」の声が響き、自室に入っても気配を感じることができました。

冷暖房のロスが少なく省エネに暮らせる

階段や吹き抜けがあると、暖かい空気は2階にのぼるので、夏は暑く、冬は階段から暖気が逃げていく、ということも。その分、冷暖房費がかさみます。平屋は、その心配がないので、どの部屋も同じ温度が保ちやすいです。

わが家は、窓が南北に開いているので、各部屋の窓を開けておくことで風通しがよく、家の中を風が吹き抜けていきます。

ドアストッパー

ただ、引き戸は問題ないのですが、ドアを開けっぱなしにすると、風向きによっては勢いよくドアが閉まることもあります。危険を回避するために、ドアストッパーを各部屋に設置して、窓を開けている間はドアを固定できるようにしています。

また、魚を焼いたり、焼き肉をしたりすると、各部屋にニオイが流れていくので、家じゅうに生活臭が漂うのは気になるところです。

家事や模様替えがラクにできる

段差のないドア

私は模様替えが好きなので、A室で使っていた家具をB室に移動することもしょっちゅうあります。そんなときも、ワンフロアなので動かす労力も最小限ですみます。

家事がラクなのもポイント。階段掃除がない、掃除機やフローリングワイパーを一気にかけられる、洗濯物を干すのに2階のベランダに移動する、という必要がないのはとてもラク。

浴室

そして、生活に必要なキッチン、バスルーム、洗面所、トイレが寝室のそばにあり、生活圏がワンフロアで完結しているので、移動に無理がありません。

家族が多いときは、戸建てのような広さがなく、ちょっと狭さを感じることもありましたが、マンションのワンフロアでの暮らしは、年齢を重ねてくると、ますますありがたく感じています。

●教えてくれた人/田川瑞枝さん
ライフオーガナイザー、整理収納アドバイザー、ファイリングデザイナー。モノの片づけを通して、生き方の整理整頓を伝える「思考の整理収納塾」代表。時間管理、書類の整理、家計管理、住育、防災片づけ、ワークライフバランスなどのアドバイスも。ブログ「思考の整理収納塾~Sapporoちょこ*スタイル~」を更新中